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2014/01/27

国際社会を相手にした国際会議や記者会見の場での発言は「分かりやすく明瞭に」発言を!

「ダボス会議での首相発言が誤解され報じられている」と、首相官邸は否定に懸命だけれど、国際社会を相手にした場での「発言」は、相手に分かりやすい文脈と論理で発言すべきだと考える。

安倍晋三首相の発言や国会答弁は、語尾が絡み合い明瞭でない事が多い。
その上、日本語の文脈や論理に加えて、日本国内の行政発言(国会答弁)のような分かりにくさがある。
勿論、言質を取られたくないと考えて、遠回しの言い方をするワケだが。
問題(発言意図)の本質が分からない場合が多くなる。
官邸を始め、国会などを根城にする「記者クラブ」の記者は、それを得意即妙に解説してみせる。
そんな翻訳係を抱えているのが日本の(官製)報道である。
実におかしな話だ。

海外での、国際会議の場や、記者会見の場で、日本の国内と同じ理屈というか、
日本の文脈で、日本の行政論理で「発言」してみて、相手に理解しろというのは大きな問題だ。
長く日本に滞在し、日本の文化や社会に通じ、本当に日本通だという記者に会う事もあるが、彼らに共通しているのは、彼らの思考論理(言語論理)で捉え置き換えた「日本観」でしかない。
だから、そんな相手に「日本語論理」だけで「正しい」事(思考論理)を押し付けてみたところで期待される理解をしてくれるワケではないし、諒解してくれるワケでもない。
それは大前提だ!

政府を率いる内閣が安倍晋三首相になってから、海外向け情報発信に力が注がれているのは大変喜ばしい事であるが、
大切な事は、受け手である相手が日本が発信する「主張」を正しく(誤解無く)理解し、正しく報じる(伝える)事に焦点を当てた「分かりやすさ」が不可欠だ。
その努力や取組みをしないで、ただただ考えを発してみても弱体なだけだ。

また、その発言が真意から大きく離れ「誤報」され、それを受け「官房長官」が内閣記者会に向けて「批判」してみても仕方がない(しないよりマシな程度)。
ただちに、政府広報を用い「誤謬」を鋭く指摘し、その報道に批判を浴びせなければならない。
寝言のように、「前後の文脈を見て貰えば分かる」と誰を相手に言っているのか?
誰に分かれと言っているのか。署名入りの記事であれば、記者の名前を挙げて「間違い」を批判すればよいではないか。
それができないのは、誤解を生む「発言」をしているからである。
国際社会へ向けた発言は、相手に分かりやすく、日本の主張を行うべきである。

引用開始→ 「日中は大戦前の…」発言、首相「問題ない」
(2014年1月26日23時37分  読売新聞)

【ニューデリー=黒見周平】安倍首相は26日、日中関係と第1次世界大戦前の英独関係を巡る自らの発言について、「同席していた方がたくさんいた。(同席者に発言内容を)聞いてもらえれば、全然、何の問題もなかったことが分かってもらえる」と述べた。

ニューデリー市内で同行記者団の質問に答えた。←引用終わり
Copyright © The Yomiuri Shimbun. 

引用開始→ ダボス会議報道、安倍首相発言の力点を英紙誤解
(2014年1月27日08時58分  読売新聞)

25日に閉幕した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、安倍首相が現在の日中関係を第1次大戦で戦う前の英独関係になぞらえたとする英メディアの報道は、瞬時に世界に広がった。

だが、実際の首相発言は、英メディアの当初報道とは力点が異なっている。

発言は22日、首相と、同会議に出席していた内外報道機関代表者との懇談で出た。筆者も出席していた。

司会を務めた英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のギデオン・ラックマン主席外交解説委員が「尖閣諸島をめぐり、日中が武力衝突することはありうるか」と尋ねたのに対し、首相は「日中間で軍事衝突が起きれば、両国にとって大変なダメージになる」と日本語で答えたうえで、次のようにつけ加えた。

「今年は第1次大戦(の勃発)から100年目。英国とドイツは、戦争前に貿易で相互に関係が深かった。日本と中国も今、非常に経済的な結びつきが強い。だからこそ、そうならないよう事態をコントロールすることが大事だ」

この発言をめぐり、ラックマン氏はその日の同紙ブログで、「首相は興味深いことに、紛争は論外だと言わなかった。日中間の緊張を、第1次大戦前の英独のライバル関係と比較し、『同じような状況だ』と述べた」と、首相が軍事衝突もありうると示唆したと受け取れる表現で伝えた。

同紙はさらに24日付の社説で「安倍首相の欧州の1914年との比較は、恐ろしく、怒りをかき立てる」と批判。25日付では、中国の王毅外相が「時代錯誤で当惑した」と酷評した同紙インタビューを1面で報じた。英BBC放送なども「1914問題」として相次いで報じた。

しかし、首相は実際には、日本語で「同じような状況」とは発言していない。素直に聞けば、「英独のようにならないよう」という点に力点があったのは間違いない。懇談は日英同時通訳で、粗い意訳だった可能性があるが、FT紙の突出した反応が騒ぎを広げている面は否めない。

ただ、首相も不注意だった。欧州人にとって第1次大戦は、甚大な犠牲者を出した悲惨な戦争の歴史である。欧州の国際会議でそれを引き合いに出すのは、いかにも配慮不足だ。

会議に出席していたドイツ人の大学院学長は「戦争を軽々に比較に使うのは危険。首相は、第1次大戦の歴史問題まで自ら引き寄せかねない」と警告した。

日本の経済再生を柱にすえた安倍首相の演説は、会議出席者におしなべて好評だったが、世界の注目が集まるほど、注意深い言動が求められるといえる。(スイス東部ダボス アメリカ総局長・飯塚恵子)←引用終わり
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