« 都市鉱山を開発する!「携帯電話は、お宝の山!」キャンペーン | トップページ | アラブの金持ちは、使い方を知らないようで、バベルの塔が好きなんだ! »

2008/10/06

タイの首相府占拠騒動も、首脳陣逮捕で、そろそろ幕引きかな?

外国人の目としては「労多くして、益少なし」の典型のようにも見える。
勿論、タイの政治を綺麗にしようとの純粋な意図で、この度の運動を指揮し組織し占拠し続ける側の市民には、大変失礼な物言いかもしれないので、その点は先にお詫び申し上げておく。

最初は、掲げた目標とその政治的意図が明らかだった。
だから、エネルギーとパワーを感じ取れた。
しかし、「首相府占拠」などという、いささかショッキングな行為が長引けば、タイの国際的信用を低下させる事へのリスクを考慮する必要がある。
現在、バンコクで繰り広げられている闘いは、国際的連帯性を欠いている。タイ一国内に収斂されるテーマだから。
運動論としては、①主義主張(獲得目標)の明確化→②首相府占拠→③市民パワーの高揚→④連帯できる街頭行動→⑤(政権へ一定の打撃を与え)→⑥収束への切り替え(エネルギーの温存/影響力確保)→⑦政治的妥協(掲げた目標との整合性)→⑧(勝利総括)占拠終了という流れを捉えていなかったのではないか。

首相府占拠が長引けば長引くほど、占拠に参加している側の「政治的不満は高揚」するけれど、同時に「厭戦気分」も増大する。第一、占拠した首相府の外側を警察力で逆に包囲されてしまったら当たり前の事だけど身動きがとれなくなるじゃないか。

これは、流動性を伴う「市民」という独立独歩の対象を組織し運動へ引き寄せ、一時性の高い「(仮の)組織化」が抱え込む弱さで一糸乱れぬ統合性など期待できないし、ありえないのだから、指揮する側はこの点のリスクを十分に考慮しておかなければならない。

一方で、タクシン子飼いのサマック前政権を打倒するための「法廷闘争」が別に組織されているなら、その点も考慮した政治運動として計画しておかなければ身動きがとれなくなる。従って、政権を担う側は「自然瓦解」を待てばよいのであり、こんなのは既に先進工業国で40年前に経験済みの事だから、政権を担う側には山のように教科書がある。

驚いた事は、民主化要求の市民連合(PAD)の指揮層だ。この件では、実に様々な人からいろいろな情報提供を受けた。
中には信憑性を疑う代物もあったが、でも、一定の有力な野党政治家が運動の要にいると聞いていた。
「なるほどそうか!?」と考えたものだった。
しかし、それなら、政治運動として、市民を運動に動員した政治組織として、一時的高揚の後、どうしてここまで稚拙なのだろうか、とワケが分からなくなっていた。

そして、5日、この首謀者が逮捕されたと伝えられ、その首謀者の経歴が「元バンコク知事」だと聞いて、いよいよワケ(運動の政治的戦略性)が分からなくなった。
悪いけど、チャムロン・シームアン元バンコク知事の後ろに控える人物がどのような階層の利益を代弁しているのか知らないけれど、元知事は政治家として全く能力がないワ。組織者としても運動論者としても、その能力に疑問を持ってしまう。

首相府占拠組は態度を硬化させ、間違いなく、いきなり主張は激化し、占拠組市民の気分は高揚し過激化へ向かうだろう。
でも、政権は犠牲も含めさして痛痒を感じなくなる。鈍感になるワケではなく、むしろ敏感になるだろうが、支持している世論が分裂し「厭戦気分」へ傾くことが予想されるからだ。
この種の闘いは短期の盛り上げで決着を付けなければ崩壊する。

後は、バンコクの首相府を占拠し続ける動員された市民が判断を過たず、
1969年1月の東大安田講堂の攻防戦にならない事を願うのみである。
東大闘争は、安田講堂の封鎖を含め、様々な批判も受けているが、運動論としても組織論としても「敗北」であった。
しかしながら、東大と日大で提起された日本の大学の閉鎖性や抑圧性を解体する起爆剤になった点は譲れない。
日本の大学は、その後も、右往左往しながら、旧弊な思考論理から抜け出せず藻掻いているが、いくつかの点で今日に至る改革へのインパクトを与える事ができたと考えている。
だからと言って、決定的な局面で敗北した事実を否定するものではない。
何よりも、次後の構想を明確に描き出せなかった点に弱さがあった。

タイのこの度の「政権打倒」運動も、その点において同じ構図である。

引用開始→ タイ警察、首相府占拠の市民団体首脳を逮捕   (日経NET)

【バンコク=三河正久】タイ首相府を占拠して反政府活動を続けている市民団体「民主市民連合(PAD)」の実質的トップであるチャムロン・シームアン元バンコク知事(73)が5日朝、タイ警察に逮捕された。地元メディアが伝えた。チャムロン容疑者は、同日午前8時(日本時間同10時)に投票が始まったバンコク知事選に投票するため座り込みを続けていた首相府を出て、投票を終えたところを逮捕された。

チャムロン容疑者はPADにいる複数のリーダーの中でも精神的支柱として支持者からの信頼が厚く、同団体の過激な行動を扇動している実質的トップ。同容疑者の逮捕でPAD支持者は反発の度を強める見通し。ただ、政府側は首相府を占拠するPADメンバーらを排除しやすくなる可能性も出てきた。

PADに対しては同容疑者を含め9人の幹部に逮捕状が出ている。先月29日には別の幹部で、首相府から抜け出て車で高速道路に入ろうとしていたチャイワット・シンスウォン容疑者を逮捕している。 (11:58)
Copyright 2008 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved.  ←引用終わり

|

« 都市鉱山を開発する!「携帯電話は、お宝の山!」キャンペーン | トップページ | アラブの金持ちは、使い方を知らないようで、バベルの塔が好きなんだ! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 都市鉱山を開発する!「携帯電話は、お宝の山!」キャンペーン | トップページ | アラブの金持ちは、使い方を知らないようで、バベルの塔が好きなんだ! »