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2020/12/07

「米国社会」の分断・分裂ほど酷くはないが「日本の社会」も着実に後追いしSNSはヒステリーを増殖し、根も葉もないウワサに振り回され憎悪は拡大へ

2020年の米国大統領選挙:
米国社会の分断が、ここまで明らかになった事に驚きがあります。
2016年は、萌芽的、端緒的に表れていましたが、冷静に流れを見守る事ができました。
この度は、ハラハラドキドキの連続で、その醜さたるや尋常ではなく、最早「修復」には、相当の歳月を必要とするでしょう。


多様な原因に対処する事なく、対立を巧妙に煽り続ける同じ手法を採用したのが、安倍晋三であり、大阪では橋下 徹だ。


今日に至る「米国社会」の混乱は、一時的に「社会支配」を得た人物達の「短視眼的」「刹那的対処」の結果に過ぎないのですが、それは一貫性を欠く、その時々の米国社会が撒き散らした「ヒステリー」の結果なのです。


例えば、棉花栽培での「利益」を得るためにアフリカ大陸諸国に奴隷貿易を行い、導入した結果(ツケ)を払わされているに過ぎません。
国内での「銃」規制に伴う議論の根底にあるのは、西部開拓時代や金鉱を求め先住民のアメリカインディアン(モンゴロイド)の土地を奪い、隷属させる過程で仕返しを懼れ個々人が武装した結果に過ぎません。


また「ラストベルト」と呼ばれる「中西部の工業地域」では、世界に向けて旗を振り米国が推進した「グローバリゼーション」の結果、中国を初めとする当時の途上国へ海外直接投資を行い、労働力を切り捨て「米国的利益」を追究した結果に過ぎず、黒人労働者は勿論、白人労働者や中間層をも直撃し、多大な失業者と社会不安を招た結果です。


根源的な対策を採らず、他国へ責任を転嫁する事で、その場を取り繕ってきましたが、根源の解決が為されないため、巨大な社会不安を呼び、この10年を超える間にも「サブプライムローン」問題に端を発した「リーマンブラザーズ」の金融破綻を引き起こし、全世界の市場経済を大混乱させたまま平気です。


更に遡れば「国際基準会計」を、各国は導入(原則的にはヨイ事)せよなどと、口を極めて他国を叩きますが、その端緒は「エンロン社」の不正会計の積み上げに依る事業破綻が原因です。


その時、米国は「コンプライアンス経営」の徹底を、他国に呼びかけ強要しました。先ず「襟」を正し範を示すべきは「米国」なのですが。
その他、クライスラーを再建してみせると大見得を切った、
「アイアコッカ」は、巨額の報酬を受け取るだけで再建など叶う事なく、結果はイタリアの「FIAT」に買い叩かれてしまいました。


また「GE」を率いたジャック・ウェルチは、大口を叩く大男でしたが、これも「GE」を再建してみせると大言壮語しながら、優良部門を売り捌き、赤字部門は叩き売り、結局のところ「GE」は競争力を喪っただけですが、世界を相手に大言壮語するヒステリーが表れる度に、米国社会は熱狂するのです。


2008年の大統領選挙で、黒人種のバラク・オバマを選出した時に、多くの米国人(白人種)は、打ちのめされたのだろうと思います。
そこまでの過程で、米国社会を修復しなかった事が、今日まで拡大し続ける「白人種」の、米国を造ったのは自分達であり、自分達こそ「米国」の主人で支配者なのだとする強い意識が、分断分裂の始まりだろうと。


これまでは、3大ネットワークと、いくつかの新聞メディアが「情報」の担い手でしたが、SNSの発展形成により、誰もが自由に意見を述べ合う手段を得て以降、少しの違いが大きな違いになり傷口を拡げ、明確に分断が見えるようになり、分裂を予期する懸念も目に付くようになりました。


それが、2020年の大統領選挙で如実に明らかになりました。
記事では「トランピズム」と指摘しています。


引用開始→【地球コラム】「絆」失った分断国家アメリカ
(時事通信 2020年12月5日)

トランピズムは持続か

 米大統領選で民主党のジョー・バイデンが勝利した。共和党現職のドナルド・トランプは敗北を認めず、法廷闘争を続ける構えのため確定にはなお時間がかかるとみられる。連邦議会上院での議席過半数争いの決着も1月に先延ばしとなる。だが、11月3日の投票日以降の混乱を経て明らかになったのは、「“真の勝者”はトランピズム(Trumpism)である」ということだろう。トランプ陣営が法廷闘争で敗北したとしても、「トランプという稀有(けう)な政治家が体現した政治スタイル・イデオロギー」としてのトランピズムが、「トランプ政権」という一過性のものではなく、「分断国家」となったアメリカの一方の政治・文化勢力として、今後長年にわたり生命力を維持していくとの予言的な選挙結果だったのではなかろうか。(在米ジャーナリスト 佐藤成文)

◇ ◇ ◇

 そんな未来を描いてみせたのが、今年9月発売の、中道右派の論客・ジャーナリスト、デービッド・フレンチの手による「分断すれば崩壊へ:アメリカでの分離独立の脅威、そして単一国家修復の方策」(Divided We Fall:America's Secession Threat and How to Restore Our Nation)だ。タイトルは欧米でしばしば使われる、「United We Stand Divided We Fall」(団結すれば立ち、分裂すれば倒れる)という団結の重要性を強調した表現の一部で、古代ギリシャの寓話(ぐうわ)作家アイソーポス(イソップ)に由来する。アメリカでは建国以来、しばしば引用される有名なフレーズだ。

 「さまざまな衆人が団結した国家としてのアメリカ」(United States of America)は多様性を尊重する国家だったが、近年、共通の「絆」を失い、政治イデオロギーや社会・文化規範、宗教・信仰で結束する「スーパー・クラスター」(Super Cluster)が全米各地で形成されているとフレンチは指摘。究極的には、その独自性を維持するために合衆国から州単位で分離独立する動き、例えば「Calexit」(カリフォルニア州離脱)や「Texit」(テキサス州離脱)が具体化する懸念さえ示している。それを回避するために、地域別の特性に基づいた自治統治(self-governance)およびコミュニティーの自律性(community autonomy)を通じた寛容精神を優先させる合衆国憲法の「連邦主義」への回帰を主張する話題作である。

「コートテイル」なかった民主党

 バイデン陣営は表向き、接戦を予想する煙幕を張っていたが、本音では「圧倒」を望んでいたことは間違いない。大部分の全米規模の世論調査支持率でコンスタントに10ポイント近くのリードを記録していたことから、その人気を当てにした「コートテイル現象」(Coattails)により、連邦下院選で過半数の上乗せ、同上院選で過半数奪回を期待していた。たとえトランプ陣営が開票結果に疑惑ありとして法廷闘争に持ち込むとしても、激戦州のフロリダ州やウィスコンシン州などで圧勝し、長年にわたり共和党の牙城であるジョージア州やテキサス州で歴史的な民主党の「大勝」を実現すれば、トランプ陣営のもくろみを封じることができると読んでいたようだ。しかし実際には、バイデン陣営は開票早々にフロリダ州で敗北、テキサス州も高いハードルだったことが判明し、予想外の“持久戦”を強いられる展開となった。

 “トランプ応援団”の一角を占めるウォール・ストリート・ジャーナル紙は、開票翌日の4日付紙面で「(民主党の)地滑り勝利なんて言っていたけど…」(So Much for the Landslide)との見出しで、世論調査業界を揶揄(やゆ)する社説を掲載した。「予想外のドナルド・トランプ支持票急増が、再び世論調査機関を当惑させている」として、前回2016年大統領選の二の舞を演じたと指摘した。民主党は「ブルー・ウェーブ」となる上下両院選でのダブル勝利を期待していたものの、下院で辛うじて過半数を確保するにとどまっている。上院は共和党が過半数を維持する可能性があり、依然流動的だ。このため同紙は共和党現職上院議員の健闘を特記した。

 また同紙は5日付紙面で、第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ(子)政権で大統領補佐官や戦略担当上級顧問を務めたカール・ローブのコラム「バイデンには今回の選挙でコートテイルはなかった」(Biden Had No Election Coattails」を掲載した。その中でローブは「(9月初めの)レーバーデー祝日以降実施された80を超えるニュースメディアによる世論調査ではトランプ勝利を予想したケースはゼロだった」とメディアの偏向を指摘。さらに、「トランプは自分の年齢の半分の男性に匹敵するエネルギーで全米各地を遊説した」と、バイデンの控えめな遊説スタイルと比較し、接戦に持ち込んだと指摘した。ケビン・マッカーシー共和党下院院内総務が主導した周到な候補人選と精力的な政治献金集めの効果や、同党の黒人・ラティーノ候補が何人か番狂わせで当選したことなどを挙げて、バイデン人気にあやかった民主党側の「コートテイル現象」はなかったと結論付けた。

 このような「トランプ善戦」の背景を探るヒントとなるのが、11月5日付ロサンゼルス・タイムズ紙の「一枚岩的な(党派)色付けに抗したラティーノ」(Latinos resist monolith tag)、「共和党、(カリフォルニア州)オレンジ郡で回帰の動き」や、同6日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙「ラティーノ有権者、トランプ寄りの投票に動く」(Latino Voters Move Toward Trump)といった記事だ。いずれも、前回2016年の大統領選に比べてトランプ支持のラティーノ票が増加しているとのAP通信やフォックス・ニュースなどの出口調査を基にした報道である。激戦州とみられたフロリダ州でのトランプ楽勝や、共和党の牙城ながらバイデンに猛追されたテキサス州でトランプが余裕を持って勝利した背景にも触れている。さらに「オレンジ郡で回帰の動き」も、2018年中間選挙の七つの下院選挙区で全敗を喫した共和党が2議席を奪回したことに関する報道だ。

 ニューヨーク・タイムズ紙の保守系コラムニスト、デービッド・ブルックスも同6日付紙面で「有権者が言おうとしていること」(What Voters Are Trying To Tell Us)という見出しで、共和党が下院で少なくとも6議席増となったことを強調。「多人種労働者階級の政党という新たな共和党の未来のイメージが生まれた」と記し、ラティーノ、アフリカ系アメリカ人、イスラム教徒の間での支持が驚くほど増えていると指摘した。

負の遺産は気候変動対応

 アメリカでは、新聞などのメディアが連邦・地方レベルでの首長、議員といった公職ポスト選挙、あるいはさまざまな争点に関する住民投票について、どの候補あるいは投票提案への支持・不支持を表明する慣習がある。「endorsement」(支持・支援)と呼ばれ、投票日を控えた適当な時点で、各紙誌が社説を通じて明らかにする。今回の大統領選挙では、前回2016年の場合と同様に、アメリカの正統(legitemate)な日刊新聞の間でトランプ支持はごくわずかで、バイデン支持が圧倒的に多かった。ネット百科事典ウィキペディア(英語版)の集計では、トランプ支持はニューヨーク・ポスト、ワシントン・タイムズ、ボストン・ヘラルドなど10紙少々で、バイデン支持は100紙を超えており、前回トランプ対ヒラリー・クリントンの選挙時とほぼ同じパターンで、民主党候補支持が圧倒的だった(ちなみにウォール・ストリート・ジャーナルやUSAトゥデーなど一部紙は支持・不支持を明らかにしていない)。

 アメリカの正統な新聞では、論説・社説を担当する論説室と、党派性を排除する報道編集部門の間には、それぞれの独立性を維持するために「Chinese Wall」と呼ばれる「見えない壁」が設けられ、相互に介入することを防ぎ、社説が必ずしもその新聞全体の価値観を反映するものではない。しかし「類は友を呼ぶ」との格言に沿って、保守的な社説を掲げる新聞には保守傾向の記者が多く、リベラルな社説が目立つ新聞には、それにくみするような記者が集まる傾向は否定できないのが現実だ。したがって、そのendorsementからして、大部分の新聞はアンチ・トランプだということになる。中でも社説や論評欄(OP-ED)での論調からすると、ニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズ、ワシントン・ポストなどが反トランプの急先鋒(せんぽう)となるわけだ。

 そのロサンゼルス・タイムズ論説委員長を経て現在同紙コラムニストのニコラス・ゴールドバーグ記者が、11月5日付紙面に反トランプの立場から、意外な展開に当惑を表明していた。「何千万人という有権者が、彼(トランプ)がいかなる人物であり、どのような政策をとってきたのかを知りながら、再度票を投じたのにはあぜんとさせられる」として、「トランプが負けるとしても、勝利したのだ」(Even if he loses Trump has won)との見出しの下に、トランプ敗北確定でも、トランピズムが今後何年にもわたりアメリカの政治で一定の役割を果たすと強調した。ゴールドバーグは、トランピズムの負の遺産として「最も憎むべき犯罪は気候変動への対応」だとし、単にこれを無視し、手をこまねいていただけでなく、大気汚染の元凶である石炭産業の振興に乗り出し、排ガス規制を緩和、さらには専門家である科学者の軽視などで、将来にわたる禍根を残したとして「気候変動に関する科学を拒否したのは人道に対する罪だ」と糾弾した。

「Calexit」「Texit」を回避するには

 トランピズムに加え、リベラル急進派の台頭という新しい政治風土の下でのアメリカ分断悪化を警告するのがフレンチの新著「分断すれば崩壊へ」である。アメリカが政治的に歴史上前例のない変化を遂げている状況を、その多様性をつなげてきた一連の文化面での基準・試金石(touchstone)が、過去40年の政治的な対立激化や最近のネット文化の結果、現在は失われつつある事実を重視した見方だ。1980年代までは、職場でも家庭でも、映画やスポーツ、書籍、3大テレビ網(ABC、CBS、NBC)によるゴールデンアワーでのニュース番組といった共通の話題がアメリカ人の間での絆として存在し、会話が可能であった。それが現在は、対話さえ進まないという分断社会へと変貌しているとし、その一例として、新型コロナウイルスという疫病拡大に直面し、国民が一丸となって対応すべきであるにもかかわらず、マクス着用の是非でさえ政治的対立を生んでいる現状を憂慮している。このまま放置すると、銃規制をめぐりカリフォルニア州が連邦から離脱(Calexit)、人工妊娠中絶禁止でテキサス州が離脱(Texit)するといった事態に発展する可能性があると指摘した。

 その解決策として、フレンチはアメリカ本来の地域的な特色を重視した国家への変身を提案している。その前提として(1)合衆国憲法で最小限保障されている基本的人権を列挙した権利章典の無比性尊重(2)単一統一国家としてのアメリカに固執せず、それぞれの地域にふさわしい政治風土の受容―の2点を挙げている。例えば、国論を二分する政治論争である人工妊娠中絶問題も、テキサス州法による中絶禁止が違憲で無効とする1973年の連邦最高裁判決(ロー対ウェイド事件)が、保守派の言い分を認めて覆ったとしても、それで中絶がアメリカ全土で禁止となるわけではなく、合法とされる州に移れば問題ないわけで、無用に対立を激化させる必要がなくなるとしている。

 それぞれの州の独立性を一段と強調することで、国内対立の分散を図り、アメリカ分断の流れを逆転させるのがフレンチの提案の狙いだ。しかし概論では納得できる部分があるものの、各論となるとあいまいな点が多く、10月15日付シカゴ・トリビューン系各紙共通社説が「この種の書籍の通例で、処方箋よりも診断・分析に説得力がある」と指摘するように、「アメリカが毎月のように歴然として崩壊への歩みを続けているように見える現時点では、『分断すれば崩壊へ』は真摯(しんし)に注目する価値がある」という憂国の書だ。(敬称略)(2020年12月4日配信)

◇ ◇ ◇

佐藤 成文(さとう・しげぶみ) 在米ジャーナリスト。1940年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。時事通信社入社、編集局外信部勤務と海外勤務を繰り返し、サイゴン(現ホーチミン市)、カイロ、ベイルート、ワシントン(2回)、ニューヨーク、ロサンゼルスなどを経て退社。現在までロサンゼルス在住。←引用終わり

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