「北の大地」道北で話をした際のサマリー(メモランダムとして)を残しておく
嘗て、北海道の採炭地は、空知管内に夕張を挙げるまでもなく、赤平、芦別、歌志内、美唄、三笠、などなど多くの炭鉱が存在した。
閉山に伴い地形を利用し、80年代後半はテーマパークに取り組んだ代表が芦別で「赤毛のアン」をテーマに傾斜地一面をラベンダーで覆い集客に努めたが、初年度から一度も収益事業にならず「赤字のアン」と、陰口を叩かれ、呆気なく消滅した。
夕張は、冷水山を開発し「マウントレースイ スキーリゾート」を打ち立てた、日本全国から集客を目指し莫大な宣伝広告を繰り広げたが、これまた松下興産も赤字の累積に手を焼き呆気なく撤退し、施設だけが空疎に残り、安く買い叩かれてしまった。
採炭地ではないが、十勝は帯広に「グリュック王国」という " おとぎの国 " もあった。
何よりも「東京ディズニーランド」の成功で、日本の銀行系コンサルタント会社は、一斉に「テーマパーク」の経済効果を喧伝し騒ぎ立てシッカリと企画提案指導料などをせしめた。
北海道の各地(基礎自治体)は、好機と狙われその犠牲になった。
岡山でも「倉敷チボリ公園」が提案され、行政も大型事案として積極的で開園したが、呆気なく幕を降ろした。
北九州市は、八幡製鉄所跡に「スペースワールド」を吹き込まれ開業し、面子を賭けて維持していたが、これも維持できず閉園しショッピングモールになった。
長崎は、オランダ貿易をテーマに「ハウステンボス」をHISの尻車に乗せられ開業したものの、その維持に四苦八苦し、結局はHISも手を退き売却する事になった。
大阪の「ユニバーサルスタジオジャパン」は、大阪市を主体にしていた時は、日々が「赤字の垂れ流し」であり閉園するかという事態を前に、プロデュースする主導者が交代し、息を吹き返し現在に至るが、これは真に希有な例だ。
森岡氏は、救世主として引っ張りだこだが、総てに通用するワケではない。
まぁ、吹き込んだコンサル(根猿)は、自分達のカネ儲けと成功時の名声確保が目的で、無責任この上ない思考態度の仕儀だった。
道北の採炭地は、道南で空知の採炭メインストリートより、更に悲惨で放棄され、存在すら忘却され、鉄路も廃止され廃村が進み、人の歴史や痕跡すらもない。
「地方創生」の必要性は口喧しい「重要政策課題」として語られる。
その際には、①カネのバラ撒き(交付金)、②ハコモノの建設(交付金)、③一時的な雇用創出、④反復継続的に多頻度集客と維持にむけた「ソフト」欠落による赤字の積み上げ、⑤施設の閉鎖と事業の清算、この繰り返しで、殆ど対象地域には何も残らない。
何よりも先に、まず、根猿が談合し握り合い「真水」を飲み尽くす。
次にゼネコンと地域ゼネコンが「実水」を呑み、地元の下層へ「配水」する。この時点で殆ど旨味は消えている。
仕事のない地元の人材が「キャスト」や「スタッフ」として臨時雇用されるが、それまでであり拡がる事はナイ。
これは、1970年代に田中角栄が「日本列島改造論」を喧しく述べたて、全国に新幹線網と高速道路網をと、大風呂敷を拡げた時点から何も変わらない。
ゆえに、田中角栄の孫弟子筋に当たる「石破 茂」は、地方創生に一際熱心で最もらしい事を口にするが、実態はひたすら「痴呆早世」に過ぎず、それを叫び結果的には「地方の衰退」に輪をかけている。
何もナイ地域が、生き続けるには、その地域でしか生産できない「ナニ」を見出し、ナニを継続的に生産し、ナニを得(られ)るのか、それを明確な目標にして一丸となる事だ。
イロイロ言われるが、
「白い恋人」は、ほぼ50年で北海道を代表する全国区の商品になった。
それに刺激され「Royce'」も、一定のポジションを得た。
また「le Tao」も負けずと続いている。
ウソっぽいと言われるが、十勝で田中が取り組む「花畑牧場」の菓子類も、苦闘しながら定着させようと懸命に見える。
多少、飽きられはじめたとの声もあるが、有形無形の地域での産業になり、社会貢献も果たすようになっている。
先ずは、「シード(SEEDS)」で、それで何ができるか?
(条件というカード合わせではなく、真実の!)
それで「ニーズ(NEEDS)」を刺激し、創出できるか?
(一過性ではなく、反復継続的に刺激し、維持できるか!?)
暮らしを維持するには実用的な事業を幅広く構築しなければダメだ。
そのためには「核」となる「人材」の育成が鍵で最も重要な事だ。
できれば、そこへ行かなければ味わえない(体験できない)事が大切だ。
(経験経済だと言ってしまえば身も蓋もないが)
それは観光の集客にも繋がり、何より地域の物産であり消費だ。
インターネットは方法の一つであり、EC販売や物産と観光展は手段の一つであり、究極は反復継続的な顧客を創出する(ソフトを更新し続ける)事だ。
某地域で、お聞き下さいました皆様に、
概ね、このような話を提供させて頂きました。
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