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2022/03/09

戦争は実に醜い行為で、それに至るのは妄想が幻想をよび幻覚に至り、狂気が発動され「破壊し尽くし、奪い尽くし」何れかが倒れるまで止むことはない

「プーチンのロシア」が描く夢と、
それを成し遂げるための要求に西欧諸国が易々と妥協し応じられるワケなどナイ。
その綱引きを「ウクライナ」を巡る扱いで議論対立を深めている間に、プーチンのロシアは苛立ち「ウクライナ」への威嚇に出た。


それを観て、周辺の各国は一斉に批判し、ウクライナへの侵攻を予測し身構えプーチンのロシアへの非難を重ねた。
プーチンのロシアは、1991年以前の姿である「ソ連邦」と衛星国家群として「東欧諸国」を、ロシアに隷属させる事(それをロシアの安全な生存権の保障と要求)だ。


WWⅡが終戦する過程で火事場泥棒のように、傀儡政権を打ち立てられ、隷属を強いられた「東欧諸国」は、絶対に呑めない生存に懸かる重大事だ。
プーチンのロシアは、最初はウクライナ東部2州のロシア人居住区を独立させ、新たな国境線を引く事を最低の条件に掲げていた。
しかしながら「ウクライナ」を巡る、欧州各国の反応と支援を突きつけられ、やはり「ウクライナ」の解体と占領隷属以外には、ロシアの安全が保てないと、当初に思考した「ウクライナ国家」の解体と組み替えを進める方法へ転化した。


この姿勢が明確に示された事で、威嚇を超え「欧州各国+米国」とは全面的な対立になった。
この時点で「外交による決着」などは考慮の対象ですらあり得ない。


フランコの独裁を巡り人民戦線と武力衝突し、各国からの義勇兵や軍事支援を重ねた結果、激しい内戦として「スペイン全土が戦場」になった「スペイン内戦」と同様の構図に発展しつつある。
国際的な優劣が明らかになるまで、当面は「外交による決着」は無理で、無意味で無慈悲な殺戮戦と徹底した破壊戦が続く事になる。


引用開始→【解説】 プーチン氏はなぜウクライナに侵攻したのか、何を求めているのか
(2022年2月23日 更新 2022年3月3日 ポール・カービー、BBCニュース)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこの数カ月もの間、ウクライナを攻撃して侵攻するつもりはないと繰り返していた。しかし21日にはついに、停戦協定を破棄し、ウクライナ東部で親ロシア派の武装分離勢力が実効支配してきた2つの地域について、独立を自称してきた「共和国」を承認した。そして24日、ロシアは陸海空からウクライナ侵攻を一斉に開始した。

人口4400万人の欧州の民主国家に対して、ロシアは陸海空から壊滅的な攻撃を仕掛けている。ロシア軍は各地で都市の中心部を爆撃し、首都キーウ(キエフ)に迫っている。難民の大脱出が続いている。

死者の数は増え続けている。プーチン氏は今や、欧州の平和を打ち砕いたと非難されている。この次に何が起きるのか。それは欧州全体の安全保障体制を脅かすものになりかねない。

ロシア軍はどこへ、それはなぜ
2月24日の夜明け前、プーチン大統領はロシアが「安心して発展し存在」することができないと主張した。今のウクライナが常にロシアにとって脅威だからだと。

たちまちウクライナ各地の空港や軍本部が攻撃され、続いて戦車や部隊が侵攻した。ロシアから。ロシアが併合したクリミアから。そしてロシアの同盟国ベラルーシから

ロシアはこの攻撃を「戦争」とも「侵攻」とも呼ぼうとしない。大統領による正当化の理屈は、ほとんどが事実と異なるか、非合理だった。

自分の目的は、威圧され民族虐殺に遭っている人たちを守るためだとしたほか、ウクライナの「非軍事化と非ナチス化」を実現するのだと述べた。ウクライナで民族虐殺は起きていない。ウクライナは活発な民主国家で、大統領はユダヤ系だ。「いったいどうやったら私がナチスだというのか」と、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は反発した。逆にゼレンスキー氏の方が、ロシアによる侵攻は第2次世界大戦のナチス・ドイツによる侵略に匹敵すると批判した。

ウクライナのユダヤ教最高指導者も、ポーランドの国立アウシュビッツ=ビルケナウ博物館も、プーチン大統領による中傷を拒絶した。

ウクライナでは2014年に親ロシア派のヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領が、数カ月続く国内の反対運動の末、失脚した。これ以降、プーチン氏はこれまでも頻繁に、ウクライナは過激派にのっとられたと非難していた。ヤヌコヴィッチ氏失脚を機に、ロシアはクリミア半島を併合した。さらに、ウクライナ東部の反政府分離運動を引き起こし、分離派を後押しした。この分離派とウクライナ国軍の戦いでは、すでに1万4000人が死亡している。

プーチン氏は2021年後半には、ウクライナ国境周辺にロシア軍部隊を大々的に集結させた。そして21日にはウクライナ東部をめぐる2015年の和平協定を破棄し、分離派が一方的に「共和国」を名乗った地域の独立を承認した。

ロシアは以前から、ウクライナが欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に入ろうとする動きに反発してきた。24日に侵攻開始を宣言したプーチン氏は、NATOが「我々の民族としての歴史的未来」を脅かしていると非難した。

ロシアはどこまでやるのか
ロシアがウクライナの大都市を制圧し、ウクライナで民主的に選ばれた政府を倒すつもりなのは今や明らかだ。ウクライナは抑圧から解放され、「ナチスから浄化されるべき」だとしている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、自分が「標的その1、私の家族が標的その2」だと警告されたことを明らかにした。

「ウクライナは2014年にファシストに制圧された」という、事実と異なる理屈は、ロシアの政府系テレビが繰り返し展開しているものだ。プーチン氏は「民間人に対する流血の犯罪を繰り返した」者たちを法廷で裁くつもりだと言及している。

プーチン氏が長期的にウクライナをどうするつもりかは不明だ。ウクライナを占領するつもりはないとしている。

今年1月にイギリス政府は、ロシアが傀儡政権をウクライナに樹立するつもりだと非難。プーチン氏は当時これを、あり得ない話だと一蹴した。未確認の英情報部報告は、ロシアがウクライナを2分しようとしているとしていた。

ロシアに激しく反発するウクライナ国民は徹底抗戦を続けている。しかし、目的実現には住宅地さえ爆撃する用意があると、プーチン氏は示してきた。

バルト三国への喫緊の脅威はないものの、北大西洋条約機構(NATO)は同地域の守りを強化している。

侵攻開始の数日前、ウクライナ国境の近くに最大20万人規模の兵を集めていた時、プーチン氏は東部に意識を集中させていた。

ロシアが操るルハンスクとドネツクの「人民共和国」の独立を認めることで、プーチン氏はすでに両地域はウクライナの一部ではないと決定していた。続いて、両「共和国」がさらにウクライナ領土を獲得する権利があるという主張も、支持してみせた。

自称「共和国」の面積は、ルハンスクとドネツク地方全土の約3割強を占めるが、分離派勢力は両地域のすべてを獲得しようとしている。

欧州にとってどれほど危険な事態なのか
恐ろしい事態だ。ウクライナ各地では連日、都市に爆弾が降り注ぎ、市民は冷戦時代の防空壕に急いでいる。

ドイツのオラフ・ショルツ首相が「プーチンの戦争」と呼ぶこの侵攻によって、兵士か民間人かを問わず、すでに数千人が犠牲になっている。

数十万人がウクライナを脱出し、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、モルドヴァ、スロヴァキアなどに流入している。欧州連合(EU)は、700万人以上が家を追われる恐れがあると指摘する。

プーチン氏は、もし西側が自分の邪魔をするなら「歴史上見たこともないような結果」に見舞われると警告。その数日後には、ロシア軍の核抑止部隊に「特別警戒」を命令してみせた。

これは欧州全体にとって恐ろしい光景だ。欧州の主要国が隣国を侵略するなど、もう数十年なかったことだ。冷戦時代を念頭に、ゼレンスキー大統領はウクライナが、新しい鉄のカーテンに後ろに引きずり込まれるのを避けようとしているのだと述べた。そして、ロシアは鉄のカーテンを再び閉めて、自分たちを文明世界から切り離そうとしているのだと。

1940年代以降、欧州諸国の首脳たちがこれほど暗く厳しい思いをしたことは、めったになかった。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、欧州の歴史にとって転換点だと述べた。ショルツ独首相は、「プーチンが目指しているのは、ロシア帝国だ」と警告した。

ロシアとウクライナ両国では軍関係者の家族が、これから不安な日々を送ることになる。ウクライナはすでに8年間、ロシアの傀儡(かいらい)相手に厳しい戦闘を続けてきた。ウクライナ軍は18~60歳の予備役を全員招集した。

ロシアとウクライナに国境を接する他の国々にも、この侵攻の波及効果が及ぶ。国連は最大500万人の難民が発生する可能性があるとしている。ポーランド、モルドヴァ、ルーマニア、スロヴァキア、ハンガリーは避難民の大量流入に備えているという。

ロシア国民も決して、この戦争に対する備えをしていなかった。侵攻作戦を異論なしで承認したのは、国民をほとんど代表しない上院だった。

ロシアでは戦争に抗議して大規模なデモが各地で続き、数千人が拘束されている。プーチン政権に対抗する主な野党指導者はすでに、刑務所に入れられている。

西側には何ができるのか
NATOは戦闘機を警戒態勢においているが、NATOはウクライナそのものに戦闘部隊を派遣する予定はないと、態度を明示している。代わりに、軍事顧問や武器や野戦病院を提供してきた。

そして EUは成立以来初めて、武器や装備を域外に供与すると決めた。

北大西洋条約機構(NATO)はバルト三国とポーランドに兵数千人規模の部隊を配備したしたほか、さらに大規模な即応部隊を初めて動員した。配備先をNATOは明らかにしていないが、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、スロヴァキアに派遣される可能性もある。

同時に西側は、ロシアの経済と産業、特定の個人を標的にしている。

EU、アメリカ、イギリス、日本、カナダは、ロシアの主な銀行を、迅速な国際決済を可能にするネットワーク「SWIFT」から排除すると決めた。SWIFTとは、国際銀行間の送金や決済に利用される安全なネットワーク等を提供する非営利法人「国際銀行間通信協会(SWIFT、本部・ベルギー)」。国境を越えた速やかな決済や送金、資金の支払いなどを可能にする。

EU、イギリス、アメリカ、カナダは、ロシア機の領空飛行を禁止した。

アメリカ、EU、イギリスはプーチン大統領とセルゲイ・ラヴロフ外相に資産凍結や渡航禁止などの制裁を科した。EUは、ロシア議会の議員351人に制裁を科した。

ドイツ政府は22日、ロシアからの天然ガス輸送パイプライン、ノルドストリーム2のプロジェクト承認停止を明らかにした。パイプラインはロシアと欧州諸国による大規模な投資事業だ。

EUは、ロシア政府の広報機関とされるロシアの国営メディア、スプートニクとロシア・トゥデイのEU域内での活動を禁止した。
欧州サッカー連盟(UEFA)は、5月28日に予定されているチャンピオンズリーグ(CL)決勝の会場を、サンクトペテルブルクからパリに変更した。

自動車レースのF1世界選手権主催団体は、今年の9月23〜25日に黒海沿岸のソチで予定されていたロシアGPを行わないことを決めた。

プーチン氏の目的は
ロシアはNATOとの関係再構築を求め、今が「真実の時」だとして、特に3つの要求を強調してきた。

第一に、NATOがこれ以上拡大しないという法的拘束力のある確約を、ロシアは求めている。

プーチン氏は、侵攻開始は、NATOの東方拡大のせいでもあると述べた。ロシアは「もうこれ以上どこにも後退できない。我々がただ手をこまねいているだけで済むとでも、(西側は)考えているのか」と話していた。

ウクライナはNATO加盟の明確な行程表を求めていた。一方で、セルゲイ・リャブコフ外務次官は昨年、「我々にとって、ウクライナが決して絶対にNATO加盟国にならないという保証は、絶対的に必要だ」と述べている。

プーチン大統領は昨年、長い論文を発表し、ロシア人とウクライナ人は「ひとつの国民」だという持論を展開した。プーチン氏は以前から、1991年12月のソヴィエト連邦崩壊を「歴史的なロシアの崩壊」だと位置づけている。さらに21日の演説では、今のウクライナは共産主義時代のロシアが作り上げたもので、今や西側に操られている傀儡国家だと非難した。

プーチン大統領はさらに、もしウクライナがNATOに加盟すれば、NATOはクリミア半島を奪還しようとするかもしれないと主張する。

ほかの主な要求は、NATOが「ロシア国境の近くに攻撃兵器」を配備しない、1997年以降にNATOに加盟した国々からNATOが部隊や軍事機構を撤去する――など。

1997年以降のNATO加盟国というと、中欧、東欧、バルト三国を指す。ロシアは実際には、NATOの範囲が1997年以前の状態に戻ることを求めていることになる。

プーチン大統領からすると、西側は1990年の時点で、NATOが「一寸たりとも東へ」拡大しないと約束したのに、それでも東方に拡大したということになる。

西側の約束はソ連が崩壊する前のことだ。なので当時のミハイル・ゴルバチョフ・ソ連大統領への約束は、ドイツ再統一の文脈における東独についてのものだった。

ゴルバチョフ氏は後に、「NATO拡大の話題は(当時)一度も出なかった」と述べている。

NATOは加盟希望国へ「門戸開放政策」をとっており、現在の加盟30カ国は、この方針に変化はないと力説している。

ウクライナの大統領はNATO加盟へ向けた、「明瞭で実現可能な期限設定」を呼び掛けている。しかし、ドイツのオラフ・ショルツ首相が言明したように、これが実現する見通しは当面ない。

すでにNATO加盟国になっている国が、その立場を手放すなど、あり得ないことだ。

外交的な出口はあるのか
ウクライナとロシアの代表団は2月28日、ベラルーシ国境沿いで交渉に臨んだ。しかし現時点で、外交的解決の見通しはほとんどない。

ロシアは、ウクライナが武装解除し非軍事化しなくてはならないと主張しているが、それはあり得ない展開だ。

ロシアとアメリカの両大統領はビデオリンクや電話会談を何度か行っている。写真は昨年12月7日に、ロシア・ソチからバイデン氏と会談するプーチン氏

外交による合意があり得るとしても、そこにはウクライナ東部での戦闘への対応と、軍縮交渉の両輪が含まれなくてはならない。

アメリカは、短距離や中距離ミサイルの制限について、さらには大陸間弾道ミサイルに関する新条約へ向けて、交渉開始をロシアに提案している。ロシアは、アメリカが自国領土以外に核兵器を配備することの、全廃を求めている。

ロシアは、ミサイル基地(ロシア国内2カ所、ルーマニアおよびポーランド国内の2カ所)で相互チェック体制を確保するため提案されている「透明性メカニズム」には、前向きな姿勢を示していた。
(英語記事 Is Russia invading Ukraine and what does Putin want?)


争い事は、無いほうがヨイに決まっています。
しかし、世界には、世界が共有する価値や規範を認めない人や国があるのも事実です。
それらは、他者の他国の隙を見つけ、あらゆる方法で嵩に着て「因縁」をつけ、自らの主張を通そうとします。
その阿漕な手法を観て、巻き込まれず避けようとして、見てみないフリをするのが殆どです。


国内的には「ヤクザ」な事で、暴力団として、罪を問い社会的に排除しようとしますが、それでもその傘下に駆け込み身の安全を得ようとする者も出ます。
国際社会も、基本は人ですから、その軛から逃れる事はないと考える方がヨイのです。
真に面倒な事ですが、脳天気なままでは、残念ながら大方は喰われて終わりますね。


「戦争」は、戦う相手の全てを破壊し奪い尽くし隷属させる事で終焉する。安っぽい人権保全の主張で終わるワケではない。それを避ける重厚な「智慧」が必要なので、勇ましい言説や主張だけで国は護れない。
近現代で生じた過去の戦争を観よ、決着に至った要素を見よ!冷静に考えよ。

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