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2015/12/31

ASEANは「戦場」を「市場」へ統合し 「AEC」(ASEAN経済共同体)としてスタート!

ASEANは本当に多様な価値観を保つ地域だ。
互いが「内政に干渉」せず、地域の友人として助言し合っても干渉はしない。
口煩いヒトに言わせると「まどろっこしい」と言われるが。
それぞれの国民国家は、それぞれの地域社会を背景に「宗教律、社会文化律、生活律」が異なるのだから、「正義」か「非正義」かの選択を迫る単純思考ではない。
「正義」と「非正義」の間に「無数」の「正義」や「非正義」が存在する社会であり地域なのだ。

「AEC」は、これから、それらの主張や差異を乗り越え、辛抱強く克服する事になるだろう。
必要なら十分な時間をかけ克服すれば、「拙速」による「混乱」より良いだろう。
しかし、現実の「機会」を逃すのはナンとも残念な気もする。

地域の「知恵」を出し合う事だろう。
何よりも大切な事は「ASEAN」が「中国」に蚕食されない事だ。
大陸側の「ミャンマー」「ラオス」「カンボジア」に懸念が残る。最近は「タイ」にも。

引用開始→ ASEAN経済共同体、31日発足 域内総生産300兆円 
(日本経済新聞2015/12/30 19:43)

【バンコク=小谷洋司】東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟する10カ国が域内の貿易自由化などを進める経済連携の枠組み「ASEAN経済共同体(AEC)」が31日、発足する。域内の人口は計6億2000万人、域内総生産は2兆5000億ドル(約300兆円)に達する巨大な経済圏が本格始動する。

2017年に創設50周年を迎えるASEANの経済統合に向けた取り組みは新たな段階に入る。

11月にクアラルンプールで、加盟10カ国の首脳がAEC発足に向けた宣言に署名していた。

すでに各国は域内関税の撤廃などを進めてきた。経済発展で先行したタイなど6カ国は品目数ベースで98%以上の関税を撤廃済みだ。ベトナムやミャンマーなどの後発4カ国も18年までに域内関税をゼロにする計画だ。

加盟国首脳は向こう10年間の方向性をまとめた「ASEAN2025」も策定した。このなかでAECの目標を「持続的に高い経済成長を実現」「高度に統合・結束した地域経済を樹立」などと指摘している。

東南アジアは日本企業にとって主要な投資先の一つだ。日銀統計によると13年末時点のASEAN向け直接投資残高は14兆3575億円で、中国向け(10兆3402億円)を上回る。対外投資残高全体の12%強にのぼる。今後のAECの成否は日本企業の業績を大きく左右する可能性がある。

それでも、高度な経済統合の実現にはなお課題が残る。国内産業を保護するため、関税を撤廃する代わりに輸入免許の厳格化といった非関税障壁を強める例もある。域内でのサービス分野の開放やヒトの移動の自由化は遅れている。←引用終わり
NIKKEI  Nikkei Inc. No reproduction without permission.

引用開始→ 社説「山積するASEAN共同体の課題」
(日本経済新聞2015/12/28付)

東南アジア諸国連合(ASEAN)の10カ国は31日に「共同体」となる。その名にふさわしい実体をともなっていない面もあるが、経済を軸として統合が進んでいるのは事実だ。

日本にとってASEANは、平和で繁栄したアジアを築いていくうえでの大切なパートナーといえる。共同体づくりを促し、関係を深めていきたい。

ASEAN共同体は(1)政治・安全保障(2)経済(3)社会・文化――の3本柱からなる。このうち具体的な取り組みが進んでいるのは、経済共同体(AEC)づくりだ。

サービス自由化に遅れ
モノの域内貿易にかかる関税はすでに、品目数で96%について撤廃が完了している。ベトナムやミャンマーなど遅れて加盟した4カ国を除けば、撤廃率は98%超。18年末までに全域でも撤廃率を98%以上に高める計画だ。

早くから東南アジアの各地で生産や物流の拠点を築いてきた日本企業は一段と効率的なネットワークを整えやすくなる。もちろん、ASEANの企業も含め競争が激しくなる可能性も大きい。機会と挑戦の両面があるといえる。

実際、AEC発足をにらんだ再編はすでに始まっている。タイの工場で手掛けてきた製品の生産を人件費の安いカンボジアに移す一方、タイでは製品の高度化を進める、といった動きだ。

AECのうたい文句は「単一の市場、単一の生産基地」だ。合わせて6億2000万の人口を擁するだけに、魅力は大きい。ただ、実際には乗り越えるべき課題が山積している。小売りや金融などサービス分野の自由化は今のところ掛け声だおれに終わっている。

さまざまなルールの調和や労働者の移動制限の緩和なども、具体的な歩みはにぶい。国内の雇用と産業を守りたいとの思惑から、保護主義的な規制をあらたに導入しようとしている国さえある。

統合が遅れ気味になっている根本的な原因としては、10カ国の多様性を指摘できる。1人当たり国内総生産(GDP)がアジアでトップのシンガポールから、世界でも最貧国のグループに属するミャンマーまで、経済の発展段階には大きな開きがある。

政治体制は民主主義から王制、一党独裁まで。宗教や言語など社会と文化のあり方は、それぞれにユニークで、しかも複雑に入り組んでいる。ちゃんと目配りをしないで統合を推し進めれば、深刻な混乱を引き起こしかねない。

AECを前に進めるには、他の2本柱、つまり政治・安全保障と社会・文化の面での共同体づくりも、欠かせない。いうまでもなくこれは容易ではない。

足元ではむしろ、外交・安保の面で亀裂が深まっている。ひとつは、南シナ海で人工島の整備を大々的に進めている中国との向き合い方をめぐってだ。おおざっぱにいえば、反中、親中、中立に三極化しつつある。

もうひとつは、米国が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐってだ。ここでも、交渉に参加した国と参加する意欲を表明した国、参加を表明していない国の3つに分かれている。

もっとも、TPPの歩みを振り返ると、シンガポールとブルネイを含む4カ国が立ち上げた枠組みに米国などが乗っかって今の姿になっていることに気がつく。

脈々と生きる現実主義
ASEANも含めたアジア・太平洋地域の経済統合のレベルを引き上げていく起爆剤として、シンガポールなどが仕掛けた面がTPPにはあるわけだ。

3月に亡くなったリー・クアンユー元シンガポール首相以来のしたたかな現実主義が、脈々と息づいていることがうかがえよう。

中国やインドに比べると東南アジア諸国の規模は小さい。大国とはいいがたい国々が団結することで存在感を発揮し、地域や世界の中での発言権を高めていくための枠組みが、ASEANだ。

そして今世紀になって浮上した共同体づくりの取り組みは、グローバル化の進展や中国の台頭といった世界規模の地殻変動に対応し、さらに存在感を高めようという試みだといっていい。

戦後日本のアジア外交のなかで対ASEAN外交は比較的成功してきたといえる。ASEANが一体となって存在感を発揮することは、日本の外交・安全保障にとってプラスに働く面が大きい。

各国を結ぶ交通・通信インフラの整備や法制度の調和に向けた取り組みなど、ASEAN共同体の深化に役立つ協力を日本は進めていかなくてはならない。←引用終わり
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