英国の首相リズ・トラス女史は「保守党」の党首に選出され、英国議会で首相に指名され44日。思い付きで発表した経済政策失敗で辞任表明へと追われ
英国のトラス首相 就任44日で辞任表明:
日本時間の昨夜、想定していたとはいえ、ここまで早いと思わなかった。
「減税」を掲げ主張するのに懸念を持った。
それほど、それに耐えるほど「英国」の経済は、社会も今は強くないし、金融サービスの面では有力なポジションに位置しても、生産力としては然したるパワーを保持しない。
その国のその社会が底辺下層を中心に凌げないから救済すると言い、大規模で大幅な減税を政策発表する思考と姿勢に驚きがあった。
市場は驚愕し、呆気にとられ、英国経済に対し、英国社会と政治に不信を示し、一気に支持は低下し社会も大混乱に陥った。
再び、ジョンソン前首相の再登場を求める声が!?
英国社会というか、英国経済も、英国政治も、底辺下層化が進み、高貴さは消え去ったように・・・
大変ですよね!
引用開始→ トラス英首相が辞任表明、経済混乱で引責 就任44日
(日本経済新聞 2022年10月20日 21:36/2022年10月21日 5:56更新)【ロンドン=中島裕介】英国のトラス首相は20日、「保守党から選出された任務を果たすことができない」と辞任を表明した。9月下旬に打ち出した大規模減税策が金融市場を混乱させ、経済対策の大半は撤回に追い込まれた。辞任はその引責とみられる。9月6日の政権発足から44日という異例の短命政権となった。
首相官邸で与党・保守党で党首選出手続きを担う「1922年委員会」のブレイディ委員長と会談後に表明した。チャールズ国王に党首辞任を伝達したとも述べた。ブレイディ氏は新首相となる党首を28日までに選出すると語った。
トラス氏は新党首選出までは首相の職にとどまる。英紙タイムズはジョンソン前首相が党首選に立候補する可能性があると伝えた。スナク元財務相も候補に挙がっている。減税策の修正を担うハント財務相は出馬しないと表明した。
トラス政権の経済対策をめぐっては、財政悪化の懸念から通貨ポンドと英国債価格が急落した。10月中旬以降、財務相を更迭し大半の減税策を撤回、支持率は1桁に落ち込んだ。19日には内相も辞任し、与党内からも退陣を求める声が強まっていた。20日のロンドン市場では、英国債とポンドが買い戻された。30年物国債の利回りは一時、前日比約0・2%下落(価格は上昇)の約3・8%と、約2週間ぶりの低水準となった。外国為替市場では一時1ポンド=約1・13ドルと、前日末の1ポンド=1・12ドル付近から上昇して推移している。
ただ株式市場では政治的な不安への懸念から、代表的な株価指数の英FTSE100は上昇から下落に転じた。「英国はリーダー不在となったが、市場は安堵しているようにみえる。もっとも、新首相は金融市場の信頼を完全に取り戻すためにさらなる施策が必要だ。31日に発表される中期財政計画で、財政の穴がどのように埋められるかが明らかになるかが焦点となる」と英キャピタル・エコノミクスのポール・デールズ・チーフ英国エコノミストは指摘する。
トラス氏は相次ぐ不祥事で辞任したジョンソン氏の後を継いだ。故サッチャー氏、メイ氏に続く英史上3人目の女性首相だった。7~9月に行われた首相を選ぶ与党・保守党の党首選では、減税を軸とする成長戦略を前面に掲げ、ジョンソン派の議員や党員の支持を集めて勝利した。
トラス氏は石油メジャー勤務などを経て2010年に下院議員初当選、14年には環境相に抜てきされ、国際貿易相や外相などを歴任した。
英国はジョンソン前首相が辞任を表明した7月以降、外交面で国際的な影響力も薄れている。ウクライナ危機が続くなかで反ロシアの先頭に立つはずの英国政治の混乱は、西側諸国の結束にも悪影響を与えかねない。←引用終わり
引用開始→「人間手りゅう弾」トラス氏、史上最短で英首相降板へ (AFPBB News 2022/10/21 06:37)【AFP=時事】リズ・トラス英首相は、国民や議員、さらには市場からも総スカンを食い、英国史上最短の在任期間で首相の座を降りることとなった。
トラス氏は、ボリス・ジョンソン前首相の後任を選ぶ保守党党首選挙で、国債増発を財源とする減税により急速な経済成長を促すという計画を打ち出すことで、党内の支持を取り付けた。
一方、対立候補だったリシ・スナク元財務相は、インフレが進む中でそうした政策をとれば金利が上昇し、多くの国民に影響すると警告。トラス氏は、スナク氏の主張は「不安をあおる」だけのものだと一蹴した。
だが、スナク氏の予想は的中。トラス氏は、自身の右腕だったクワジ・クワーテング財務相を更迭するなどして首相の座にしがみついたものの、20日に辞意表明に追い込まれた。
次期首相は28日に決まる予定で、トラス氏の在任期間は、19世紀に就任後わずか118日で死去したジョージ・カニング首相を大幅に下回り、史上最短を更新することになる。
トラス氏の経歴は、今回のような突然の方向転換と無縁ではなかった。リベラル派の両親のもとに生まれ、当初は自由民主党支持者として政治の道を歩み始めた。若いころはさらに、君主制や英国の欧州連合離脱(ブレグジット、Brexit)にも反対していた。
「人間手りゅう弾」トラス氏、史上最短で英首相降板へ© Daniel LEAL / AFP 「人間手りゅう弾」トラス氏、史上最短で英首相降板へ
先月8日、わずか2日前に自身を新首相に任命したばかりだったエリザベス女王が死去すると、トラス氏は、王室廃止を訴えたかつての主張とは相反する立場に置かれた。新首相として女王を追悼し、チャールズ新国王に敬礼をし、その国内訪問に同行した。だが、ロンドンの首相官邸前でトラス氏が行った弔辞は堅苦しく、雄弁なジョンソン氏とは対照的に精彩を欠くスピーチ力を露呈した。それでも、スキャンダル続きだったジョンソン政権の後、トラス氏の単刀直入なスタイルと保守路線は、保守党内で支持を得ていた。
英国で3人目の女性首相になったトラス氏は必然的に、同国初の女性首相であるマーガレット・サッチャー氏と比較された。外相を務めていた1年の間、トラス氏はかつてのサッチャー氏と同じように戦車の上に乗る姿や、モスクワでロシア帽をかぶる姿が写真に収められていた。
ジョンソン氏の上級顧問を務めたドミニク・カミングス氏から「人間手りゅう弾」と呼ばれた他、議員からは過度な自己宣伝を非難されることもあった。(c)AFP/Joe JACKSON and Jitendra JOSHI ←引用終わり
【翻訳編集】AFPBB News
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