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2015/05/09

英国議会下院総選挙で保守党が圧勝で過半数を制し キャメロン首相は続投へ!

スコットランド民族党も50議席を獲得 労働党は歴史的敗北(社民的政策)は後退加速!

まぁ、「グローバリゼーション」が拡大伸張すれば「ローカリゼーション」で自らや地域を護ろうとするのは普通の選択だろうから。
そこで欧州連合(EU)統合との関係をどのように整理するか、その知恵をどのように示せるか?
英国の経済的成功は欧州連合(EU)に参加し「市場」を得る事で発展成功している。
現在の経済的成功は欧州連合(EU)に懸かっている。
一方で欧州連合(EU)に参加し続ける事で、欧州大陸のEU参加国から大量の低賃金労働者が傾れ込み英国人の就業(労働)機会が奪われている。
経済的繁栄は得たいが、失業を強いられる事は断固拒否したい!
この現状で相矛盾するテーマに対し、どのような知恵を有効に示せるか。

スコットランドはUK(英国)からの独立志向だ。
英国は欧州連合(EU)からの離脱志向だ。
いずれも「経済的繁栄」は「統合された市場」で得たいが、「グローバリゼーション」に踏みにじられるのは嫌で「ローカリゼーション」を尊重し自由にいたい。
「狭域利害」と「拡大利害」はどこまで両立あるいは並立が可能か。

「労働は富の元」であり次の「資源」。
「市場で交換され富」が生まれる。
英国のUKとしての苦悩、スコットランドの苦悩、それは本当に難しいテーマです!
日本も「TPP」を始め、クセ球の変化球を投げる「AIIB」も含め、同様に知恵が求められているのですが。

  http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H8L_Y5A500C1EA2000/

引用開始→ 英総選挙、与党の経済政策に支持 「EU離脱論」は火種
(日本経済新聞2015/5/9 2:06)

【ロンドン=小滝麻理子、黄田和宏】7日投票の英総選挙は、キャメロン首相率いる保守党が予想を上回る議席を獲得した。金融危機から経済を立て直した手腕が評価され、先進国でも異例の2期目での大幅な議席増となった。保守党は2017年までの欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の実施を公約している。首相自身はEUの一員であることを望んでいるとみられるが、金融市場や欧州政治を混乱させかねないと警戒も広がる。

世論調査では支持率が拮抗し大接戦が予想されていただけに、保守党が単独で過半数を獲得する結果は市民にとっても驚きとなった。

8日の金融市場では、現政権の経済政策が維持される見通しとなったことを好感して、株式・債券・通貨がそろって上昇するトリプル高となった。通貨ポンドは主要通貨に対して全面高となり、対ドルでは一時1ポンド=1.55ドル台と、2月下旬以来となる高値をつけた。

英国商工会議所のロングワース事務局長は「保守党は英国企業の投資や成長を促す必要がある」と発言。雇用の促進などで保守党に協力する姿勢を示し、経済界でも歓迎ムードが広がっている。

保守党勝利の決め手となったのは、キャメロン政権の経済運営の成功だ。緊縮財政に取り組むなかでも法人税の引き下げなどでビジネスを後押しした。英国の14年の国内総生産(GDP)成長率は先進7カ国でも最も高い水準だ。

2期目に入る政権は、経済成長の持続と財政再建のバランスが課題になる。公的支出の削減を続けざるを得ないが、国民の間には「緊縮疲れ」も広がる。成長の実感を中間層まで広げる工夫が求められる。

単独での過半数議席をおさえたことで、外交面でも独自色を打ち出しやすくなりそう。英国は3月、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を先進国で真っ先に表明した。同盟国・米国との「特別な関係」を残しつつ、アジアや中東の新興地域とも結びつきを強める方針とみられる。

今後のリスクはEUとの関係にある。キャメロン首相は再選された場合、EUと加盟条件を再交渉し、そのうえでEUに残留するかどうかを問う国民投票を行うと公約に掲げていた。

キャメロン首相は再交渉の中身を明らかにしていないが、親EU路線の自由民主党が連立から離脱する見通しであることもあり、EUへの強硬姿勢を強めそうだ。英政府は、規制などEU権限の一部を政府に取り戻すことや、EU予算の拠出金の分担の見直しなどを目指す可能性がある。

EU側は交渉不可能な要求を英国側が突きつけてくるのではないかと身構える。「まずは英国側の提案をみたい」。欧州委員会の報道官は8日、ユンケル欧州委員長の基本姿勢を繰り返し説明した。独シュピーゲル誌電子版は選挙結果について「欧州にとって悪いニュース」と報じた。

EU離脱を問う国民投票はあくまでも国内や党内の不満の「ガス抜き」が狙いとみられているが、反EU機運は根強く、予断を許さない。

今回、躍進したスコットランドの地域政党・スコットランド民族党(SNP)も波乱要因になりそうだ。SNPは20歳の候補者が労働党の大物議員を破るなどスコットランド選挙区59議席中56議席を制覇し、旋風を起こした。SNPはスコットランド独立を目指し、昨秋の英国からの独立の住民投票を主導した。独立論が再燃する可能性もあり、英国は内外で火種を抱えることになる。

 ◇

英政治の行方は日本企業のビジネスにも影響を与える。日産自動車は英サンダーランド市で小型多目的スポーツ車(SUV)の「キャシュカイ」や電気自動車(EV)の「リーフ」などを年50万台生産している。英市場だけでなく欧州大陸向けにも輸出しており、EU離脱が決まるような事態になると事業への影響は避けられない。トヨタ自動車は英中部のダービーシャー州などで1992年から車両とエンジンを生産。ホンダも南部スウィンドンの工場で小型車などを生産している。

日立製作所は英国で鉄道車両と原子力発電所の事業を手掛けている。鉄道車両は09年に総事業費が1兆円に及ぶ都市間高速鉄道「IEP」の車両を受注し、今年夏には英国の現地工場が稼働する。IEPの運行地域はスコットランドも含まれるため、今後の独立運動の行方が影響する可能性もある。←引用終わり
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