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2010/05/03

ベトナムからの「日本留学希望」について

私は、日本へ留学したい。
私の子供を、日本へ留学させたい。

「日本へ留学して、一生懸命、努力します!頑張りますから!」と、多くの人から「コネ」を求められました。

”とらえもん” は、ベトナムの知人、友人、その知り合いから、この種の要請をいつも受けます間断なく受けますが、答えは一つです。
「日本への留学を志望して下さって、本当に『ありがとう、心から、お礼を申し上げます』。日本の大学への留学を志望されるなら、『留学生統一試験』を受験して下さい。そのスコアにより『留学の可否』は決まります」。
「この『留学生統一試験』は、ハノイとホーチミン市で実施されます」と、お返ししています。

ベトナムの友人達は、自分が、あるいは自分の子供は、とてもよく勉強すると自慢ですが、「基本的で客観的な学力評価の仕組み」の確立を欠くベトナムで、親の「我が子自慢」や有力者の「我が子自慢」を真に受け止めるほど、”とらえもん” や ”まるでのうそまろバカセ” は、そこまでお人好しではありません。
ベトナムの教育制度における成績評価は「相対評価」と「絶対評価」が恣意的に入り交じるため、客観性を重視し物事を捉えようとするなら、評価者の側に、何が正鵠を射ているのかを見抜く力量を保持するか否かが試されます。
(これだけは申し上げておきます!)
儒教的価値観に社会主義体制だった頃の悪弊がミックスされ、聖職者としての教員(評価者)への付け届け(贈賄)やら、政治(行政)権力を有する側からの特別なお願い(への、配慮)などが入り交じり、客観性やら透明性あるいは公平性を計ろうものなら大混乱に陥る事を「自信を持って断言するとともに請け負います」。

優秀な大学と認識される大学も、その研究能力と教育技術力あるいは、学位認定を受けた学生の質を天秤にかけると様々です。
これは日本も同じ事ですから、エラそうな事は言えません。

その大学教育を受けた後に、日本の大学院修士課程での研究留学を求める学生の、基礎的能力を試問して驚いた事があります。
学部で、一体全体、何を学び何を研究したというのだ?

英語力があるのは認めましょう!加えて日本語力がある点も認めましょう。
(しかし、スコアを客観的に計ることができません。書き換えることもできますから)

従って、どのような有力者の子弟であろうと、ローカルの秀才であろうと、”とらえもん” の答えは同じです。
「日本の大学・学部への留学希望を実現したいなら、日本留学のための留学生統一試験を受験して下さい」。
この一点に尽きます。

どこの、どなたから求められても「答えは同じです」。

昨日も、今日も、「あなたは、大切な友人でしょう!?冷たい方ですね?!」と、厳しい言葉と視線を浴びせられましたが、”とらえもん” の回答は一貫しています。
「留学希望者の『スコア』を客観的に計れない限り、日本留学はお手伝いできない」という事です。

日本社会は、政治は確かに混乱し混迷を極めていますが、競争力を備えた大学の「入学者選抜(大学入試)」は、基本的に「公平性・公正性・透明性」を一応確保しています。
最初から最後まで、コネ社会のベトナムの教育とは基本的にその性格を異にします。

ベトナム社会も、「市場原理」が求められるようになってから、「公教育」の場にも「競争原理」が導入され「競争による『教育格差』が生じています」から、「スコア」の重要性は理解されるモノと考えますが、その基本の部分における評価の「公平性・公正性・透明性」については、かなりの疑問を持っています。
(この点は、ベトナム社会と45年の付き合いを有する側からの指摘です)

日本はというか、日本の大学人は、基本的に(学部へも大学院へも)ベトナムからの留学生を受け入れたいと考えています。
しかしながら、専門分野の専門的学力差はともかく、専門分野の基礎学力における基本問題が解決されない限り、誰でも受け入れる事はできないのです。(したくないのです)
少なくとも、”とらえもん” は、そのように考えています。

従って、大学・学部への留学を真剣にお考えなら、日本留学のために「留学生統一試験」を受験して下さい。
多くの大学は、この試験における「スコア」を入学者選抜の評価基準にしておりますので。

大学院への留学は、少なくとも「研究テーマ」を明確にして下さい。また、これまで学部生の時に「何をテーマに、どのような研究をしてきたか」を明らかにして下さい。その上で、修了後についてどのような設計を描いておられるのか、この点も明らかにして下さい。
最後に、研究テーマに沿う研究環境を保持する大学院(研究室)を選び、担当の教員と意見交換される事をお奨めします。

これらの点が明らかになるまで、いかに非難を受け、批判されても、”とらえもん” の意志や考えは変わりませんので。

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