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2011/02/19

故・開高 健氏と大阪の記念展覧会で邂逅できた

あれから20年以上の歳月が流れた。

作家開高健が逝ったのは1989年12月だったか。
ベルリンの壁が、あえなく崩れ去り世界が希望を手にした年だったと記憶している。
作家が「夏の闇」の中で「入ってきて人生と叫び、出て行って死と叫ぶ」の警句名言を記したのは、東西ベルリンを周回するベルリン環状鉄道を体験しての事であった。

その警句名言が刷られた新本を前に、「開高健」展を開催された皆さんに、件のエピソードについて触れさせてもらった。

「開高健」展の案内→ 「ex_kaikotakeshi_ocu.pdf」をダウンロード

故・開高健氏の生誕80年を記念した、作家・釣り人「開高 健」展覧会を生誕の地大阪で開催するという報せを耳にしたので、会場へ出向いてみた。

主催は、作家が最終学歴とする「大阪市立大学」とその「学友会」の手で開催された。
作家の母校が130周年であることもあり、作家を顕彰しようという意図も含めての事らしい。

大阪の「なんばパークス」に設けられた会場は、そう広くもなく間狭でもなく頃合いの空間だった。
作家の生誕から家族、そして幼年期、少年期、青年期、背後に戦争とそれによる圧迫を受けながらの学業期をさりげなく描いてみせていた。
寿屋(サントリー)入社の履歴書(コピー写真)、「人間らしくやりたいな」のコピーを産んだ「洋酒天国」と宣伝部での仕事ぶり。

その後、芥川賞を受賞し、作家としての道を歩む作品群を適度に散りばめた展示が続く。

原稿用紙に遺された文字は、作家の性格を顕し「角張って丸い」。
作家の表情が原稿用紙から溢れ出ているようだった。

会場に設けられたBOSEのスピーカーから、懐かしい声が流れていた。
大阪府立天王寺高校の卒業生でもある作家が、同窓会の集まりで講演した録音らしい。
岳父の逝去後、家族を支えながらの苦学と、学校での昼休みについてのエピソードを語った記録のようだ。
確か、小説「青い月曜日」だったと思うに、書きあらわした細部までは触れなかったが、なぜ、途中で学校へ行かなくなったかについて、その輪郭と本質をしっかり述べていた。

展覧会場の基軸をなすのは、朝日新聞社の臨時特派員として体験した「ベトナム取材」とそのレポート(週刊朝日)であり、その体験を原点とした「輝ける闇」(In to A Black Sun)であり、続編というべく「夏の闇」であり、未完の遺作となった「花終わる闇」である。

作家の作品と最初に出会ったのは、「日本三文オペラ」であった。
抱腹絶倒した。いやいや抱腹絶倒させられた。
こんなにも痛快で生きるために執着し、大げさに言えば命を賭けた争闘を人は繰り広げる事ができるのかと、面白がったものである。

そして芥川賞受賞作品「裸の王様」、「パニック」を手始めに乱読させてもらった。

しかしながら作家が「輝ける闇」を書きあらわし、それが箱本として出版されたそれを手にしたとき、脳天をかち割られたような衝撃を受けた。
その頃、「ベトナムとベトナム戦争」について考え、一定の思考論理で解き明かそうと取り組み始めた時であったから、衝撃はなおさらであった。

大げさに言えば、人生を変える転換点にもなった。
(いまも、そのように考えている)

ヒトとは何かについて、その本質を探ることと格闘したのではないか。

「輝ける闇」の中で、ヤング少佐が作家に問う。
場所は、サイゴン(現在のホーチミン市)のツーズー通り(現在のドンコイ通り)にあるレストラン「ブロダール」(現在はすっかり姿を変えビーンズカフェが位置する)での会話として記されている。

「ベトナムの何を書くのか」
「臭いを書きます」
「骨ではなくって」
「そうです、骨ではなく、臭いをね」
「どうして、骨ではないのですか」
「骨は、変化します。臭いは変化がありません」
という、やりとりの会話がある
*いま手元に「輝ける闇」がないので正確ではないが。

作家は、あるときから「釣り人」に自身を転じてしまった。
その兆しは「夏の闇」にしっかり記されている。
作家が「釣り人」に転身して以降の作品には、真に残念ながら馴染みがない。
従って、後半の人生を飾る「釣り人」としての展示は見もしなかった。

作家は、ときに、まじめであり、大まじめであり、大うそであり、大ふざけであった。
いつも「角張っても丸みのある図太い声」でユーモラスな一言を述べ、そして「ガハハ」と豪快に飛ばすのであった。
その姿は、銀座であっても、茅ヶ崎であっても、飄々とし、あるいは凛としていた。
不思議な人であった。偉大な人であった。厳しい作家であった。もっとも人間らしいヒトであった。

「開高邂逅、開高開口、開口一番、結構開高」。
作家の生誕の地大阪で、所縁をお持ちになる方々の手で開催された記念展を訪ね、珠玉の時間を過ごす事ができた。
開催に向けご尽力頂いた所縁の方々、関係の各位に深謝申し上げたい。

「コラコラコラム」は、このスレッド「故・開高 健氏と大阪の記念展覧会で邂逅できた」が記念すべき2000本目となりました。
「開高健」展の会場でお目にかかりました方には、翌日にスレッドをアップさせますとのお約束を申し上げましたが、記念の2000本目にずらす事で故・開高健氏に係るスレッドをアップできる事は無上の喜びでもあります。

また、当初の目標に掲げましたスレッド2000本を達成する事ができました。
これは偏に、日々「コラコラコラム」へアクセス下さいます多くの皆様方のご支持の賜と存じます。アクセス頂きます皆様に深く感謝申し上げますと共に、以降も熱いご支持を頂戴できますよう重ねてお願い申し上げます。

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コメント

【この2年間で起こったたった一つのことは、古い自民が嫌悪されたこと=保守の分裂自滅=自民の世代交代失敗】(13)若い世代を投げ捨てる組織は、自らの未来を捨てている組織である!若い世代を取り込めない保守は滅びる!
 この2年間で起こったたった一つのことは、民主に魅力が増したわけでも、民主が成功したわけでもない(民主はもとからあの低レベルなのである)。
 古い年寄り自民が、もう国民から嫌悪され愛想つかされていること!そして自民党が若返り(世代交代)に失敗したため、若い保守と老人保守に二分裂したこと・・これである。
 自民よ!政権交代がおこった理由は、全然解決していないぞ!自民の分裂のおこぼれを民主が拾ったにすぎぬ。自民が否定されたということ。国が滅びるのに、自民に回帰がない。有権者はもはや昔の有権者ではない。21世紀の有権者である。若者と団塊の世代なのだ。古い自民は永遠に否定されつづける。新しい、若者の自民党に脱皮しろ。
(証拠)民主が史上最悪の政権なのに、内閣が倒れない。
(証拠)民主支持が下がる→しかし自民が上がらない→みんなの党・地域政党を支持。
 分裂は弱さであり、敗北である。
 若い人脈を取り込まない限り、自民は実は復活しない。このたった一つの事実を自民は直視せよ!
 保守が分裂・分断すれば、保守はほろび、国が滅ぶのだ!
 若い政治家、若いグループを取り込み、世代交代をはかれ。そうしないと、若いグループを民主に奪われるぞ。
 ◎!!!大阪府連会長は即刻辞任しろ!!!
 ◎後進に譲れ。老醜をさらしてしがみつくな、醜いぞ!国を守る気持ちがあるなら、世代交代せよ!
→ 自民党よ誤解するな!自民を愛するが故にあえて言うのだ!
  若い世代を投げ捨てる組織は、自らの未来を捨てている組織である!
========================
◎「自民総裁、地域政党との連携模索も」
2011年2月10日日本経済新聞
 自民党の谷垣禎一総裁は10日の記者会見で、4月の統一地方選への対応に関連し「今後、全国の地域政党がどういう問題点を提起しているのか・・・検証していく必要がある」と述べ、「大阪維新の会」や「減税日本」などの地域政党との連携に含みを残した。

投稿: 【この2年間で起こったたった一つのことは、古い自民が嫌悪されたこと=保守の分裂自滅=自民の世代交代失敗】(13) | 2011/02/20 02:22

【この2年間で起こったたった一つのことは、古い自民が嫌悪されたこと=保守の分裂自滅=自民の世代交代失敗】(12)若い世代を投げ捨てる組織は、自らの未来を捨てている組織である!若い世代を取り込めない保守は滅びる!
 この2年間で起こったたった一つのことは、民主に魅力が増したわけでも、民主が成功したわけでもない(民主はもとからあの低レベルなのである)。
 古い年寄り自民が、もう国民から嫌悪され愛想つかされていること!そして自民党が若返り(世代交代)に失敗したため、若い保守と老人保守に二分裂したこと・・これである。
 自民よ!政権交代がおこった理由は、全然解決していないぞ!自民の分裂のおこぼれを民主が拾ったにすぎぬ。自民が否定されたということ。国が滅びるのに、自民に回帰がない。有権者はもはや昔の有権者ではない。21世紀の有権者である。若者と団塊の世代なのだ。古い自民は永遠に否定されつづける。新しい、若者の自民党に脱皮しろ。
(証拠)民主が史上最悪の政権なのに、内閣が倒れない。
(証拠)民主支持が下がる→しかし自民が上がらない→みんなの党・地域政党を支持。
 分裂は弱さであり、敗北である。
 若い人脈を取り込まない限り、自民は実は復活しない。このたった一つの事実を自民は直視せよ!
 保守が分裂・分断すれば、保守はほろび、国が滅ぶのだ!
 若い政治家、若いグループを取り込み、世代交代をはかれ。そうしないと、若いグループを民主に奪われるぞ。
 ◎!!!大阪府連会長は即刻辞任しろ!!!
 ◎後進に譲れ。老醜をさらしてしがみつくな、醜いぞ!国を守る気持ちがあるなら、世代交代せよ!
→ 自民党よ誤解するな!自民を愛するが故にあえて言うのだ!
  若い世代を投げ捨てる組織は、自らの未来を捨てている組織である!
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◎「大阪都構想、日本にとってプラス・・・石原幹事長」
(2011年2月19日読売新聞)自民党の石原幹事長は19日、大阪市で記者団に、・・・「大阪都構想」について、「そういう試みを大阪府からすることは、日本にとってプラスだ」と評価した。・・・同構想は、大阪府の橋下徹知事を代表とする地域政党・・・が統一地方選の公約としているが、自民党大阪府連は反対している。
◎「堺市長「維新の会に賛同」・・・知事との対立回避?」
(2011年2月19日読売新聞)4月の統一地方選に向けて、橋下徹知事率いる地域政党「大阪維新の会」の松井一郎幹事長(大阪府議)が19日午前、同府八尾市で行った事務所開きに、堺市の竹山修身市長が出席。竹山市長は「府民の税金を効率的に使うという、維新の会の動きに全面的に賛同したい」とあいさつした。・・・また、松井氏が離党した自民党の谷畑孝衆院議員も出席。同党は統一選で維新の会と激突するが、谷畑議員は「維新の会のスタートを切る選挙だ。しっかり応援したい」と表明した。

投稿: 【この2年間で起こったたった一つのことは、古い自民が嫌悪されたこと=保守の分裂自滅=自民の世代交代失敗】(12) | 2011/02/19 23:55

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