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2011/01/06

日本は、ベトナムの宇宙開発への支援参入を決定!

ベトナム政府が、「ホアラック・ハイテクパーク」の開発計画を表明して以降、常に頭に描いてきたのは「宇宙開発」であり、そのための「先端科学分野」の開発と集積だった。

2008年9月に所管副大臣を始めとする関係諸機関の重要者による訪日を受け、12月に現地を訪問した。
「何よりも”研究機能の集積”がポイントになる」との認識で一致した。
”とらえもん”は、台湾の「新竹科技園」をイメージした新工業団地を描いていたのだが、ベトナム側は「つくば研究学園都市」をイメージしていた。

その理由を問うと、「新竹」は台湾のシリコンバレーであると考える。輸出戦略も含めて考えた場合、「新竹」の開発イメージは近いように考える。
しかしながら「つくば」は、その総合力において「秀でている」。「つくば」を軸に分野ごとの先端科学に根ざす工業開発の集積があり、幅広くクラスターを形成している、と指摘した。
二つの現地を訪ね、比較検証した結果、「つくば」をモデルにと考える、との事だった。

実態としては、「ハイテク工業団地」に落ち着く可能性もあるが。

「宇宙開発」を推進する事は、いきなり「先端科学」を切り拓く事になるが、その傘が高ければ高いほど「覆う範囲」は広くなる。
最終的には、消耗品的民生品のレベルに至るまで、先端技術が応用される事にまで至れば、ベトナムの工業力はいきなり高められる。

しかし、「先端研究者」や「先端技術者」は育てられても、現場で「部品」を作り出す作業者は大量にしかも高精度の加工技術を必要とする。
ベトナムの人々は、生業的に器用である。
しかしながら、それはただただ「個人に依拠したレベル(技術)」であって、産業として組織されているワケではない。
また、それを大量に安定的に育成し供給する教育制度が整備されているワケではない。
これらは、提議の論文(2009年)で指摘したとおりである。

ベトナムは、国の命運を賭けた「ホアラック・ハイテクパーク」の開発を通して、「先端研究者」、「先端技術者」、「高度加工技術作業者」の育成を一気呵成に狙おうとしているのかも知れないのだが。

まぁ、先のAPECでも訪日代表団の主要テーマは、「ホアラック・ハイテクパーク」の開発であった。
とりわけ関連する分野として「MRJ」の部品製造であった。
加えて「宇宙開発」への強力な支援であった。

ASEANの中で、「タイ」は日本から「自動車産業」を移転する事で、今日に至る一定の「工業化」を成し遂げた。
「ベトナム」は「タイ」や「インドネシア」と同じ方法(途)を採らず、いきなり「宇宙開発」に軸足を置き「時間」を飛び越える戦略を強力に推進しようとしている。

昨年末に、「ホアラック・ハイテクパーク」の管理スタッフから頂戴した「クリスマスメール」には「希望」が満ちていた。
年度末までには、時間を得て訪問したいと考えている。

「コラコラコラム」は、ベトナムの長年の友人として、その心意気に熱い称賛を贈りたい。

引用開始→ ベトナムの宇宙開発支援へ、ODAで4百億円
(2011年1月6日14時33分  読売新聞)

政府は、ベトナムへの政府開発援助(ODA)として350億~400億円の円借款を供与し、宇宙開発を支援する方針を決めた。

「宇宙センターの建設」「地球観測衛星2基の製造と打ち上げ」「技術者教育」の3事業をセットにした総合的支援で、宇宙事業へのODA適用は初めてとなる。月内にも「パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合」で確認し、6月にベトナム政府と合意する見通し。日本の宇宙技術のブランド力を高め、産業振興につなげることを狙う。

秋に正式文書での契約を目指している。政府関係者によると、ベトナム側とのこれまでの交渉で、3事業をすべて日本企業が受注する見通しとなっている。

3事業のうち、宇宙センターはハノイ市中心部から西に約30キロ・メートルに建設中の「ホアラックハイテクパーク」内に建設。衛星の組み立て試験施設、衛星運用・データ解析施設、直径7メートルの送受信用大型アンテナなどを整備する。

また、衛星2基は、まず1基を日本で製造し2017年に種子島宇宙センター(鹿児島県)からH2Aロケットで打ち上げる予定。ベトナムの技術者を民間企業や宇宙航空研究開発機構などが受け入れ、衛星の製造や運用、観測データ解析などを行う人材を育成する。

もう1基は、この技術者らが設計し19年頃から新宇宙センターで製造する。日本からも部品や技術者をベトナムに送り込んで支援し20年の打ち上げを目指す。←引用終わり
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