水島新司さんのご逝去を悼み、慎んでお悔やみを申し上げます
引用開始→「ドカベン」「あぶさん」の水島新司さん死去、82歳…「スポ根」に代わる野球漫画を確立 (讀賣新聞 2022/01/17 11:45)「ドカベン」「あぶさん」などで知られる野球漫画の第一人者、水島新司(みずしま・しんじ)さんが10日、肺炎のため、東京都内の病院で死去した。82歳だった。告別式は家族で済ませた。喪主は妻、 修子しゅうこ さん。
新潟市出身。1958年、18歳で大阪の貸本漫画の出版社からデビュー。70年から始めた「男どアホウ甲子園」(小学館漫画賞)で人気に。気は優しくて強肩強打の山田太郎を中心とする個性的な選手らが高校野球やプロ野球を席巻する「ドカベン」、酒豪の強打者・景浦安武が活躍する「あぶさん」、女性投手が登場する「野球狂の 詩うた 」(講談社出版文化賞)などをヒットさせた。それまでの「スポ根」に代わり、個性的な人物が登場する朗らかな野球漫画を確立した。
2007年、日本漫画家協会文部科学大臣賞。14年、旭日小綬章。20年12月に漫画家生活からの引退を表明した。←引用終わり
引用開始→ リアルな野球漫画、ノムさんもうならせた…評伝・水島新司さん死去 (讀賣新聞 2022/01/18 07:23)水島新司さんの登場まで、野球漫画の代表格は「巨人の星」(原作・梶原一騎、作画・川崎のぼる)だった。この作品に限らず、1970年代初めまで、野球漫画の中心は“魔球”だった。
これに「ウソの世界。野球にくわしい人が見るとついていけない」と反発したことが、リアルな野球漫画一筋に邁進(まいしん)するきっかけになったという。取材や知識を駆使してチームワークの妙や高度な心理戦を試合運びに持ち込み、野球のみならず、スポーツ漫画ジャンルに革命を起こした功績は大きい。
現実のプロ球界に与えた影響も計り知れない。「あぶさん」で、景浦安武は野村克也監督の南海ホークス(当時)に入団し、パ・リーグの存在感を高めた。「野球狂の詩」では、当時のプロ野球協約で認められていなかった女性プロ投手・水原勇気をマウンドに立たせた。後に協約は改正され、2008年、独立リーグに女性プロ選手が誕生した。水島さんが創造した名キャラクターたちには現実を変えるほどの力があった。
いつも明るく、前向きで、健康的な画風だった。貸本時代に「劇画」に影響を受けた線は70年代に洗練され、投打の躍動感を生き生きと描き出した。野村監督をして「プロのスイングが描けるようになった」と言わしめたことは、水島さんの勲章だっただろう。(編集委員 石田汗太)←引用終わり
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