天皇・皇后両陛下の「フィリピン」ご訪問に改めて深い感銘を受けました
何とも両国民の心を打つご訪問であったかと。
言葉もありませんが、日米の戦争で最も多くの被害を受けたフィリピン共和国で、加害国の象徴としてフィリピンの無名戦士の墓前に献花され哀悼の意を表し頭を垂れ被害国の国民へのお詫びをなさいました。
フィリピン共和国のアキノ大統領は本当に深い教養を保つ立派な人格者です。
改めて日本とフィリピンの友情や信頼が強まり、より一層深まる事を希望致します。
引用開始→ 戦争を忘れずに次の世代へ
(日本経済新聞 社説2016/1/31付)天皇・皇后両陛下が5日間にわたるフィリピン訪問を終え、帰国された。国交正常化60周年を記念する公式行事に出席したほか、太平洋戦争の日本とフィリピン双方の戦没者らも慰霊された。元日本兵や遺族ともお会いになり、過酷な体験をねぎらわれた。
今回の訪問には2005年のサイパン、昨年のパラオと同様に「戦争という悲惨な歴史を決して忘れてはならない」という両陛下の強い思いがこめられている。その思いを私たちも共有したい。
フィリピンは先の戦争で日米両軍が陸海空で激しく戦火を交える舞台となって、日本人51万8千人に加え、フィリピン人111万人が犠牲になった。
天皇陛下は出発前のお言葉で、戦争末期にマニラでの市街戦で多くの罪なき市民が亡くなったことに触れて「私どもはこのことを常に心に置き、このたびの訪問を果たしていきたいと思っています」と述べられた。兵士のみならず、住民を無差別に巻き込む戦争の悲惨な断面に、改めて思いを致さねばならない。
訪問中、両陛下は、戦中から戦後にかけて、さまざまな苦難を重ねた日系人やその家族らとも懇談し、来し方を慰労された。戦争で多くの辛酸をなめ、現在は現地の社会に定着し、草の根で日比の友好を担っている人たちである。両陛下の平和を願うお気持ちが伝わってくる。
戦中に育った天皇陛下は、ここ数年、さまざまな場で、戦争の記憶が薄れつつあることを心配し、歴史に学ぶことの重要さを繰り返し述べられている。戦争や戦没者のことを、世代を継いで、人々に正しく伝えることの大切さにも言及されている。
戦後70年を過ぎ、戦争を体験した人々の高齢化は進み、風化は著しい。今回の両陛下のフィリピンご訪問を機に、今日の日本が、先の戦争の痛ましい犠牲のうえに築かれていることを改めて学び、次の世代へと伝える努力を惜しまぬようつとめたい。←引用終わり
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