「戦場」から「市場」へを実現した ASEAN経済共同体(AEC)に応援を!
第2次世界大戦終了後の長い間、インドシナ半島は、そこに住む人達が好んだワケでも無いのに「戦場」にされた。
ようやく「戦火」が収まって約30年。
かつてタイのプノム首相は、インドシナ半島を「戦場」から「市場」へ変えようと呼びかけた。
ASEAN(東南アジア諸国連合)が形成されたのは、ベトナム戦争(共産主義勢力)の拡大を阻止する狙いが底流にあった。
つまり「反共国家連合」として結成されたのである。
しかし「観念的な反共(=ベトナム戦争拡大阻止)」は、当初のASEAN諸国の想定とは裏腹に、ベトナム民族の解放戦争であったし、ASEANが阻止しようとしたベトナム民主共和国の勝利に終わった。
その後、カンボジアの邪悪なポルポトの勢力がベトナム南部へ侵攻を繰り返し、それを追い払うベトナムの「自衛戦争」がカンボジア侵攻だと国際的に非難され、「そら共産主義のアジア侵略」が始まったと声高に喧伝され、ベトナムへの経済制裁は一層強化された。
これも「侵攻したベトナム軍の手」で、ポルポトが繰り広げた「人民大虐殺(ジェノサイド)」が明らかにされた事で、カンボジア情勢を巡るテーマは国際社会としても予断を許さない状況に陥り、国連の手でカンボジア和平「UNTAC」として暫定統治が成功した事で、ベトナム及びカンボジア問題もようやく解決の目処を得た。
その時に提唱されたのが「インドシナを『戦場』から『市場』に変えよう」だった。
以降、様々な議論や紆余曲折を経てASEANは拡大し、共通の市場化への取組みを経験しながら「ASEAN経済共同体」(=AEC)が合意されている。
いきなり市場統合されるワケではないが、スタートは緩やかに、しかし何時の日にか様々な困難を乗り越え克服し「統合されたASEAN市場」へ発展する事を見守りできる限りの応援をしたい。
引用開始→ ASEANの成長、日本は積極支援を 日経・FTシンポ
(日本経済新聞2015/12/17 20:46)日本経済新聞社と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は17日、都内で共同シンポジウム「ASEAN経済共同体と日本~変化を超えて」を開いた。講演では官民の専門家から、ASEAN経済共同体(AEC)の成長を後押しするため、日本が積極的な支援や事業展開を進めるべきだとの意見が相次いだ。
国際協力銀行の渡辺博史総裁は「マクロ経済・金融からみるASEAN経済共同体」をテーマに基調講演した。「東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々がまとまるための支援が日本に求められている」と指摘。域内統合を進めるため「道路や鉄道などの輸送網を広げる必要がある」と述べ、交通インフラの整備などの支援を進めるべきだと述べた。
三井物産の金森健常務執行役員は同社のASEAN地域でのエネルギー分野の積極的な事業展開を説明したうえで「最近は中国勢に市場が席巻されつつある」と危機感を示した。石炭火力施設などの入札で安値を提示しており「同じ土俵では戦わず、違う場で戦う」と強調した。
みずほ銀行の林信秀頭取は「ASEANでの日系企業の現地法人の売上高は2012年以降、中国を上回る」と指摘。同行として「経営・商品・サービスの現地化を進めるとともに、拠点や提携ネットワークを積極的に拡充する」と述べた。
アクセンチュアの程近智会長は「先進国のビジネスモデルは無駄を多くつくってきた」と述べ、AEC発足を機に「循環型の経済が構築される可能性があり、日本企業は技術提供を通じて後押しができる」と強調した。
日本経済新聞社と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が17日都内で開いたシンポジウムは、日本貿易振興機構(ジェトロ)の助川成也・企画部海外地域戦略主幹や、FTのロビン・ハーディング東京支局長らのパネル討論を終え閉幕した。2氏は「世界経済の中のAECと日本」をテーマに討論、東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)は今後、世界経済に影響を及ぼす可能性が大いにあるとの見方で一致した。
助川氏は「日本企業はすでにASEANで製造から輸出まで行って、双方に利益のある関係を構築している」と述べ、「日本とASEANは運命共同体である」と強調した。一方、「サービス産業の自由化においては、現状は進んでいない」と指摘。「改善の余地がある分、ASEANにおける日本企業の稼ぐ力はさらに伸びる」と予測した。
FTのハーディング氏は「欧米ではまだ中国やインドに注目し、ASEANは優先順位に入っていない企業が多い」と述べ、「今が日本企業にとってチャンスだ」と話した。
AECの課題についてハーディング氏は「EUと比較すると、経済力を犠牲にしたりリーダーシップを発揮したりする国がない」と指摘。「自主規制の枠組みができていないため、実効性が問われる。問題が起きたときに誰が対応するのかを取り決める必要がある」と説明した。←引用終わり
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