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2011/03/07

東京都庁は建築物として十分な耐震力を備えているけれど!?

先日(3月3日)、NHKは21時のニュースで、
東海・東南海・南海沖地震(プレート型地震)が起きると、「東京都庁は北館・南館」とも十分な耐震性能を持っているが、都庁舎の中は物凄い揺れを受け、甚大な被害を受ける事を報じた。

「日本建築学会」がまとめた研究レポートをベースにしたニュースであった。

「プレート型地震」というのは、「阪神・淡路大震災」を引き起こした「断層型地震」ではなく、太平洋の海底地盤を形成する「大陸プレート」へ「太平洋プレート(フィリピンプレート)」が沈み込み、ある時点で、沈み込んだプレートが地球内部からの圧力を受け、跳ね上がり震動を起こす事により生じる(簡単な説明で申し訳ないが)。
そのため(治まるまで)、長周期震動が生じるとされている。

日本で頻発している一般的な地震は、いわゆる直下型の「断層地震」で、「断層」が上下にずれる事で起きるため、それにより生じる地震波は短い特徴をもつ。
ニュージーランド南島クライストチャーチで生じた地震も、直下型の断層地震であった。

それに比べて「プレート型地震」は、プレートの沈み込むエネルギーを跳ね上げるため、震源域が広域にわたる事と揺れの周波が長く続く特徴を持つとされている。

これまで、兵庫県三木市にある防災科学技術研究所の兵庫耐震工学研究センター(Eディフェンス)で、30階建ての建築物を実際に震動させた、「実物大実動実証実験」で得た詳細な研究データを軸にすれば、建物が十分な耐震性を保持できても、建物の中(個別の部屋で)は無茶苦茶な破壊が起きる事を見せている。

「日本建築学会」は、それらのデータを仔細に研究し、例えば「東京都庁舎」を例に挙げ言及したと考える。
都庁舎の展望フロアーは、東海・東南海・南海沖地震が起きると、ほぼ2mほどの揺れを10分~15分程度繰り返す。
直下型断層地震であった「阪神・淡路大震災」の揺れは17秒ほどであった。
(それでも、あれだけの被害が生じた)

プレート型地震は、振り子の揺れをイメージして頂くと分かりやすい。実際には振り子の上下を逆にしてイメージして頂きたい。上階ほど長く大きな揺れが続くのである。
このとき、マンションでは家具、オフィスでは事務機器を固定していなければ、慣性の法則により大袈裟に言えば「飛び交う」事が実証されている。

もっと具体的にいえば、例えば、
①コピー機(キャスター付き)は間仕切り壁を打ち破り廊下を走行する映像記録が残されている。運悪く外壁面をガラス壁にしていて、そこにコピー機が激突した場合、ガラス壁を破り上空から路面へ落下する事もありうる。
②ファイルキャビネットは軒並み倒れる。その前に位置する人は直撃を受け重症・重体あるいは死亡する事もありうる。二段重ねのキャビネットなどは、間違いなく崩れ落ち前後の人を直撃する。
③机や椅子はもちろん、PCや電話などは、一瞬にして吹き飛ばされる。
④いくつかのフロアーに配置された自販機なども、瞬く間もなく兇器に変わるのだ。

自宅・マンションなどに置き換えると、
①テレビ(薄型でもブラウン管型でも)は固定しなければ間違いなく吹き飛ばされる。
②冷蔵庫は重量物であるにも関わらず一瞬にして倒れ、人を直撃する可能性を否定できない。
③タンスも同様に吹き飛ばされあるいは一瞬にして崩れ去り兇器に変わる。
④食卓、椅子、ソファーなど、通常の生活では考えられないと思うが、吹き飛ばされるのである。
それが10分~15分繰り返し続くのである。

次に、「東京都庁舎」でも想定される被害は配管系が破断する事である。
 ①上水道
 ②下水道
 ③電力線
 ④通信線(電話回線・LAN回線)
 ⑤ガス供給ライン
地上階から上層階へ辿り着くには歩く事以外に方法がなくなる。
しかし、上層階へ辿り着いてみても、電力線と通信系の線が破断し供給されなければ、震災被害を把握し救援を指揮する防災センターは機能させられないのではないか。
(東京都庁舎の防災センターは最高の機能を持っている)

その意味で、「東京都庁舎」が受ける被害は甚大であり、壊滅的かも知れないとの指摘を代表事例として「日本建築学会」は行い、それを受けNHKがニュース報道したのである。

このテーマを、友人が組織するNPOは民間の立場から行政とも協働し、一貫して研究してきた。
「市民の生命を守る」、「市民に安心と安全」を提供する。
そのためには、市民が主体になり「自らの身の安全は自らが守る」事を意識し行動しなければ術がないのである。
行政に頼り、行政を叱責するだけでは「何も解決しない」のである。

いまや、「タワーマンション」が隆盛を極めている。
施行するゼネコン各社は最新の建築基準とそれに伴う建築技術で「タワーマンション」を建築し、不動産各社は開発販売している。
自由な経済活動に水を差すのも憚られるため、それ自体に口を差し挟む事はしない。
しかしながら、それを購入し自らの生活拠点とするなら、それに対応した身構えが不可欠である。

それらを踏まえ、近日中に東京都の関係部局と友人のNPOは協議の場を設けている。

「平常時の日本で市民の安全を護るのは、何よりも当事者の市民である」。

市民に決意を求めたい事、それは、
 ①自助
 ②共助
 ③公助 の順である事についての自覚を求めたい。

仮に戦争に至っても、「自らの生命を守り抜くのは、自らである事を自覚」しなければ、生き抜く事はできない。
ましてや、不意打ちの天災で最たるモノ「地震」、しかも「長周期地震」に備えるのは、自分自身である事を自覚し決意する必要がある。

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