2010年春夏 日本ファッションウィーク・東京コレクションが始まりました
関係者の涙ぐましい努力の結果、コレクションとしては、ほぼ定着したように思います。
しかし上昇しきれず息切れ気味というか踊り場にあるようにも見えます。
ファッション・ビジネスとしてのコレクションは、パリもニューヨークも、不況とはいえ「文化」として定着し、それなりの生産性を伴い経済的な面での波及効果もシッカリ確保しています。
後発の東京は、この点では苦戦を強いられ続けています。(決定的な爆発力を持たないワケですから仕方がありません)
でも、悔しさを刎ね除け「東京コレクション」は、ここまで一応の成果を見せています。
しかししかし、ここからというかこれからというか、いまが踏ん張り処だろうと思います。
ビジネスとして定着させないと、気持ちだけで「東京コレクション」を維持できるほど、経済環境というか市況は順風ではありません。
決定的に魅力を保つ出品者をもっと増やさない限り、全体としてショボクなってしまう懸念を捨て去る事はできません。
日本の関係者は、"アタマの良いヒトはセンスに欠ける" し、"センスを自慢するヒトは・・・ですし" ねぇ~。
いずれのブランドも、充分にマネジメントが確立されているとは言い難い状況もあるようですし。右往左往しながらのたうち廻っていますよね。
日本は、業界に関わるヒトビトの能力は、それなりの競争力を保つのですが、周囲を固めるヒト達は、「羮(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹かす」って要素も一方に抱えていますからね。
だって、金融の側にいるヒト達の見方は「ファッション・ビジネス」は、「窮極のデリバティブ」市場じゃないか、とも揶揄しますしねぇ。
ハッキリ言って、「ファッション・ビジネスは窮極のデリバティブですね」、言い得て妙だと思いますし感心しています。
でも、どのようなコレクション・デザイナーであろうとも、巨大流通に軸足を置くコマーシャルベースのデザイナーも、充分な市場観察とそれを透徹したマーチャンダイジングを必要十分条件を満たすように計画すれば、危険負担は急減します。
そのため、とても「安全で安定」した市場を確保し占有する事ができます。
しかし、イロイロ、様々な理由を並べ立て、「自らの非論理的な持論に固執し、自身の経験主義に基づく判断こそ正解」との偏狭な側が、自らの感情の赴くままに「商品企画」を繰り返す限り、世の中の流れはもとより大好きなトレンドにも追従できずに、慌てふためいているに過ぎません。
ファッション・ビジネスは「博奕」でもなければ「デリバティブ」でもありません。
しっかりした「データビジネス」の側面としての思考論理を完備した側には、笑いが止まらない「必ず儲かるビジネス」なのです。
だって、どんなに暑い日でも「裸で出歩くヒトはイナイ」ですし、どんなに寒い日でも「自宅にこもり続け冬眠するヒトはイナイ」ワケですからね。
ヒトの生活がある限り、「生活文化」の一翼を担う「ファッション・ビジネス」は、生活に密着しているワケですから、生活に根ざした「クリエイティビティ」を科学的に論理的に構築した上で、市場と顧客の「情念」に訴求できる「創造性」を発揮すればよいだけの事です。
ヒトがいる限り「ファッション・ビジネス」は最高に素晴らしいビジネスなのです。
では、なぜ、駄目なのでしょうか?
「(日本社会の)生活文化力が社会的に後退」したからに過ぎません。
「なぜ、(日本社会の)生活文化力は社会的に後退」したのでしょうか?
この点を良く考える必要があります。
「東京コレクション」に表徴される、日本の(ファッション)クリエイティブ活動も、この社会的制約条件を抜きに語る事はできません。
それだけの事です。
提案された、各デザイナーによる渾身のコレクションは、それなりにそれぞれ魅力があります。しかし、「日本ファッションウィーク」・「東京コレクション」という冠を掲げたステージでのビジネスとしては、正直なところ、どうなのでしょうか?
クリエイティブは評価しつつ、ビジネス面については、
申し訳ないですが、かなりの「疑いの眼」を持って見守っています。
毎日新聞は、当初から力強い理解者であり応援者です。
引用紹介する記事での写真は割愛します。ご覧になる方は、http://mainichi.jp でご覧下さい。
引用開始→ 日本ファッション・ウィーク:10年春夏東京コレクション キラキラと、軽やかに (毎日JP)
<Japan Fashion Week in Tokyo>東京ミッドタウン(東京都港区)を主会場に開幕した2010年春夏の東京コレクション。初日の19日は8ブランドがショーやインスタレーションを行った。
mintdesigns 前回は、社会のルールや自分たちのものづくりに対する「反抗期」を、ドクロやイバラなど毒のあるプリントに乗せて表現したミントデザインズ(勝井北斗、八木奈央)。今回は対照的に、風をはらんだような軽やかな服で、明るくポジティブな世界を描き出した。
mintdesigns 会場に選んだのは、東京国立博物館法隆寺宝物館の一面ガラス張りのエントランス。モデルたちは皆、頭に薄いベールのようなヘッドピースを付けている。ナイロンとポリエステルを混ぜた透け感のある軽い素材を使い、素材自体が持つ軟らかな光沢で、「上品なキラキラ感」を表現。ドレープをとったワンピースやプリーツスカートなど、洗練されたエレガンスを感じさせる服を披露した。「若い世代に遊び心のあるぜいたくさを伝えたい」と八木。
motonari ono モトナリオノ(小野原誠)は、オペラ「椿姫」のモデルとなったフランスの高級娼婦からイメージを膨らませたコレクション。コルセットやガーターベルトなどランジェリーのディテールを随所に取り入れ、チュールで包み込んだドレスやブラウスなどでセクシーな女性像を打ち出した。
Hidenobu Yasui 「日本ならではの、ポジティブなあいまいさを表現した」と話すのは、レディースに加え、初めてメンズを発表したヒデノブヤスイ(保井秀信)。装飾をそぎ落としたドレスやジャケットなど、リラックス感のある服を並べた。服の一部がバッグと一体化した作品も。
garconchinois ギャルソンシノワ(shin)は、クラシック音楽に着想を得たモノトーンの世界を展開。チタン加工を施したオーガンジーなど透け感のある素材を使い、クラシックなテーラードジャケットにショートパンツを合わせるなど軽快なデザイン。「重くなりがちな黒を、さわやかに見せたい」とshin。
DRESS33 ドレス33(岩谷俊和)は、ピカソに代表されるキュービズムの世界を再解釈。鮮やかな色彩と、ビニールやフィルムなど光沢感のある素材で、光をまとったようなきらびやかなドレスなどを披露した。【川久保美紀、永田晶子、小林多美子、写真・津村豊和】
■Catwalk talk
◇お祭りムード
開幕の19日夜、東京ミッドタウン内ではオープニングショーとパーティーが開かれ、1000人を超える関係者でにぎわった。ショーは東京コレクションなどに参加している約30ブランドが、最新の10年春夏コレクションの作品を披露。パーティー会場は、輪投げやボールすくいの屋台が並び、夏祭りのようなムードに。スペシャルDJとして音楽ユニット「m‐flo」のVERBALさんが登場、軽快な音楽で会場を盛り上げた。←引用終わり
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