川崎重工のギガセル(電池)走行する路面電車SWIMO、そろそろ実用化段階か?
以前から機会をみて紹介スレッドを上げてきたが、実用実証実験によりその能力の高さを証明したようだ。
川重も、なかなか、やりますねぇ~!
21世紀は、環境論も含め「鉄道」が見直される事だろう。
19世紀に「鉄道」は発展し、20世紀にも発達を続けたが、一方で「自動車」や「航空機」も発展し、激しい競争を強いられ「大競争時代」の中で、横へ追いやられた時期もあった。
とりわけ、都市の路面電車は一時期に「邪魔者」扱いされ撤去を余儀なくされる憂き目ににもあった。
しかし、世の中は一転して「環境論」が声高になり、自動車は生きながらえるために変身を強いられている。
同時に、「鉄道」が見直され「鉄道」が復権しようとしている。
と、いっても、「鉄道」が復権するには「21世紀の『要請』に見合う必要がある」事は言うまでもない。
都市の「路面電車」は、あらゆる利用者の乗降に優しく、高い利便性と安全性が求められる。
また、「都市交通」としての円滑な交通流量と快適さが求められる。
都市の景観形成からしても、路面電車への電源供給目的の電線が道路上に張り巡らされるのは、見た目からしても美観を損ない何よりも面白くない。
その点で、軌道整備をするだけで走行可能なバッテリー駆動の路面電車が実用化できるなら、都市の路面電車を極めて迅速に復権させる事ができる。
21世紀の都市計画で「路面電車」は欠かせないだろう。
その意味で、川重の「SWIMO」への期待は大きい。
引用開始→ 電池で走る路面電車 パワーは川重の「ギガセル」
(産経MSN 2010.3.21 18:00)環境にとっても優しい路面電車が実現間近だ。川崎重工業が開発した大容量蓄電池だけで走る路面電車「SWIMO」だ。架線がない場所でも10キロ以上走行でき、停止時に発生するエネルギーを有効利用することで、従来の路面電車に比べ、使用電力を3割削減できる。そのパワーは、高速充放電が可能な大容量ニッケル水素電池「ギガセル」が生み出した。
充電可能なニッケル水素電池は、三洋電機が2005年に発売した充電池「エネループ」のような円筒型が主流だった。しかし、円筒型では電池の性能が低下する熱への対策が難しく、大容量化に限界があった。
このため、川崎重工では正極板と負極板を折り重ねるような形で板状の単セル(電池の一群)を開発。この単セル同士の間に放熱板を挟み、内部に装着した冷却ファンで空気を送り、大容量化の際の最大の弱点、放熱の問題を解消した。
大きさも最大で長さ1287ミリにとどまり、路面電車の座席にすっぽりと収まるサイズにできた。
ギガセルは当初、風力や太陽光発電など天候に左右される不安定な電力網を補助する電池として開発された。
ところが、瞬間的に発生した大量の電気を一気に充電し、必要な時に一気に放電できる特徴があり、路面電車などにも最適だった。ブレーキの際に生じるエネルギー(回生ブレーキ)を蓄電して必要な時に利用できるためだ。
2007年11月に大阪市営地下鉄谷町線で行った実証実験では、ブレーキ時に発生する大容量の電気を貯めて利用することで、使用電力を2割程度削減できることが判明。回生ブレーキを多用することで、摩擦ブレーキの使用頻度が減り、メンテナンス費用も減らせる効果があることもわかった。
ギガセルは頻繁に充放電を繰り返す地下鉄などでも、7年間の使用が可能。使用電力が2割程度削減できれば、国の補助制度も利用することで、7年程度で投資費用を回収できるという。
このほか、バスや大型クレーンといった産業用機器などでも回生ブレーキの回収実験を実施。港湾でコンテナの上げ下ろしをする大型クレーンでは、40~50%もの省エネ効果があった。
ギガセルを搭載したSWIMOは、07年12月から08年3月まで、札幌市の路面電車で実証実験を実施。零下10度の屋外で一晩置いた後でも、ギガセルの電力だけで一発起動し、悪条件下でも十分に利用できることが証明された。
省エネ効果が高く架線がない場所でも走れるSWIMOは海外からも注目されている。
川崎重工車両カンパニーの宮本裕一ギガセル電池センター長は「最大のライバルは安い鉛蓄電池だが、ギガセルのメリットをアピールし、将来的には家庭の蓄電池用などとしても大々的に売り出したい」と意気込んでいる。←引用終わり
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