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2018/05/22

就職市場で「金の卵」の変遷を眺め 現在時点のワーカーを考える:

産業構造の変化に合わせ、求める人材のシフトは進み、1960年代前半は中卒者、70年代前半には高卒者、80年代は短大・専門学校卒者、90年代は大卒者へと変化し停滞の30年、生産性は一向に向上せず。


「金の卵」は「金」を生むから「金の卵」なので、「灰燼」に変わるなら「灰燼卵」だろう。
安価な労働力で「金」を生むなら最高というワケだ。
従って、今も昔も「金の卵」を見つけようと、様々な人が「血眼」になって手を尽くすのだ。
「金の卵」と思い信じたのが「鍍金」だと分かる時のショックは大きいだろうが・・・・・


第2次産業としての「生産現場」というか「モノ造り」から、第3次産業の分野で「ネタ作り」へシフトし変化している。
すると当然の事ながら「第3次産業」を軸に「ワーカー」争奪の場へ転じたというべきか。


日本は第1次産業(特に農業分野)から、第2次産業(大都市域の工業地域)へ労働移動(特に1960年以降)させ、人手不足を解消させました。
同時に大都市域へ労働力移動させた事で、大都市域の小規模なサービス業も人手不足に陥り、その労働力をローカル域から移転させ吸収(映画 " 2丁目の夕陽 " で描かれた)したのです。
やがて工業生産と周辺のサービス提供業から、第3次産業(特に流通商業分野)へも急激に労働力移動が求められるようになりました。
この頃まで、日本の分野別労働力分布は十分に予定調和が機能し、辛うじて均衡を保ち、生産性も保もたれていました。

ところが、1980年代の半ばに達すると、日本経済は構造転換を余儀なくされたにも関わらず、適正に対処する事も、基本的な改革もせず「勢いに乗り野放図」を放置し享楽的な日々を過ごし大ケガをしたわけです。


目標もなく、第1次産業(特に農業)は、後継者を欠き高齢化を進め、耕作放棄地の増大なども加わり破滅的な局面を迎えました。


一方で、生産工業もこの時期以降に、新興国や途上国の登場で競争力を次第に減退させ始め、適切で有効な対応を欠き、海外生産拠点の拡充と共に失業を生み、途方に暮れ凡そ30年の歳月を基本的には過ごし続けていると言えます。


大都市域では、大胆な「国内労働力の棄民(労働力のリストラ)」が繰り返され、国際市場で競うために求められる価格やサービスを「生産」する必要なワーカーは外国人労働力に依拠しないと維持できない状況に陥っているのです。


その反面で、大量の大卒若年者に定職を与えなければならず、労働市場では国際競争力の維持という面と求められるスキルの高度化に対し、求職者は玉石混淆で、その差異を含め難しい評価と判断、また対応を求められる綱渡り状態が続いています。


間もなくフライングではなく、社会通念上で要請される「就職内定通知」を発する時期に至ろうとしています。


「人材の質」が市場での国際競争力を左右します。
「企業の競争力」や「企業の質」を決めるのは人材です。
「人材は採用(時点)にあり」と、よく言われます。


多くの日本人は、目に見える範囲の競争事業者しか考えないようですが、
現代社会の競争は「その標的市場が『国内』にあっても『世界で競う、世界と競う』が重要な条件」なのです。
国境を超えた先の「オフショア市場」は実際に見えませんが、見えない相手と全ての事業者は競争し戦っているのです。


例えば「海外生産拠点」と監督・管理人材を考えても、自分達が「提供」しようと考える「スペック」や「設計」を十分に満たす技術を持つ国の工場があれば、そこへ委ねると良い。
別に「提供すべき質」を生産できるなら、わざわざ監督・管理の人材を送る必要もない。
日本国内と同じと考えればよく、市場ではポピュラーなボリューム品(1~2年の消耗品)は「質」と「価格」が一致していれば、日本製でないとダメだという人もいるかも知れないが、極めて少数だろうと思われる。
「質」が維持生産されるなら「国内生産」も「オフショア生産」も線引きの必要も全くない。


従って、人材面(ヒューマン・リソース)で有利な条件の就業先を求めるなら、人材としても「グローバル・アビリティ」「グローバル・スキル」を求められます。


既に「作業者」としての「ワーカー」は、固有な一部の業種や職種以外は、できるだけ「ロボット化」を進め、それで対応できない分野は日本人に頼らず「外国人労働力」を導入しています。


近年の大卒若年者の就業時採用は、保持するアビリティや基本スキルと、求めるスキルの相違が就業後に露呈するためミスマッチを生むとも言われています。
やがて「構想力」を創出する能力を持つ人材を如何に多く確保する(できる)かに人事担当者の慧眼がかかるとも言えます。

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