マレーシアの97歳の妖怪「マハティール(元首相)氏」が下院選挙で落選(5人の候補中4番目で)が報じられ、ご当人も政治家を引退すると観測され・・・
一時は政治家として卓越した能力を評価していたが、
「マレー人優先政策」を頑強に固執し始めた頃に、少しばかり疑問を持った。
そしてマレーシアの国産車「プロトン」への拘りも理解はしたが、市場を観ない思考に対し、肯定も支持もしなかった。
やがて、後継を巡る人材難に遭遇した。
それは当然の事で、最初から予想できたテーマだった。
偉大な人物は、自らも自身を偉大だと捉え称揚する点があり酔うのだ。
米国では、老害でしかないトランプが、自ら描いた幻想に酔い浸り、喚きヒステリーを撒き散らしている。
人には多かれ少なかれ欠点があり苦手な事がある。
それを周囲は支え合う事で、課されたテーマを解決してゆくのだが、
偉大な人物は、任そうとせず、途中で批判し取り上げ、口を極めて非難する。それでは後継は育たない。
日本経済新聞が毎年5月に東京・帝国ホテルで「アジアの未来」という会議を開催する。
マハティール氏は、この会議の常連ゲストだったと思う。
年をおいて2度ほど直接、マハティール氏の話を通訳で聞いた。
主張や指摘は、氏の世界観をよく表しており理解したが、共感はできなかった。
その後、マレーシア大使館の商務部の館員と、会食した際に感想を問われたが、可も無く不可もない慎重な言い回しに終始した。
この度の下院選挙に立候補するとのニュースを耳にした時に、
「ナンと、往生際の悪い政治家か」と、何かの時に漏らし口にしたのは事実だ。
そして、マレーシアの国民は、老練で偉大な政治家を選ばなかった。
一日も早く、引退されるべきであろうと・・・
シンガポールの国家基盤を築かれた故リー・クワン・ユー元首相は、上級相などと意味不明の地位に就いた事もあったが、如何に一家でシンガポールの政治を私物化していると批判されても、政治家としては潔かった。
マレーシアと、そこから独立した華人国家シンガポールに袂を分かち合った、マハティール氏と故リー・クワン・ユー氏の二人は、東南アジアの政治をリードし、今日に至る国際的なポジションを創り上げた不動の人物だ。
何れも国家を愛し、国民を愛した素晴らしい指導者なので、もぉ晩節を汚されぬようにと申し上げたい。
引用開始→ マレーシア下院選、97歳のマハティール元首相が落選…政界引退の可能性
(讀賣新聞 2022/11/20 20:43)【クアラルンプール=安田信介】19日に投開票されたマレーシアの連邦議会下院(222議席)の選挙は、アンワル・イブラヒム元副首相が率いる野党連合「希望連盟」が82議席で第1勢力となり、連立政権の一角を担うムヒディン・ヤシン前首相の「国民連盟」は73議席で第2勢力となった。いずれも単独過半数には至らず、両党が政権獲得に向けて他党との連立協議を加速させている。
今回の立候補が最後と表明していた97歳のマハティール・モハマド元首相は落選した。マハティール氏が主導する野党連合「祖国運動」は議席を獲得できず、政界を引退する可能性がある。
選管の集計によると、候補者死亡などで投票が延期になった2選挙区を除く220議席が確定した。イスマイルサブリ・ヤーコブ首相が所属する統一マレー国民組織(UMNO)などの与党連合「国民戦線」は30議席にとどまった。UMNOのアフマド・ザヒド総裁が汚職裁判に問われたことが影響した可能性がある。
各勢力の多数派工作が早くも本格化している。第2勢力「国民連盟」のムヒディン氏は20日、フェイスブックに「新政権はまもなく発足するだろう」と投稿し、第1勢力「希望連盟」のアンワル氏も「すでに過半数を確保した」と述べたが、どの政党と連立を組むかは明らかにしていない。←引用終わり
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