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2022/04/23

目的のない「戦争」は「破壊と殺戮」の繰り返し連続で被害を大きくし、それに対し「復旧・復興」は「利益」の原点で総取りすると「カネ」が転がり込むワケ

戦争は、戦う双方が戦場とする地域の潰し合いだ。
潰すには、道具が必要で、双方ともに相手の道具を含めた潰し合いだ。
潰すと、元へ戻す必要があり、戻す事を「復旧・復興」させるには「カネ」が要る。


また、カネを貸し出す事も重要で、その担保に様々な権利を獲る事で貸す側には巨大な利益になる。
一説では、ウクライナが被った戦争被害は、現段階で「660億USドル」とも言われている。


中国は、何を狙うか?
直接的に参戦する事は避け、善意の第三者の立場を確保し、有利な立場で「自らの手は汚れていない」として。
長期に亘る権益の確保と、それによる影響力の確保拡大であり、その管理と拡大に向けた「植民」の推進で、
一連の手当てをする事で、一貫して収益を上げる事を狙うのは当然だろう。


引用開始→ ウクライナで自壊するロシア、衰退後に中国が得る漁夫の利を阻止するには
(JBpress 岩田 太郎 2022/04/13 06:00)

 中国共産党の機関紙、人民日報が運営する「人民網日本語版」が、ロシアのウクライナ侵略を奇貨として利益をむさぼる米国を痛烈に批判している。

 4月7日付記事「ロシア産エネルギー禁輸で『確実に儲ける』米国の思惑」と題された論評で、中国共産党は「ロシア・ウクライナ紛争を作り出した米国は、利益を得続けるための作戦を早くからしっかりと立ててきた」と主張。「対露制裁の圧力を振りかざしながら、エネルギー・安全保障面で欧州への束縛を強化することで、対露制裁の負の影響の代償を同盟国に払わせると同時に、自国は戦争で大儲け」する米国を難じた。

 この批判は、主に米国と欧州の離間を狙ったプロパガンダではあるが、鋭いところを突いている。侵略されるウクライナを支援する正義を掲げる米国だが、我田引水で自国の軍産複合体やエネルギー産業が潤うと同時に、その覇権的影響力が再拡大し、漁夫の利を得ていることは事実である。

 もっとも、戦争で漁夫の利を得ることを利益相反、不道徳、利己主義と規定することで、中国共産党は自らの首を絞める結果になっている。ウクライナ戦争の戦況が悪化する中、一連のプーチン大統領の自壊的な行動が中国を経済的・覇権的に利する構造が出現し、それを中国が積極的に利用している現実が明確になりつつあるからだ。

 さらに、人民日報が米国の不純な動機を攻撃することで、かえって中露の同盟的な協力関係が浮き彫りになった。結果として、中国共産党が最も世界の目から隠したい自国の利益相反や覇権への野望が浮き彫りになっていることは、誠に皮肉だ。

 問い詰められても口を割らないが、勝手に話させると自ら隠すべき秘密をペラペラと喋ってしまうという、ことわざで言うところの「語るに落ちる」という失敗を、中国共産党自身がその米国批判で見事にやらかしているのだ。その矛盾を見ていこう。

中国共産党が放った壮大なブーメラン
 まず人民日報は、「米国が欧州向け天然ガス輸出の拡大を発表したのは、決して欧州のためを思ってではなく、自国企業にビジネスチャンスを生み出すためだ」として、利他的に見える行為の裏には利己的な動機があることに読者の注意を向ける。

 同紙はさらに、米国が「ロシアの地政学的空間をさらに狭め、欧州に対するコントロールを強化して、日増しに衰退する自らの世界覇的覇権を強固なものにすることを戦略目標としている」と主張する。

 こうした中国共産党の言い分から抽出できる普遍的な教訓は、「国々の利他的に見える言動には利益相反があり、利己的な動機と目的が隠されていることがある」「国々は、他国の戦争に乗じて自国の覇権の拡大を図ることがある」である。

 人民日報の論評では該当するケースとして米国が挙げられているが、こうした傾向は何も米国に限ったことではなく、歴史的に見てもあらゆる時代の多くの国に適用できる真理であると言えよう。

 翻って、中国共産党が「他国の戦争で我田引水を図る利益相反や覇権拡大は悪である」と普遍的な規定を行った以上、自身もその基準で判定され、制約を受ける立場になったということだ。それは、壮大なブーメランと化す。

 何となれば中国は、当初意図した結果ではないにせよ、ロシアがウクライナでの戦争で消耗して弱体化することにより、(1)覇権拡大、(2)地政学的な空白の充填、(3)経済的な利益、(4)軍事的な利益の少なくとも4点において有意な恩恵が見込めるからだ。

ロシア衰退後の空白を埋めるのは誰か?
 まず覇権の面では、ロシアの国力と通常兵力が衰退することで、米中露の3大超大国からロシアが事実上脱落し、中国の超大国化に貢献することが予想される。世界は米中によりブロック化され、中国が世界の2大盟主の一角を占めることで、「偉大な中華民族の復興」のプロジェクトが加速すると思われる。

 次に、覇権と密接に関連して、ロシアの弱体化により将来的に中東、中央アジア、アフリカ、米州に生まれることが予測される地政学的空白に、中国が入り込むチャンスが生まれる。

 これには、米国に対するレバレッジとしてロシアを利用するシリア、リビア、エジプトなど中東の国々、ウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタンなど中央アジア諸国、マリ、中央アフリカ、モザンビーク、アンゴラ、ギニア、ブルキナファソ、マダガスカルなどのアフリカの国、キューバ、ニカラグア、ベネズエラなど中南米の国々が含まれる。

 これらの国々はいずれも、中国が米国に対抗していく上で重要な拠点になり得る場所ばかりだ。また、ロシアは「中国を除くユーラシア大陸の支配」というあいまいで狭義の秩序構想しか持たないようだが、中国にはより具体的かつ壮大な一帯一路構想がある。将来の潜在的な空白地帯に対する計画と準備は、すでに整いつつある。

 一方で、たとえロシアが衰弱しても、その国際的な影響力が即座かつ完全になくなるわけではない。場所によってはロシアの残す空白を、イランやトルコなど中規模の新興勢力や米国が埋めることになるだろう。だが、長期的かつ全体的に見れば、親露国でロシアの地政学的な代替候補にまず挙がるのは中国ではないだろうか。

 加えて、イデオロギー面から見ても、ロシアに代わってイランやトルコなど親米的とは言えない有力地域勢力の地政学的パートナーになれるのは、米国ではなく中国だと思われる。中国の得る漁夫の利は、ウクライナにおける戦争で自国の軍産複合体やエネルギー産業が潤い、地政学的な勢いをいくらか回復する米国のそれよりも、はるかに大きいのではないか。

中国が実際に得るであろう漁夫の利
 さらに、ロシアがウクライナにおける戦争の泥沼にはまり込むことで金融制裁を招き、国債も債務不履行がほぼ確実だ。外国資産の一方的接収や特許権料の踏み倒し予告などで孤立したため、中国は大きな漁夫の利が望める。

 まず、西側による金融・経済制裁で、ロシアの原油や天然ガスの近未来的な大口顧客が減り、中国の比重が増すことで、原油や天然ガスなどを安く買い叩くチャンスを得られる。

 また、前回記事「追い詰められたプーチンはいつ生物化学兵器の使用に踏み切るのか」で分析した対露兵器輸出による利益に加え、米国と対立する金融センターとしての地位、反米国グループの決済通貨としての人民元の国際化と地位の向上など、中国には天祐とも言うべき状況だ。ロシアにつぶれてもらっては困るが、弱体化してくれた方が、中国の長期的な利益には合致する。

 さらに、西側の国際貿易システムから締め出されたロシアと他国の間接貿易のブローカーとしての儲けも見逃せない。

 シグマ・キャピタルのチーフエコノミストである田代秀敏氏は週刊新潮の記事で海産物の例を挙げ、「ロシア産のカニやウニは代替が難しく、日本は今後、中国の商社を経由するなどの形で仕入れるほかない。中国の商社にとっては販路拡大と手数料収入が見込める無二の好機。(日本は)人民元での決済も迫られるだろう」と分析している。

 一方、軍事面においても、追い詰められて背に腹は代えられぬロシアから、虎の子のテクノロジーを中国が入手できるチャンスが高まろう。

 具体的には、近年の進歩が目覚ましいものの、信頼性、性能、寿命の面でいまだにロシア製の最先端製品に敵わないとされる中国製の戦闘機エンジン向けのライセンス供与や、極超音速ミサイルの技術共有なども話し合われる可能性がある。

 戦闘機ターボファンエンジンの技術は、ロシアが大切にして手放さないものだ。中国側が長く不満に感じてきた分野でもあり、特に注目される。そうした技術が手に入れば、中国の殲-20(J-20)双発ステルス制空戦闘機などに採用され、日本の空の脅威になる恐れも考えられる。わが国は「ロシアの弱体化による中国の漁夫の利」に相当の注意を払う必要がある。

中国に漁夫の利を得させない方法
 そもそも漁夫の利(漁父之利)とは、前漢の劉向の編んだ戦国策(燕策)が出典である。カワセミ科の鳥である鷸(しぎ)がイシガイ科の二枚貝である蚌(はまぐり)の肉を食べようとして、蚌の貝殻に嘴(くちばし)を挟まれてしまい、膠着状態で互いに争っているうち、現場に居合わせた漁夫に両方とも捕らえられたという寓話にちなむ。

 今回の戦争では、鷸たるロシアが、蚌であるウクライナの肉を食そうとして、嘴を貝殻で挟まれてしまったような事態であろう。両者が争って共倒れしてくれた方が、地政学上の新興勢力である「漁夫」の中国にとっては好都合だ。

 記事の冒頭に引用した人民日報の記事では、米国が漁夫ということになっているが、本来のことわざの意味とキャラクター設定、そして現在の情勢の推移や利害関係を見ると、虎視眈々と濡れ手に粟を狙う中国こそが漁夫であるとの説明の方がしっくりくる。

 この鷸蚌の争い(いっぽうのあらそい)で、地政学上の現状変更を目論む中国に漁夫の利を得させることは、日本や世界の益にはならない。

 では、それを阻むにはどのようにすればよいか。すでに鷸役のロシアは疲弊して弱っており、漁夫の中国が独り勝ちすることは防げないように思える。現実的に見て、その底流をここで変えるのは無理だろう。

 ただ、中国のコストを吊り上げて、漁夫の利を縮小させることは可能ではないだろうか。

 具体的には、前回記事「追い詰められたプーチンはいつ生物化学兵器の使用に踏み切るのか」で見たように、中国がロシアの侵略に作為・不作為の加担をしたエビデンスを収集して2次制裁を課すことが有効であろう。中国外交部の趙立堅報道官も、「制裁は双方または各方面に損害をもたらす」と認めている通りだ。

 無論、米欧日を含めて中国が上得意である国々にとっては、対露制裁とは比較にならない経済的な痛みを伴うため、2次制裁が極めて困難であることは自明だ。しかし、どれだけ抜け穴だらけであっても、経済・金融制裁は中国に損害をもたらし、打撃を与える。中国の占める漁夫の利を減らせるわけだ。

中国に対する2次制裁を検討すべき時
 2次制裁が中国の台湾侵略や西太平洋独占支配に向けた軍事行動を阻止するかと言えば、答えは「ノー」だろう。中国共産党は、「国際社会における中国の立場」という合理性ではなく、「党の核心たる習近平の権威護持」「指導者が成し遂げる中華民族の偉大な復興」という内在的な最重要課題に基づいて行動するからだ。

 東京大学東洋文化研究所の松田康博教授は、東洋経済オンラインで以下のように指摘している。

「中国にとって、『平和統一政策』はいまだに現行の政策である。『平和統一政策』があってこそ中国は『平和発展戦略』を続けられるのだ。中国にとって、武力に頼る対台湾政策よりも、経済的交流を通じて台湾独立を阻止し続ける方がはるかにリスクは低い。中国指導部にこのことをきちんと理解させるためにも、日本を含め、関係諸国は対ロシア制裁を貫徹する必要がある」

 だが、松田氏のロジックは、中国の内在的論理と整合性がないように思える。「ロシアのウクライナ侵略はない」と開戦前に主張していた識者の言説との深い類似性も気がかりであるし、何より「中国は平和・対話・情勢の沈静化の側に立っている」(中国外交部の王毅部長)との中国の主張にそのまま沿っているように見えるからだ。

 また松田教授は、「制裁強化によるロシアの中長期的弱体化は、将来中国が武力行使をする際の後ろ盾を失わせると同時に、中国の対台湾武力行使を思いとどまらせる強い警鐘となる」と主張する。

 しかし、西側が対露制裁を貫徹しようがしまいが、対中2次制裁を課されようが課されまいが、どのみち中国は武力に訴えるのではないだろうか。だからこそ人民解放軍は今、類を見ない急ピッチで軍備を過剰に増強しているのだ。

 そのため、制裁は中国の漁夫の利を制約する効果しかもたらさない。それでもなお、中国の軍事力増強に経済面から制約を加える効果はある。米欧日は安楽で豊かな生活を一時的に犠牲にする覚悟を固め、中国の侵略に対する準備を加速させるべきだろう。

 ウクライナでロシアが行っている戦争犯罪は、近未来に中国が台湾や近隣国に対して実行する残虐行為の前触れに過ぎない。中国がロシアの侵略に作為・不作為の加担をしたエビデンスを早期にとりまとめ、有効な2次制裁の準備を進めることが肝要だと思われる。←引用終わり

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