南海トラフ(東海・東南海・南海沖)巨大地震で、津波32メートル、死者32万人と中央防災会議が試算を公表
「阪神・淡路大震災」の被災経験を持つ者として「巨大地震」について結論を先に言えば、幸いにして「生き残る」事ができれば僥倖と考えている。
自分の生命は、自分で守る、そのために知恵と技術を磨いておこう!
従って、32万人の死者が出るとの試算が示され、そのように言われると「あぁ、そうですか」としか言いようがナイ。
自然(天変地異)に抗って生き延びる事には、何よりも無理があるからだ。
生き延びる事を諦めているワケではない。
生き延びられるように努力しないといけない事は分かった上でのハナシだ。
最大値を想定した数値と説明されている。
「そうですか」としか言いようがナイ。
この試算数値発表で、地震防災研究の第一人者を自認する河田恵和(関西大学教授[元京都大学教授])がエラそうに主張する姿に大きな違和感を持った。(いつもながらのことであるが)
いわく、「いち早く逃げて下さい」。
分かりきった事を言う。
しかし、この時、発表された前提は、
「32メートルの巨大津波は2分で到達する」
「32メートル」は一般的なビルの10階~11階に相当する高さだ。
ならば、
「32メートル以上へ逃げないと無理」だという事を示している。
巨大地震が発生したとして、エレベーターは停止している。
避難者の足で階段を駆け上るワケだ。
2分~5分で、32メートル(11階)まで駆け上がれるだろうか。
駆け上がる事ができれば、まさに「僥倖」だったとしか言えない。
「避難ビルを建てよう」「避難棟を建てよう」というハナシになるのだろうな。
でも、秩序を保ち、高層階へ一気に逃げる事は可能だろうか。
仮に、後背地に「山」や「丘」があるとしよう。
緩やかな傾斜であれば、避難は容易いかも知れない。
しかし、それは目的地へ到達するまでに時間を要す。
急傾斜は、速度を落とす。
実際に、どの程度の時間を要すか、実際に挑戦し経験する必要があるだろう。
その意味で、中央防災会議の試算公表は「警告」と受け止める。
「(事前に)試算を指摘しましたよ」というアリバイにも見える。
穿った見方をすれば、
だから「公共事業」で「避難ビル」「避難棟」を各地に建設しましょう。
「津波に備える防潮堤」を建設しましょう。
と、いう事になるのだろうな(誰にも容易く予想できる)。
そこまでしても、日本は元より「火山列島」の上にあるワケだから、自然(天変地異)に抗い克服しようというのは無理がある。
耐震性のある建物の研究開発は必要だ。
でも、それで自然を克服できるワケではない。
まず、この点の自覚が必要だ。
次に、巨大地震に遭遇し生きながらえる事ができれば「僥倖」と考える決意が必要だ。
引用開始→ 南海トラフ地震、死者32万人全壊238万棟か
(2012年8月29日23時11分 読売新聞)駿河湾から紀伊半島沖で津波が発生のケース
東海、東南海、南海地震などが同時発生するマグニチュード(M)9級の「南海トラフ巨大地震」について、国の二つの有識者会議は29日、被害想定などを公表した。
死者数は最大で32万3000人。そのうち津波による死者は全体の7割の23万人に達する。有識者会議では、迅速な避難により津波の死者は8割減らせるとして、国や自治体に対し避難施設や避難路の確保を図るよう求めている。
有識者会議は3月に震度分布や津波の高さを公表したが、今回はより精度良く計算し、浸水域も求めた。津波や地震の揺れのパターンを組み合わせ、季節・時間別の被害を想定した。
死者32万3000人となるのは、在宅者の多い冬の深夜に発生し、東海地方の被害が大きいケース。死者数は東日本大震災の死者・行方不明者(約1万8800人)の17倍で、国の中央防災会議による2003年の三連動地震想定の死者2万5000人の13倍。負傷者は62万3000人、救助が必要になる人は31万1000人と推定された。
死者数が最も少ないのは、在宅率の低い夏の正午に、四国や九州で被害が大きい地震が起きた場合で、3万2000人。
一方、建物被害が大きくなるのは火気使用の多い冬の午後6時のケース。最大で238万6000棟が全壊・焼失する。
有識者会議は、防災対策による軽減効果も試算した。深夜に発生した地震の10分後に7割の人が避難を始め、津波避難ビルに逃げ込めれば、津波による死者数は最大で8割減らせるとしている。住宅の耐震化率が2008年現在の8割から9割に向上すれば、建物倒壊数は約4割減少する。
浸水域は最大で1015平方キロ・メートルと東日本大震災の1・8倍。津波高は3月の発表と大きく変わらず、最も高いのは高知県土佐清水市、黒潮町の34メートル。
有識者会議では今秋にも電力や上下水道、交通への影響を含めた経済被害の想定を公表し、冬には対策の全体像をまとめる予定。
中川防災相は29日の記者会見で、南海トラフ巨大地震対策を進めるための特別措置法の制定を目指す考えを示した。
今回の発表の詳細な資料は、内閣府防災情報のホームページで閲覧できる。
◆南海トラフ巨大地震=静岡県沖から四国、九州沖にかけての浅い海溝(トラフ)沿いで発生する地震の中で、想定されうる最大規模(M9・0~9・1)のもの。国の中央防災会議が2003年に公表した三連動地震(M8・7)に比べて、震源域は2倍。←引用終わり
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