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2018/02/03

日本社会が抱え込まされた「途上国・新興国」という「非正規労働のアンダークラス」を考える

「新・日本の階級社会」橋本健二 著
この本(講談社現代新書)で、著者は、
平成24年度の就業構造基本調査を用い、


① 資本家階級(生産手段の所有者で事業構想力を保持)
   4・1% で 254・4万人 <資本家・経営者・役員など>

内訳:女性 23・6%
従業者29人以下 73・8% *30~299人 21・6% *300人以上 4・0% 官公 0・6% 
平均個人所得604万円/従業者30人以上平均個人所得861万円 労働時間45・1h
世帯所得1060万円/従業者30人以上平均世帯所得1244万円 ★貧困率4・2%
資産:総額4863万円/金融資産2312万円



② 新中間階級(生産手段を保持せず①の構想を補助管理監督)
  20・6% で 1285・5万人 <被雇用の管理職・専門職・上級職など>
内訳:女性 32・6%
従業者29人以下 16・1% *30~299人 30・2% *300人以上 38・2% 官公 20・6%
平均個人所得499万円 世帯所得798万円 労働時間43・4 h ★貧困率2・6%
資産:総額2358万円/金融946万円


③ 正規労働者階級(生産手段を保持せず対価を得て労働力を提供)
  62・5% で 3905・9万人 <被雇用の単純事務職・販売職・サービス職・その他マニュアル労働者など>
  その内訳を
  正規労働者 35・1% 2392・5万人
  パート主婦 12・6% 784・8万人
内訳:女性 33・7%
従業者29人以下 28・9% *30~299人 30・1% *300人以上 35・0% 官公 6・0%
平均個人所得 370万円 世帯所得 630万円 労働時間 44・5 h ★貧困率7・0%
資産:総額1428万円/金融572万円


④ 旧中間階級(自営業小規模生産手段と構想力を持ち自らが労働力)
  12・9% で 806・0万人
内訳:女性33・8%
従業者29人以下が100%
平均個人所得303万円 世帯所得 587万円 労働時間40・6 h ★貧困率17・2%
資産:総合2917万円/金融1113万円


⑤ アンダークラス(非正規雇用で対価を得て労働力を提供)
  14・9% で928・7万人 <パート・アルバイト・派遣社員など>
内訳:女性43・3%
*パート 12・6% 785万人
従業者29人以下 33・2% *30~299人 26・8% *300人以上 37・2% 官公2・7%
平均個人所得186万円 世帯所得343万円 労働時間 36・3 h ★貧困率38・7%
資産:1119万円/金融536万円


生産年齢人口生産従事合計 100・0% 6251・8万人
  と、区分整理している。


1970年代は「中間階級」も、②より④が多く、②は相対的に少数であった。
1980年代まで、②の新と④の旧「中間階級」が膨らむが、1990年代以降は社会経済の構造変化に伴い④の旧「中間階級」の淘汰が進み、逆に②の新「中間階級」が増加した。
2000年代以降は、非正規労働が増加傾向にあり賃金抑制の対象になる傾向が強いと指摘している。


詳細については、著書を読まれる事をお奨めします。
⑤ が大量化する傾向にある理由は、下支えする労働分野の生産性が限定されているため、グローバル化した経済の下では国際的な「労働生産力」に見合う「労働賃金」の均質化が求められるため「日本国内で日本が抱え込まされた『途上国・新興国』である」とも言えます。


産業の再構築を成し得なければ、いずれの先進国も抱え込まされた共通問題の「解決」は難しいでしょう。

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