UKに離脱されて困るのはEUで特にドイツとフランスにイタリアだろう!
まず分担金が一気に減る。
その少ない分担金で肥大化したEUの組織を維持しなければならない。
現在の財政予算を守ろうとすれば、ドイツ、フランス、イタリアが20%~30%負担増になる。
そうではなく、他の加盟国にも応分の負担を求めると、ギリシャは負担できない。
スペインも同様で、オランダも拒否するだろう。
デンマークはスェーデンと共に、それならと離脱を模索するだろう。
EUのカネを充てにしてきた東欧の加盟国は、ポーランドを始め負担増ならイヤだというだろう。
つまり殆どの加盟国がUKと先の三カ国の負担金をポケットに入れていたのだ。
分かりやすい話だ。
EUは、UKが抜けた資金を穴埋めするために、UKからの輸入品に関税をかけようとするだろうが、実際に、UKとEUの貿易実態は、相互依存が進み、それを許せる実態にはない。
実際に関税を高めると、それにより首が絞まるのはEUの側である。
ゆえに、UKとEUの経済(特に貿易と投資)は変わる事がない。
緩やかなFTA(経済連携協定)を結ぶ状態で推移する。
もぅ1点、UKはEUに加盟していても通貨は「£」であり「€」ではない。
UKがEUでありながら「€」を使用せず「£」を残した際に、多くの経済学者や大企業経営者あるいは投資家の提灯持ちを先頭に、メディアは毎日まいにち、これでUKの経済は間違いなく破綻し、それにより多くの国民は塗炭の苦しみを味合わされると主張した。
果たしてどうか?
UKの経済は堅調であり、GDPも世界で6位の座を維持している。
ロンドンを中心にした国際金融は、より一層その地位を高め不動のものとしている。
EUから若干でも距離をおき、「€」の壁をものともせず、寧ろ健全な国際金融都市としてのロンドンは「£」も安定し、多くの指摘や懸念どおりに没落する事はなかった。
この度も全く同じである。
冷静に国際経済を大局的な立場から眺めてみよ!
騒ぎ立てている自分が如何に無知でバカであるかを、よく弁知できるであろう。
引用開始→ 「英なきEU」に課題山積 経済や安保、地盤沈下
(日本経済新聞2016/6/26 0:37)【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)の三大国の一つ英国が抜ければ経済や外交・安保でEUの地盤沈下は避けられない。1993年のEU発足後で初の加盟国の離脱は欧州の結束を揺るがし、「反EU」勢力を勢いづける懸念もある。英国のいないEUは課題が山積している。
EUは「世界最大規模」の欧州単一市場を武器に、世界で存在感を示してきた。国際通貨基金(IMF)によると、物価水準を調整し、為替変動を取り除いた購買力平価ベースでみると、EUは域内総生産(GDP)が約19.2兆ドル(約1960兆円)に達する。世界最大規模だ。英国が離脱すれば約18.0兆ドルの米国に抜かれ、約19.4兆ドルの中国にも離される。
人口は約5億800万人で英国はこの約13%を占める。英国の首都ロンドンには国際金融の拠点がある。金融や会計、法律といった経済の発展を支える高度な専門家を多く抱えており、人口構成比率の見た目以上の存在感を発揮してきた。
国や経済圏の力を示すGDPや人口が減れば、EUの統一市場としての魅力は薄れる。日米やアジア諸国と進める自由貿易協定(FTA)の締結交渉にも響きそうだ。国を積極的に開いて自由貿易を重視してきた英国が抜ければ、FTA交渉の推進力は鈍りかねない。
英国の離脱でEUは予算の縮小を迫られる。EUの財政報告書によると、2014年に英国がEU予算で負担した金額は140億ユーロ(約1兆6千億円)。全体の1割強を占め、4番目に多い。英国の穴をどう埋めるのかが課題になる。加盟国に新たな拠出を求めるのは難しく、共通予算が縮小する可能性もある。域内農業への補助金や地域振興などの政策があおりを受けかねない。
安全保障にも影を落とす。英国は北大西洋条約機構(NATO)に参加する欧州各国の中で最大の部隊を拠出し、軍事面で大きな貢献をしてきた。EU離脱で大陸欧州と溝が広がる懸念もくすぶる。NATOストルテンベルグ事務総長は24日に「英国のNATOにおける地位は変わらず、主導的な役割を果たし続けるだろう」と声明を公表した。これまで通りの貢献を英国に求めた。
ロシアの軍事的圧力の高まりに懸念を高めるEU側では、英国の離脱は「ロシアのプーチン大統領の政治的立場を強める」との懸念も広がる。英国は米国と並んでロシアに強硬な姿勢をとってきた。テロの再発防止に向けたEU域内の機密情報の共有でも、情報収集・分析に強い英国の離脱は大きな痛手だ。
今回の英国の例はEUからの離脱が実際に起こることを初めて証明した。「反EU」勢力が英国への追随を掲げて勢いづく可能性が高い。「EUのエリートたちの敗北だ」。オランダの極右・自由党のウィルダース党首は英離脱に歓声をあげた。デンマークやスウェーデンでも極右政党が、EU離脱を問う国民投票を要求している。
17年は3月に欧州統合の創始メンバーのオランダが総選挙を迎える。夏から秋にかけて二大国の仏と独が大統領選と総選挙を控える。オランダでは極右政党の自由党が世論調査で支持率トップ。仏も極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首が決選投票に進むとの見方が強い。いずれもEU離脱を巡る国民投票を歓迎しており、EU離脱の動きが域内に飛び火するリスクも出てきた。←引用終わり
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