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2008/09/05

タイの現状は発展途上国が経験させられる通過儀礼だ!

難しい事態に直面しているタイの政治ですが、内政に干渉する考えはありませんが、発展途上国が農業国から軽工業を経て、総合的な工業国へ移行する過程で生じる「貧富と格差」をどのように克服するか(できるか)が焦点でもある。

タクシンが首相の座に就くまでは、タイの政治は政策運営で苦しくとも均衡を保ちながら極端な「貧富や格差」を生まないように組み立て「国の経営」に挑んできた。
従って、多少の「批判と反批判」の応酬はあっても、おおむね、タイ国民が受け入れられる方向の政策を推進できた。
その結果、外国資本の直接投資を受け、順調に経済発展を重ねバンコクを中心にした首都圏全体に40%近い国民が集中する結果(日本は東京首都圏に35%の人口が集中)をもたらせた。バンコクに集まった人たちは、それなりに経済成長の恩恵を受け、広範なバンコク市民としてのポジションを形成した。
これがまた次の経済成長への原動力となってきた。

しかしながら、タクシンが首相の地位に就いてから、タクシンは、グローバル化の波にタイ経済を乗せる目的で一気に国際市場とリンクさせる方向へ舵を切った。
(日本はこの判断でモタモタしているにも関わらずである)
この結果、タイの経済は従来型の路線から国際市場との激烈な競争を強いられる事態に直面している。
まだ、完全で十分な工業競争力を持たない国の経済が、いきなり過激な国際競争の中へ放り込まれた訳である。

当然ながら、順調に「国家として得た富(タイ国民全体の富)」を巧みに分配してきた仕組みがいきなり否定され、「富む者と奪われる者」へ二分解される事になった。
タクシンは、国民議会の選挙をすればバンコク首都圏で負ける事が分かっていたため、選挙の時期を迎えると、周到な準備を重ね、首都圏以外の地域(農村部)への実弾戦を激しく展開した。
タクシンの実弾戦はわかりやすい方法で、地方視察を実施する度に多額の現金を直接ばら撒くのである。何も知らない農村部の人たちは、首相の視察があれば首相から現金を入手できる事を実感した。決して豊かではないタイの農村部の人たちを国民議会の選挙で大量に動員しタクシン一派の票を構築する原動力に仕上げた訳である。
この方法で最低でも60%の票を獲得したワケだ。
もちろん、バンコク首都圏でも、巧妙にタクシン支持派を(事業)利益による誘導で構築する事を繰り広げる。
従って、バンコク首都圏でも一定の成果を上げる事ができた。

この手法を繰り返す事で、タクシン一派はタイの政治権力を固めてた訳である。

グローバル化は、日本も米国でも同様に、富の平準化を否定する結果を招く訳だから、タイでも「富の平準化」は崩壊する。
当然ながら、バンコク首都圏でも農村部でも極端な政策の不整合による「富と貧困」の二極化が生じ誰の目にも明らかになった。

タクシン一派は、農村部へばら撒く資金の手当てを様々な方法で捻出したといわれている。
政府の資金、例えば農業振興資金などを政策支出せず、直接現金でばら撒くなどの方法である。結果的には政治(国家)の金を(私的野望のために)くすねた訳である。

政治権力を強化するに従い、バンコク首都圏で経済的利益を大胆に追求するため、政策全体を自らの支持基盤が有利になるよう組織(利益配分)する事で、膨大な経済的利益を得る層が現れた。
それがバンコク首都圏でもタクシン支持派を形成し強力な政治基盤となった訳である。

しかし、一方では極端な政策展開で多くの市民が繁栄を受ける事から排除され、生活の質を低下させる方向へ追い込まれていった。
極端な「貧富の差」が見え始め、国民の不満が爆発寸前になった時、タイ国軍のクーデターが起きたわけである。
ようやくタクシンは政治権力の座から引き摺り下ろされ蹴り出されたわけだ。

その後、タクシンの不正が明確になり、訴追される事になった。
タクシンの一派は家族を中心に極端な不正蓄財を繰り広げていた事が明らかにされている。この結果を見てタイの国民は呆れかえったと伝えられた。

しかし、欧米の圧力を受け、軍事政権から民主化へ再転換するため、昨年、実施された国民議会選挙では、依然として農村部でのタクシン人気は衰えず(直接的な実弾戦はなくてもタクシンの政策への幻想)、現政権(与党)が農村部では圧勝するという従来通りの結果を招いた。
しかし、バンコク首都圏でタクシン一派は敗退を喫する事になった。
とはいうものの、タクシン子飼いのサマック(現首相)は巧妙な手法で連立政権を編み出し、周囲をタクシン一派で固め直した。

そのサマックが、親分タクシンの意向を受け、タクシンの復帰と没収財産(不正蓄財)の返還を目的に「憲法の改正」を俎上にした事で、正常な思考のバンコク市民の怒りを買ったわけである。
これが、今回の高揚を見せた市民による政権打倒への結集になっている。

選挙で選ばれた政権であろうがなかろうが、現在のサマック政権は本質的な意味における正当性(倫理観)の面で大きなウィークポイントを抱えている。
どちらの主張が正しいのか、とらえもん は、直接的には口を挟まない事にしている。

引用開始→ タイ、国民投票を閣議決定 混乱打開へ政権支持問う  (日経NET)

【バンコク=三河正久】タイで反政府派の市民団体が首相府を占拠し続ける混乱の打開を目指し、サマック政権は4日の臨時閣議で、政権や市民団体の行動を支持するかどうかを問う国民投票を実施する方針を決めた。投票日は1カ月以上先になる見込み。サマック首相は国民投票で民意を直接問い、解決の道を探る考えだが、実現には不透明感が漂い、早期の混乱解決は困難な情勢だ。

与党議員らによると、投票では「サマック政権を支持するか」「首相府を占拠する抗議活動を支持するか」などを問う見通し。

政府は国民投票の実施に向けて法案を早急に作成、8日から始まる上院で審議を求める。サマック首相は上院に法案の早期通過を要請したが、プラソプスク上院議長は「通過には30日余りかかる」との見解を示した。(22:23)
Copyright 2008 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved.  ←引用終わり

引用開始→ タイ首相が演説“辞任せず”  (NHK On Line)
9月4日 14時8分

非常事態宣言下で反政府団体による首相府の占拠が続くなか、タイのサマック首相は、4日朝、国民向けにラジオで演説し、辞任する意思がないことをあらためて強調しました。

タイの首都バンコクでは、反政府団体「民主主義市民連合」と政府を支持するグループとの衝突のあと、サマック首相が非常事態を宣言しましたが、反政府団体はサマック首相が辞任するまで抗議行動をやめないとして首相府の占拠を続けています。こうしたなか、サマック首相は、4日朝、国営ラジオで演説し、「辞任はせず、議会の解散も行わない。民主主義を守り続ける」と述べ、民主的に選ばれた首相として辞任する意思はないとあらためて強調しました。首相は、また、7月下旬に就任したばかりのテート外相が辞任したことを明らかにし、その理由について「外相にはさまざまな方面からの圧力がかかっていたためだ」としています。しかし、外相は政府の政策に不満を持っていたとも伝えられており、反政府運動の収拾の見通しが立たないなかでの主要閣僚の辞任によって、サマック首相はさらに厳しい立場に追い込まれそうです。
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved.   ←引用終わり

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コメント

さっそくの返答を、ありがとうございます。
なるほど、そういうことですか~!
納得致しました^^

教えていただき、感激です。
感謝申し上げます。

投稿: eaglei | 2008/09/08 22:18

タイ王国の行政区分は、バンコク都を中軸にバンコク首都圏(グレーター・バンコク)としてカウントします。政府の人口統計でほぼ40%の人口が集中しています。
ちなみに、韓国もソウルも40%ほどの集中度になります。
それでは、東京はどうでしょうか。首都圏(神奈川・千葉・埼玉)でほぼ35%ほどの集積になります。

投稿: とらえもん | 2008/09/08 09:16

タイは確かに都市化の矛盾に悩んでいると思います。
しかしタイ国の人口は6000万人を超えますが、
バンコクには多くみても1000万人の都市人口ではないでしょうか?
都市化率40%という数字は、どこから出てきたのでしょうか?

投稿: eaglei | 2008/09/07 23:27

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