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2012/10/09

ノーベル 医学・生理学賞を、京都大学 山中伸弥教授が受賞!

事前に、幅広く噂されていたとは言え、決定され正式に発表された事は慶賀の極みというべきと考える。
世界の科学が確実に発展し、人類の幸福と平安に大きく寄与される事を期待しています。

日本が、ノーベル賞に輝く人財に基礎研究の場を提供支援し、見事に応えられた事を讃えたいと考えます。

基礎研究について一言申し添えれば、
その取組は、実に地味な事です。先行研究論文に当たり、読み解き、自らの研究テーマとの違いと合一点を考究し、そこから次に繋がる仮設を立て、その方法を考え組み立て挑んでいく。
これは、理系の研究も、文系の研究も同様で、実に忍耐強い日々の繰り返しです。
しかし、とりわけ理系の研究は、大がかりな設備を必要としますから、資金と施設と人手に時間が必要です。

それを周囲が共に支える必要があります。
科学の発展は、このような環境の中で、一進一退を繰り返しながら、研究に挑む努力の積み上げの結果、成果として産み出されるワケです。

山中先生の成果「i PS細胞」が評価されました。
「おめでとうございます」
「i PS細胞」が、医学・生理学分野で大きく前進する事を期待して止みません。

引用開始→ 山中・京大教授にノーベル賞 iPS細胞の作製
(日本経済新聞2012/10/8 22:11)

【パリ=竹内康雄】スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル生理学・医学賞を、生物のあらゆる細胞に成長できて再生医療の実現につながるiPS細胞を初めて作製した京都大学教授の山中伸弥iPS細胞研究所長(50)と、ジョン・ガードン英ケンブリッジ大名誉教授(79)の2人に贈ると発表した。

日本人のノーベル賞受賞は10年に化学賞を受けた根岸英一・米パデュー大学特別教授と鈴木章・北海道大学名誉教授以来2年ぶり19人目。生理学・医学賞では1987年の利根川進・理化学研究所脳科学総合研究センター長以来25年ぶり2人目となる。

医学研究では治療実績が重んじられがちだが、山中教授はiPS細胞の作製からわずか6年で、ノーベル賞の栄誉に輝いた。事故や病気で傷んだ組織や臓器の機能を取り戻す再生医療への応用が期待されている。受賞決定後に京都大学で記者会見し「さらにこれから研究を続け、一日でも早く医学に応用しなければならないという気持ちでいっぱいだ」と語った。

授賞理由について、カロリンスカ研究所は声明で「細胞や器官の進化に関する我々の理解に革命を起こした」と説明した。

山中教授は、06年に世界で初めてマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作った。iPS細胞は受精卵のように体のどんな部分にも再び育つ。皮膚などにいったん変化した細胞が、生まれた頃に逆戻りするという発見は生物学の常識を覆した。細胞の時計の針を巻き戻せることを示した「初期化(リプログラミング)」と呼ぶ研究成果は「まるでタイムマシン」と世界を驚かせた。生命の萌芽とされる受精卵を壊して作る胚性幹細胞(ES細胞)と違い、倫理面の問題からも特に欧米社会で高く評価された。

初期化の実現の可能性を最初に示したのが同時受賞するジョン・ガードン博士の成果だ。1962年、オタマジャクシの腸の細胞から取り出した核を、あらかじめ核を除いたカエルの卵に移植したところ、受精卵と同じようにオタマジャクシが生まれた。腸に育った細胞でも、時間が遡りすべての細胞に変化できることを示した。09年には、米ラスカー賞を山中教授とともに受賞している。

山中教授の報告以降、世界中の研究者がこぞってiPS細胞研究に参入し、再生医療の研究競争が激しくなっている。サルの実験だが、iPS細胞が脊髄損傷や脳疾患のパーキンソン病の治療に役立ったとする成果も相次いで報告されている。文部科学省などが多額の研究予算を投入し、研究推進に力を入れている。

授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金の800万クローナ(約9400万円)は、両受賞者が半分ずつ受け取る。

やまなか・しんや 
1987年神戸大学医学部卒業、国立大阪病院で整形外科の研修医に。93年大阪市立大学大学院医学研究科修了。米グラッドストーン研究所博士研究員、奈良先端科学技術大学院大学遺伝子教育研究センター教授などを経て、2004年から京都大学再生医科学研究所教授。10年4月から京大iPS細胞研究所長。

独のマイエンブルク賞、ロベルト・コッホ賞、カナダのガードナー国際医学賞、米ラスカー賞、ウルフ賞医学部門など国内外の科学賞を多数受賞している。大阪府東大阪市出身。50歳。

ジョン・ガードン 
1960年英オックスフォード大学で博士号取得。83年英ケンブリッジ大学教授。89年にウルフ賞を受賞、2009年に山中伸弥教授とともに米ラスカー賞を受賞。ケンブリッジ大にガードン研究所をもつ。79歳。


←引用終わり

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引用開始→「日本という国が受賞した」 山中教授の一問一答
(日本経済新聞2012/10/8 22:42)

ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大学の山中伸弥教授は8日、京都大学で記者会見した。主な発言は次のとおり。

――受賞の感想は。
「心の底から思ったのは名目上は山中伸弥ともう一人の受賞になっているが、受賞できたのは、日本という国に支えられたから。まさにこれは日本という国が受賞した賞だと感じている。感想を一言でいうと感謝しかない」

「iPS細胞の研究はまだ新しい。医学や創薬において大きな可能性あるが、まだ本当の意味で医学や薬の開発に役立ったと言えるところまで来ていない。これからも研究を続けて一日も早く社会貢献、医学応用を実現しないといけない気持ちでいっぱいだ」

「ジョン・ガードン博士と同時受賞になったのが一番うれしい。カエルの実験で大人の細胞が受精卵に戻ることを証明された。細胞の初期化という分野を開かれた先生と同じ賞をもらえるのは感慨深い」

――報告を聞いたとき、どこで何をしていたのか。
「受賞すると思っていなかったので家にいた。洗濯機がガタガタ音がするので直そうとしていたところ、携帯電話が鳴ってそれが英語だった。それで知った。米国をはじめノーベル賞に匹敵する人が多くいる。日本にも私よりもふさわしい方がいる。その中で自分の受賞が決まったので、電話が鳴ったとき、本当なのか信じられないというのが正直な気持ちだった」

――ジョン・ガードン博士との共同受賞になった。
「最初にあったのはiPS細胞の開発に成功する何年も前。2002年ころで学会で日本に来たころだ。第一印象はとても美しい髪の毛をしていてうらやましい。いまだに現役で自分で実験をしていることにも驚いた。常に論文を読んでいて、科学者はこうでないといけないのだなと教えられる。先生は細胞の初期化を切り開かれた。間違いなく先生がいなければ私たちの受賞もなかった」

――再生医療の実現を期待する患者へのメッセージを。
「今日、明日に病気が治ると誤解を与えている部分もあるかもしれないが、実際は5~10年と時間がかかる。ただ、たくさんの研究者がいろんな技術をつかって研究しているのも事実だ。時間との戦いと強く感じる。私たちの一日と患者さんの一日の違いは心している」←引用終わり
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