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2015/04/15

「中露は蜜月か?」大先達の木村 汎先生 相変わらず冴え渡る冷静な分析と明快な指摘!

腕力勝負を仕掛け、国際的に孤立しかけているロシアもそうですが、中国も同様に腕力勝負に出て国際的に孤立しかけています。

ゆえに腹を減らしたロシアは日本へオイシイ話を持ちかけ秋波を送ってくるワケですが。
「シベリア」開発と「北方領土」でエサ(疑似餌)を撒き続けモーションをかけてきます。

中国は、周辺の各国から激しい「ブーイング」を受け、次の手を繰り出そうと仕掛けてきたのが「AIIB」なのですが。

世界を揺さぶるために腹黒い二つの国は、「中露一体」の演出に忙しいとも云えます。
この手の腐った手法を見せられオツムの弱い韓国は「中国」には勿論「ロシア」にも靡き、双方を取り持つ演出構成を狙うなど、どこまでもアホ~の夢見を繰り広げていますが、正直なトコロ中国にもロシアにも付き合っては貰えるものの対等に付き合って貰えず、ストレスを貯め込んでいるようです。

冷静にモノ事を捉える事のできない日本のお騒がせ評論家とそれに擦り寄るマズゴミとメディアは、オツムを「事大主義」に冒されヒステリックに「ロシア」の言い分や「中国」の言い分に同調しキャンペーンを張っています。

「中国」のウソは徐々にバレ単なる恫喝であると判明しましたが、「ロシア」が撒き散らす幻想に過ぎない疑似餌には飛びつくオバカが数多いようで。

でぇ、ロシア研究では第一人者の木村汎先生の「正論」(産経新聞)を引用紹介しておきます。

引用開始→ 【正論】中露「蜜月」戦術に惑わされるな 北海道大学名誉教授・木村汎
(産経新聞2015.4.14 05:01)

ロシアと中国は、今や「蜜月」関係に入ったかのように見える。ロシアは昨年春のクリミア併合という暴挙によって「ロシア異質論」を復活させ、欧米諸国からほぼ完全に締め出されてしまった。

アジアへ軸足を動かそうにも、日本も先進7カ国(G7)の一員として対露制裁に加わり、プーチン大統領の訪日にゴーサインを出さないばかりか、安倍晋三首相はモスクワ主宰の対独戦勝記念式典への出席も注意深く検討している。国際的に孤立無援状態に陥ったロシアにとり、中国以外に頼るすべはない。このようにしてロシアは、中国主導下の「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)への参加表明も行った。

警戒すべき「パカズーハ」
だが、改めて警戒せねばならぬことがある。それは、ロシア、中国がことのほか「パカズーハ(見せかけ)」戦術に秀でていることである。ロシア語の「パカズーハ」とは、実態とは異なったふうに見せかける擬態を指す。

歴史的典型は、「ポチョムキン村」である。エカテリーナ女帝のご機嫌を損ねまいとして、忠臣ポチョムキンは女帝が行幸(ぎょうこう)する道路沿いの外装部分だけを前もって飾り立て、あたかも街全体が繁栄しているかのような印象をつくりだそうと試みた。この故事から転じて、「ポチョムキン村」とは外見上は美しく壮大にすら映るものの、中身は空っぽという意味で用いられる。

もっとも政治の世界で「パカズーハ」戦術は当然といえないこともない。なぜなら政治とは結局、己にとり好都合なイメージを相手に形成させようとして争うゲームに他ならないからである。

そのような「見せかけ」合戦は、例えば日露間でも盛んにおこなわれている。安倍首相は、プーチン大統領との間でさも個人的な信頼関係が構築されている「かのように」振る舞う。大統領も負けずに日露関係が総合的に進展すれば、日本側が希望する領土問題解決への環境が整備される「かのように」示唆する。両首脳は、中露首脳同様、狐(きつね)と狸(たぬき)の化かし合いを実践中と評してよい。

喧伝されたプロジェクト
モスクワと北京が最近行った「パカズーハ」の典型例として、中露間のエネルギー協力について触れる必要があろう。

ロシアと中国は、2014年に天然ガスをめぐる超大型プロジェクトを2件も締結した。一つは「シベリアの力」、もしくは簡単に「東ルート」と呼ばれるもの。東シベリアから中国向けパイプラインを建設し、年間380億立方メートルのガスを30年間にわたって中国へ供給する。もう一つは「アルタイ」もしくは「西ルート」と呼ばれるパイプラインの敷設。西シベリア産のガスを年間300億立方メートル、30年間中国に提供する。

中露は、「東ルート」プロジェクトについての合意文書を14年5月に上海で、「西ルート」にかんするそれを11月に北京で、それぞれ調印した。両調印式に出席したプーチン大統領はこれらの合意を中露関係史における「画期的で」「最大の契約」であると絶賛した。ところが大統領の言葉は、中露間の結束を対外的に誇示せんがために意図的になされた過大表現に他ならなかった。

というのも、鳴り物入りで喧伝(けんでん)されたこれらのプロジェクトは、その後、一向に実践へ向けて動き出していないからである。それどころか、今年3月になると、ロシア側からは次のような情報すら漏れ聞こえてくるようになった。すなわち、「東ルート」も「西ルート」も共にパイプラインの建設が見送られている。仮に将来敷設されるにしても、規模の小さい「西ルート」からであろう、と。

協定の建前と実態の乖離
中露間で「世紀の大プロジェクト」と喧伝された天然ガス合意がその後中ぶらりんとなった理由の一つとして、原油安を指摘することは、おそらく間違っていないだろう。というのも、天然ガスの値段は、石油のそれと密接に連動しているからだ。14年に中露両国が合意したガス価格は公表されていないものの、どうやら千立方メートル当たり350ドルと推測される。

もしそうだとすると、原油価格が14年後半以降約2分の1にまで急落している今日、中国側がガス価格の再交渉を要求しておかしくない理屈になろう。だが、ガス価格の変動だけが、その後両プロジェクトの実施を阻んでいる理由なのではない。成約の見せかけにもかかわらず、実は次の点に関してももめているのだ。例えばパイプラインの建設、パイプラインが通過する地域のインフラ整備の費用を、一体どのような割合で中露それぞれが分担するのか。

中露間の協定に見られる建前と実態の乖離(かいり)がわれわれに改めて与える教訓はシンプルなものである。ロシアや中国が発表する声明は政治的PR目的のために粉飾されがちなので、過大評価する間違いを犯してはならぬこと。この一言に尽きる。中露関係が「蜜月」関係に入ったなどと解釈するのは、厳に禁物といえよう。(きむら ひろし)←引用終わり
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