エジプトの市民革命が成功するかは、ムバラク政権打倒後の統治の青写真にかかる!
エジプト情勢は、もう後戻りできないところまで達したようにみえる。
今回の反ムバラク行動を、ムバラク政権が力尽くで圧殺できても、自然発生的な流れで150万人が合流した潮流を完全に制圧するのは至難の事だ。
既に、政権は打倒されたに近い状況が生じたと考えるべきだ。
エジプトの最大野党勢力は、国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏を後継にと描いているようだ。
政権を打倒して、最も大切な事は、権力の空白を生じさせない事が何よりも大切な事だ。
野党勢力が本当に力を合わせて結集できるか、どうかにかかっている。
まさにそれそのものが、「エジプトの民度」を問う事になろう。
エジプトで発生したムバラク打倒、反独裁政権行動の収束過程が、他のアラブ独裁国家に対する次の反政権行動に大きな影響を与える事だけは確かといえる。
アラブ諸国の政権が独裁国家を選択するには、それなりの理由がある。
それは米国が、力尽くで「イラク」のサダーム・フセイン独裁を倒した後の混乱を振り返れば、日を見るよりも明らかである。
欧米諸国や日本のインテリが、知ったかぶりで批判するのは結構な事ではあるが、その種の寝言で「アラブ社会の支配論理や社会の掟」を解決できるほど、アラブ社会の構造は柔でも簡単でもない。
チュニジア、エジプトの両国は、それなりに民度・教育ともに整えられている。
基本的なアラブ社会の「インテリジェンス」が作用する事を期待している。
引用開始→ エルバラダイ氏を軸に政権模索 エジプト最大野党など
(asahi.com 2011年1月31日3時16分)【カイロ=石合力、貫洞欣寛】ムバラク大統領の辞任を求める民衆デモが全土に広がっているエジプトで、インターネットを通じて抗議行動を呼びかけた市民グループや最大野党勢力ムスリム同胞団が、民主化指導者でノーベル平和賞受賞者のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長を軸に野党勢力の結集に乗りだした。両組織の関係者が30日、朝日新聞の取材に明らかにした。
デモは6日目の30日もカイロ中心部にあるタハリール広場などに数万人規模の市民が集結し、沈静化していない。エルバラダイ氏はムバラク氏の即時退陣を求めており、野党側は同氏を軸に野党勢力を結集した暫定政権の樹立を模索し始めた。
ネット系の野党グループ「4月6日運動」の広報担当者は朝日新聞に対し「我々はエルバラダイ氏を暫定大統領に推薦している。(大統領選の立候補を制限した)憲法を改正し、総選挙や大統領選を実施するまで半年から1年を想定している」と語った。ムスリム同胞団のエリヤン報道担当も朝日新聞に対し「野党勢力がエルバラダイ氏を選べば、我々は支持する」と語った。両組織ともエルバラダイ氏による野党勢力と現政権との交渉の可能性は否定した。
エルバラダイ氏は、中東の衛星テレビ、アルジャジーラに対し、ムバラク氏によるスレイマン副大統領の任命について「解決策にはならない。エジプト国民が求めているのはムバラク氏が退陣することだ」と指摘。「民主的な憲法と公正な選挙を準備するための暫定的な救国政権づくりを進めるべきだ」と述べた。エルバラダイ氏は30日夕、デモに参加するためタハリール広場に向かった。
一連のデモの死者は全土で150人を超えた。警察・治安部隊が姿を消した首都カイロ市内では、同国の平日に当たる30日も大半の商店やレストラン、銀行などが営業を停止。無政府状態が続いている。住民らが自警団を組織し、軍と協力する形で治安回復に当たっている。
米政府が自国民に国外退避を勧告したほか、トルコ政府は自国民の救援機を出すなど、外国人のエジプト脱出の動きが加速している。
ムバラク政権がデモ阻止目的で始めたインターネットの接続停止は、30日現在も続いている。エジプト国内からのホテル予約、航空機予約などができない状況だ。←引用終わり
(朝日新聞社asahi.com)
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