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2011/01/30

「チュニジア」の政権打倒、「エジプト」の反独裁・政権打倒行動、行き着く先は「サウジアラビア」の王家打倒だろう

チュニジアで始まった、アラブ世界の反政府直接行動が、チュニジアの政権を倒し、エジプトへ飛び火したと報じられている。

エジプトは、ムバラク大統領が30年にわたり権勢を誇る、いわゆる「中東アラブ世界の優等生」とされてきた。
それも、独裁政権だ!自由が欲しい! と、糾弾されている。

昨年の今頃は、地中海を軸に古代の大通商国家として繁栄した「カルタゴ」の遺跡から出土した様々な文物を集めた「カルタゴ展」が、チュニジア政府の協力の下に日本で開催されていた。

チュニジアの政治に不案内であった者として、「いつかミモザの花に覆われる頃、カルタゴの遺跡を訪ねたい」と、考えたりもした。

その際は、イタリアから入りエジプトへ抜けるか、それともアルジェリアへ抜けようかと、単純に思い描いていた。
いま、思えば、「中東アラブ社会」の安定・繁栄は、見せかけでショーウィンドー効果を狙ったものだったのかも知れないと疑いの目で見る必要があるようだ。

この度のチュニジアでの政権打倒直接行動は、一定の安定度を見せてきた国の実態を明らかにしただけでなく、隣のエジプトへ飛び火しムバラク政権の打倒へ火がつき、それに対抗する「ムバラク政権」が「特殊部隊を動員し暴力」の限りを尽くし「自らの権力(利権=私的利益)」を守ろうとする姿を余すことなく世界へ見せている。

中途半端な民主主義国家で「政権を打倒」するには、決死の覚悟と「革命的暴力」を抜きには語れない事を、改めて世界に見せたというべきであろう。

日本の「親小澤」か「反小澤」か、「民主党」か「自民党」か、なんて寝言の戯れに過ぎない事を見せられたような気がする。

エジプトは政治を交替させる事ができるだろうか?
もし、ムバラク政権が鎮圧させたなら、圧迫を受ける中で反政府直接行動の主力は地下行動に移る事だろう。表面上の批判者は沈黙を余儀なくされながら次の機会を待つだろう。

エジプトの政治が交替する事になれば、「中東アラブ世界」の「反独裁・反権力」直接行動は、明らかに最終目的地としての「サウジアラビア王家」の打倒へ向かう事だろう。
その過程で、「ヨルダン王家」を踏みつぶしながら、巨大な潮流となり「湾岸諸国」で勝手な事を続ける「首長・王家」を解体し、アラブ社会の保守派を象徴し君臨する「サウジ王家」の打倒へ向かうだろう。
それでなければ、チュニジアの政権やエジプトの政権をひっくり返したところで、「中東アラブ世界」の本質的な「利権構造」や「独裁構造」が変わる事にはならないからである。

「中東アラブ世界」は、基本的に大連邦国家群であり、その中心を占めるのが「サウジ王家」が支配する「サウジアラビア」である。「サウジ王家」を守るために周辺にいくつかの「砦」に値する「王家国家」が配され群をなし、さらにその外辺部に緩衝地帯としての役割を与えられ「民主主義」を装う国家群が存在する構造だからである。

今回は、その外辺部に当たる「チュニジア」と「エジプト」が、激しい「反独裁・反政府」直接行動に晒されている。
それなら、最終的に「本丸」を攻め落とさない限り、「中東アラブ世界」で本質的な「基本的人権」に基づく「(生きる上での)人の人としての平等」は達成されないだろう。

「中東アラブ世界」で、それが達成されない限り「不正」は続く「暴力」は止まるところを知らないだろう。

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