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2022/04/25

旅客運輸業は「コロナ禍」で甚大な被害を受け、1事業者だけの努力では乗り越えられず、日常的な利用者も地域の行政も真剣に考えるべきと考える

「都市鉄道」と「ローカル鉄道」は、同じ鉄道でも同じではないので、同一の尺度で計り規定しようとすれば無理が出る。


この3年間で受けた様々な事態が鉄道経営に深刻な打撃を与えた事はいうまでもない。


著しく乗客数の減少を受けながら、同じ編成車両(現代の車両は総編成をユニット化し機能分担するため)の列車を定時に走らせ、使用部品の消耗や法定検査は勿論、何よりエネルギーの使用量は変わらず、営業収入は低下し続け。
細かな話だけれど、利用者の目に見えない処で「始末」し「合理化」できる事に取組み、経営努力をしても自ずと限界があるワケで。


東は「東急」が、西は「近鉄」が、運賃の全面改定を発表した。
また「JR西日本」は営業収支を路線毎に開示し、管内の30路線は「1社の経営努力で維持するのは無理」と苦しい事情を発表し、公益事業者としての原則的な「そもそも論」や「維持義務論」が喧しい。


分かり易い運輸業としての鉄道事業の本質は「客や荷物」を運び、対価を収受し事業を成立させ維持している。
その収受が成立しないなら、維持継続も何もあったものではない。


まず、運輸事業はA地点とB地点を結び、相互の往来がある事を前提にしている。
そのためには、A地点とB地点に、相互に往還しうる事情や事由がなければ成り立たないのです。
従って、多くの鉄道会社は、それを創出造出する事に取組み、両地点を往還する事を模索し続けてきた。
一方向輸送の傾向が強いと、車両維持のコストが高負担になり「運賃原価」を押し上げる要素になるワケです。


「JR西日本」や、「近鉄」あるいは「東武」のローカル路線は、それに利用者の過少が加わるワケで、建前の綺麗事で理想を並べられても、私企業の経営努力だけでは、どうにもならないと言えます。


「都市鉄道」の代表例は、
東の「東急」と「京急」であり、西の「阪急」と「阪神」に「京阪」だろう。


東の「小田急」「京王」「西武」は時間帯により一方向の多客集中利用だ。
「京成」は東京都心と千葉と成田を結び旅客需要の相互性や均質性を高め常時性まで達するのは、もう少し先だろう。
「東武」は、様々な地域で路線を抱え「近鉄」と同じ苦労に絡まれ脱けだし切れていない。


西の巨大民鉄「近鉄」は、
大阪の近郊で「奈良県内(北和)」と大阪また京都を結ぶ路線。
名古屋の近郊で「三重県内の北東側」で名古屋通勤圏では効率を発揮できるが、他は全くだろう。


因みに「近鉄」の稼ぎ頭でもある「奈良線」は、
「大阪難波」から「近鉄奈良」までは、約32キロ程で、
阪急の神戸線で「大阪梅田」から「神戸三宮」までの距離と同じです。
それが「近鉄」は580円で、「阪急」は「阪神」ともに320円です。
今でも凡そ2倍の差があります。
速達型電車の所要時間は、阪急も阪神も、基本は30分以内に到着しますが、近鉄は「生駒」越えの急峻な上り下りがあるため30分以上を要します。マッ、運賃が高いのだから長く乗れると言えなくもないですが。


名古屋では「名鉄」も、福岡では「西鉄」も、大阪の南部では「南海」が常時均等な双方向性輸送では、その造出に苦しんでいる。
関西での私鉄料金の「運賃表」を上げてみます。

20220423

長い表のため、写真化しても文字が小さく恐縮です。
できる限り、PCやスマホの画面を拡大して下さい。

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