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2008/05/12

ベトナム経済についての所見は「悲観楽観傍観私感」ってところでしょうか

近年のベトナム経済は、これまで経済成長に沿うように年平均7%程度の物価上昇が続いていた。しかし、ここ2ヶ月ほどの物価上昇率は22%前後で推移している。特に、例年ならいくらかでも低下するテトで上昇した物価(正月価格)だが、今年に限ってはテト明け以降も物価は下がることなく上昇した高値(価格)がすっかり定着したようである。

この状態が続く中、ベトナムの株価は下がり続け、一時の半分程度になった(というよりなってしまった)というのが正しい表現だろう。

最近、「コラコラコラム」へのアクセスで目立つベトナム関連記述を探す「検索キーワード」も「ベトナムの証券・株価」などに集約される傾向を示している。
多くが、「ベトナムの平均株価」の急激な低下に見舞われ、「オタオタしている」か「あざ笑う考え」かのいずれかだろう。
ハッキリ言わせて貰うが、「ベトナムの株価」で一儲けを企む者は単に軽輩に過ぎず「株屋のヤカラ」に過ぎないのだ。
一騒動して、儲け損なったから「アタフタ」しているに過ぎない。
ベトナムは発展途上国だ。
ベトナムが、なぜ発展途上国なのか、多少なりとも考えた事はあるのだろうか?
どうして、どのような理由で急激な経済発展を見せようとしているのか、冷静に考えた事はあるのだろうか?
ベトナム経済のファンダメンタルについて、どう捉えているのだろうか?

ベトナム経済が国際市場でポジションを得るようになり、ホーチミン市に証券市場を整備した。
いくつかの有力事業会社を、証券取引所へ上場し、証券取引が始まった。
遅れる事、数年を経た上でハノイにも証券取引所を整備した。
少し、ベトナムの経済が好調な様子を見せ始めると、世界で溢れかえる大量の資金がいきなりベトナムの証券市場へ押しかけた。この流れを受け、株価が上昇の兆しを見せ始めると、誘われるように更に大量の資金がベトナムへ殺到した。
ここ数年、ベトナム経済の実態を超えた過剰流動性が生まれ、南部の商都ホーチミン市と北部の首都ハノイで土地値(借受権利総額)を押し上げ続けた。
アジアの発展途上国が発展過程で襲われ洗われた経験をベトナムも体験させられている。
ベトナムへ間接投資された資金の多くは、ベトナムの実体経済を反映したモノではなかった。投じられた間接投資は実態から遊離し熱病に踊らされたようなものである。

引用開始→ ベトナム政府、株式買い支え  (日経NET)
更新: 2008/03/08 17:35

【ハノイ=長谷川岳志】ベトナム政府は6日、株価対策として、株式会社化した国営企業株式などを管理する国営資本投資会社(SCIC)を通じて、株式を買い支える方針を決めたことを明らかにした。同政府が公的資金によって株価維持策に乗り出すのは初。ベトナム株式相場は年明け以降も下げ足を速めており、放置すれば国営企業の民営化に悪影響が及ぶと判断した。

5日の株価急落を受け、財務省がSCICに買い支えを指示した。具体的な買い出動の時期や銘柄は明示していないが「SCICが国家証券取引委員会(SSC)と協議し、早急に決める」(財務省関係者)。投資金額は「株式市場の健全性を損なわない規模」(同)とする方針だ。
Copyright 2008 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved.  ←引用終わり

引用開始→ 首相演説、「経済運営誤った」  (日刊ベトナムタイムス)
2008年5月8日(木曜日)

グエン・タン・ズン首相は2008年5月6日、第12期第3回国会で行った政府報告演説の中で、激しいインフレなどマクロ経済の諸問題は、自ら率いる中央政府の過ちと不適切な経済運営に一因があると認めた。首相は、インフレ抑制を最優先課題に位置づけ、歳出削減や投資管理強化など立て直しに取り組むとしている。
(NNA) ←引用終わり

引用開始→ ベトナム、追加引き締めを示唆 投資家に失望感 (日経ヴェリタスonline)
=ハノイ・長谷川岳志(08/5/8)

Ms3z0800h2008052008_1_0_v3nikkei〔AP Photo〕

ベトナムのグエン・タン・ズン首相が6日開幕した国会の冒頭演説で「インフレ抑制政策を今後の最重点課題とする」と発言し、投資家の失望感が広がっている。株価低迷は政府の金融引き締めが背景にあるが、物価上昇には歯止めがかからない。追加引き締めを警戒して、ベトナム株式相場は底値を探る動きが続いている。

ベトナム統計総局がこのほどまとめた4月の消費者物価上昇率は前年同月比で21.42%に達した。特に食料品の値上がりは著しく、小麦や豚肉は1年前の倍以上。ガソリン価格上昇の影響で、野菜など地方から都市部に輸送される食材の値上がりも激しい。

政府内でも「これ以上の物価上昇は社会不安を招く」として、金融引き締めの強化に異論は出ていない。一方、低迷する株価対策についての議論は「ほとんどない」(政府関係者)のが実情。「インフレが収まるまで株価の回復は望めない」といったあきらめムードが漂う。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5月に入り、ベトナム政府の金融引き締めで成長が減速するリスクが高まったとして、ベトナムのソブリン格付けの見通しを「安定的」から格下げの可能性がある「ネガティブ」へと変更した。経済政策の手詰まり感が強まり、海外からの視線は厳しくなっている。
Copyright 2008 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved. ←引用終わり

ホーチミン市の友人からのメール:
引用開始→ そう遠くない将来 年内にもベトナム経済の崩落が始まるような気がしてならないのです。
株価や地価の下落は、その兆候を見せていますが、海外投資と言う名の "期待値" ばかりが先行し、実態経済に則さない状況の中での高騰は、結局カジノ経済バブルであり、嘗て日本がそうであったように、ベトナムも避けては通れないと思います。

当地で小さな商いを生業する一人として、ベトナムに経済危機が生じるのは何としても避けたいと思う反面、ベトナムに家族・親戚を持ちこの国を愛する外国人としては、ここで一旦 ベトナム人に冷水を浴びせ、そこから立ち上がり本当に何が必要で何を成すべきかを理解して貰うきっかけ そして本当に自国民一人一人が、国を押し上げ世界に誇れる国家にするための起爆剤になると思うのです。

WTO加盟後、目立った汚職は陰を潜めるようになりましたが、実態は、巧妙に地下に潜り、そのくせこれまで以上の巨額が動くようになってきています。ODAで使われるお金も9割は食い物になっています。

今は底辺の庶民も取り敢えず好景気だった余韻に引きずられ多少、実入りが多くなり、以前と比較すれば額面だけ捉えればマシとの幻想に浸れていますので、本当は、それを急速に上回る形で進行しつつある格差に目が回りません。しかし、やがては景気減退と共に気づく事となり、この層から起こるであろう波乱も、経済崩壊の一大要素を占める事となるでしょう。

ところがそれを承知で、上級の役人や成功した企業家たちは、一朝この国に事が起きても良いよう、外国などに不動産を持ち、いつでも逃げ出せる準備は怠りません。これは知識階級がこの国からいなくなることに繋がります。

今は崩壊後に、この国の人々が国力を養う為に本当に大切なものを掴んだとき、漸くベトナムの明るい未来が始まるように考えていますが。 ←引用終わり

私見の返信メール:
引用開始→   メール拝受。
「ベトナム経済」の危機は、いまに始まった事ではありません。
なぜ、ベトナムが途上国なのか?ここがポイントです!
決して、見下ろしてのモノ言いではありません。

<日本も日本人も冷静に考えなければならない事実>
日本が明治開国した際、
日本が日清戦争で巨額の国益を得た際、
日本が日露戦争で破綻寸前に得た国益、
第一次世界大戦で確立した国益、
日本の戦後に得た巨額の援助物資と隠匿物資にたかったシロアリのような行動、復興期に湧き上がった横領、背任、様々な経済犯、いまに至るも、日本は克服できない巧妙な不公正慣行。

山のようにありますから。
日本、中国、台湾、韓国、ベトナムという漢字文化圏、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポールという華人が実質経済を握る地域。
いずれの国も、同じ問題を抱えて(きましたし)います。
とりわけ、これらの国に共通しているのは、大きな意味で「漢文化圏」にある事実です。これは社会の制度([官僚制度に起因する]歴史的経験的積み上げの結果)ではないかと考えます。

ベトナム人の特徴は、常に(その時、いま生きている土地から)移動す(逃げ)る事が基本です。
常に、移動しながら、国を形成してきました。これは習性ですから仕方がありません。

ベトナム人は、ベトナムの外、海外にあろうとなかろうと「ベトナム人」です。
誇り高いです。基本的にアイデンティティを捨てません。立派です!
どのような立場であろうと、どのような立場に置かれようとも、ベトナムを忘れません。
その意味で、実に真面目な「モンゴロイド(アジア人)」です。
アジアの米作農民の血が流れています。決して母国の土を忘れません。

その意味で、日本人や韓国人と似通っていると思います。

ベトナムの経済が(根本的に)崩壊する事はないでしょう。
ベトナムの大地からベトナムの文化やベトナム人が消える事もないでしょう。

株も土地もバブルが崩壊し(つつある)たように思います。
「幼稚産業」を抱え、「輸出指向型産業」を海外からの投資を受け入れ一定の「外貨」を得るようになりましたが、基本的に産業を支える部品を地場(ベトナムでベトナムの技術で)で生産する能力を欠いています。(従って貿易赤字を抱え込みます)
外国資本による投資を得たこともあり工業生産を伸ばしGDP/GNI一人1000US$達成を目前にしています。
これは仮初めの話ですが、経済成長中の途上国の人には実際の姿や実態は理解できません。
だから、途上国でもあるのです。
と言いながら、翻って日本はどうでしょうか?余り変わらないのじゃありませんか。

何処の国にも、ネズミはいますよ。
ベトナムは、特にネズミの多い国かも知れませんし、そうでないかも知れません。インサイダー取引で株価や土地を上げていたかも知れません。(誰が)動員したか、動員する側に廻ったか、動員されたか、分かりませんが。
平均株価が半分になった程度で別にどうと言う事はありませんし、ないと思います。
何より、過剰流動性を徹底規制し抑え込む事です!

ベトナム経済が大変なのは、一次産品が価格上昇し始めた事をどう受け止め、どのように政策を展開するかです。いきなり金満国家になるかも知れませんし、そうではなく、(政策対応を間違え)崩壊するかも知れません。

いずれの場合でも、80%を占める「農家」は、同じ環境です。同じ生活です。
逃げもせず、少しの背伸びを元に戻して(生きて)いくでしょう。
政治や経済に携わる人は、逃げ出すかも知れません。逃げ出さないかも知れません。それは分かりません。
インテリは常にインテリです。逃げるインテリ、逃げないインテリ。悲観される事はありませんよ。それがベトナムの歴史ですから。

ベトナムは、1975年に南部解放を成し遂げ、その後、国家統一した事で「ハノイの支配(正真正銘の共産党支配)が10年続きました。
しかし、1986年12月にそれが破綻し、その後1987年からの10年は、キエット首相の政権が、1996年からの10年はカイ首相の政権が、そして2006年からは現在のズン首相の政権でしょう。これは全て南部人の政権なのですよ。
もう、ベトナム共産党は、既に「ベトナム国民党」みたいなモノですよ実際には。
建前としての「マルクス主義」は捨てていませんが、とても柔軟な解釈で「社会民主主義」型へ路線修正を終えています。
つまり、ハノイも含めた現在の政治体制は、豊かな南部で培われた「ベトナムの体質」が発露されているに過ぎません。
いま、ベトナムは、元「南部の解放勢力」を組織した人に繋がる系譜の人脈が指導しているのです。

世界経済の潮流と、このベトナムの政治潮流を同時に把握しておく必要があります。
固有の文化、固有の体質、様々な経験と蓄積。
「ベトナム語」による思考論理。
これらが、ベトナムの政治や経済の潮流を形成します。

株式市況が半分になった、土地価格が低下し始め、巨大な小バブルが弾けた事で一喜一憂される事はないと考えます。
そんな事を言い始めたら、「中国」の株価や土地はどうでしょうか?

(中国は現代三国志の醜い争いにより)極まって困り果てたから、何もお土産はないけれど、胡錦涛が日本へニコニコ出かけてきたワケです。中国は日本なくして国が成立しない状況です。泣きを入れています。
しかし、日本も鷹揚ですから、中国の面子を考え、泣きを見えないようにカバーしています。日本も懐の深い国になったと思いますが、中国経済が崩壊したら日本も成立しなくなります。
ベトナムは、中国以上に日本経済への依存度が高いワケですから、この点は、より一層、真剣に双方が考えなければならない点です。
さて、それをベトナムができるでしょうか。
翻って、日本にその力が残されているでしょうか?

 (一部省略)
それでは、その日本は、どうでしょうか?
期待される側には、「安定した政治と安定した市場」を確保提供できる事が、一番大切なことでしょう。しかし現実は、世界で最も疲弊した巨大市場です。
しかも日本が依存してきた、米国市場と、中国市場が閉塞しつつある中で、どう対処すれば切り抜けられるのか?この一点にかかっています。
ベトナムは、その日本市場にかかっています。というところでしょうか!? ←返信メールの引用終わり

概ね、上記のような内容のメールを返信申し上げた。
いま、ベトナム政府に課されたテーマは、何よりも、過剰流動性が引き起こしている「異常な物価上昇を抑え込む事」だ。確かにインフレ抑制対策に専念すると、それに伴うリスクも増える。しかし、経済成長率が年率8%がアベレージの発展途上国で、物価がいきなり2~3ヶ月で22%近く上昇するのは経済危機に直結する。格付けが多少低下しようともインフレを適正に抑制する方が優先事項である。

今も変わらず、「ベトナム株」という「検索キーワード」でのアクセスが続いているようだ。

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