日野/(トヨタ)と三菱ふそう/(ダイムラー)が経営統合を発表 国内はいすゞ(VOLVOと戦略提携)+UDと2大グループへ再編が進む事になる
日野は何れかとの経営統合は起こりうると観ていたのですが、
トヨタにとり、結構、厳しく激しい決断だったのではと、ガツンと衝撃です!
これで、日本のバス・トラック分野は、
「トヨタ・日野+ダイムラー・三菱」と「VOLVO/いすゞ+UD(日産ディーゼル)」に集約され、2大グループという事になりますね。
世界的にも、① VW 傘下のSCANIA+MAN、② VOLVO(いすゞとの戦略提携を超えるか)、③ トヨタ+ダイムラー、④ いすゞ+UD、に集約されるワケですか。
排ガス規制というか、Co2削減の強要は、バス・トラック分野に死刑判決を下したようなモノも同然ですからね。
引用開始→ 日野自と三菱ふそう、経営統合へ 新会社設立、「対等な立場で」
(時事通信 2023年05月30日 21時53分)日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは30日、経営統合に向けて基本合意したと発表した。商用車の開発や部品の調達、生産分野で協業する。両社統合へ持ち株会社を設立し、その株式を日野自の親会社であるトヨタ自動車と、三菱ふそうの親会社である独ダイムラートラックが同じ割合で保有。水素をはじめ次世代技術の開発で協力し、統合会社の競争力を支える。
エンジンの認証不正で大規模な出荷停止に見舞われた日野自は、2023年3月期に純損益が1176億円の赤字に陥った。新たな4社の枠組みで経営を立て直す。
同日夕に東京都内で記者会見を行い、トヨタの佐藤恒治社長は「三菱ふそうと日野自動車は対等な立場で統合する」と強調。ダイムラートラックのマーティン・ダウム最高経営責任者(CEO)は「アジアのトラック市場における真のリーダーにしていく」と述べ、開発や調達、生産における事業の効率化を図る考えを示した。←引用終わり
引用開始→ トヨタ、外部資本で日野自再建 脱炭素へ規模拡大に活路
(日本経済新聞 2023年5月30日 21:00)日野自動車の再建を巡り、親会社のトヨタ自動車が外部資本の受け入れを決断した。現在、トヨタは50.1%を出資するが、2024年末にも予定する三菱ふそうトラック・バスとの経営統合後、日野自はトヨタの子会社ではなくなる。日野自はエンジンの排ガスや燃費試験の不正で3期連続の最終赤字に沈むなど瀬戸際に追い込まれていた。再建策は新しいステージに入る。
「今回の4社の枠組みを千載一遇のチャンスととらえている」
30日、都内で開いた記者会見。日野自の小木曽聡社長はこう声を振り絞った。現在はトヨタの連結対象子会社だが新設する持ち株会社を通じ、間接的に独ダイムラートラックの資本を受け入れることに偽らざる思いが出た。
トヨタとダイムラートラックが株式公開を予定する新たな持ち株会社を設立し、東京証券取引所プライム市場などに上場する予定だ。持ち株会社は日野自と三菱ふそうを完全子会社とする。その中でトヨタの出資比率が下がり、連結子会社ではなくなる見込みだ。トヨタとダイムラートラックの持ち株会社に対する出資比率は同規模とする。
日野自がトヨタと業務提携を結んだのは1966年。同時に乗用車部門から撤退し、経営資源をトラックやバスの生産に集約していった。トヨタは2001年に日野自株の過半を取得し、子会社化した。
当時海外展開を含めて完成車メーカー各社が拡大路線を歩んでおり、トヨタの潤沢な資本力を使って日野自の財務体質の改善と規模拡大を狙った。ただ、乗用車と商用車では車の性質や市場動向が異なり、思うような相乗効果が得られていなかった。車両の認証でもトヨタのノウハウを生かし切れていなかった。
こうした中で22年3月に明らかになったのが日野自による排ガスデータの改ざんだった。排ガスの試験の過程で従業員が装置を意図的に取り換えるなど悪質な手口が発覚。国土交通省が立ち入り調査し、日野自はトラックやバスの国内出荷を停止した。23年3月期の連結最終赤字は1176億円と赤字幅は過去最大で最終赤字は3期連続となった。毀損したブランドの立て直しに向け、経営再建は待ったなしだった。
日野自は23年、独フォルクスワーゲン(VW)傘下でトラック・バスを手がけるトレイトンと18年に結んでいた戦略提携も解消していた。
今回、新設する持ち株会社は株式公開を予定しており、ダイムラートラックだけではなく、一般株主から資本を入れることになる。トヨタにとってみれば出資比率が下がることで、連結業績への影響を抑えることができる。
都内で開いた記者会見でトヨタの佐藤恒治社長は「我々にはない強みをダイムラー、三菱ふそうに借りながら、よりよい日野をつくっていく」とする一方、「よりよい関係を作っていこうとしてきたが、我々が日野を支えることへの限界も正直ある」と苦しい胸の内を明かした。
三菱ふそう側にとっても日野自との経営統合は特に両社が力を入れる東南アジア市場での戦略にプラスに働く。三菱ふそうのカール・デッペン最高経営責任者(CEO)は「日本以外での市場でも補完的な協力ができる。東南アジアで力を合わせてカーボンニュートラルに貢献したい」と話した。
三菱ふそうの株式89.3%を保有する親会社のダイムラートラックは21年、旧ダイムラーのトラック・バス部門が分離・単独上場して生まれた。22年12月期の連結決算は、調整後EBIT(利払い・税引き前利益)が前の期比55%増の39億5900万ユーロに拡大したものの、三菱ふそうを含むアジア事業は同60%減の1億7100万ユーロにとどまった。利益率も北米の11%に対し、アジアは2%台と低迷しており、立て直しを迫られていた。
マーティン・ダウムCEOは30日の記者会見で、トラック・バス部門の成長には脱炭素対応が不可欠としたうえで「解決するのは唯一、規模の拡大しかない。今回の統合は決定打になる」と語った。中大型商用車の世界販売台数は年350万台程度とされ、シェアは10%前後。このため、スケールメリットを生かした研究開発が競争力に直結するとみる。
長距離走行が必要なトラックではバッテリー重量が負荷となる電気自動車(EV)と比べ、燃料電池車(FCV)の優位性を築きやすい。FCV技術を持つトヨタとの提携は「小型や大型で補完し合える関係」(ダウム氏)と、ダイムラートラックにとっても利点は大きい。
写真撮影に臨む(左から)日野自動車の小木曽聡社長、トヨタ自動車の佐藤恒治社長、ダイムラートラックのマーティン・ダウムCEO、三菱ふそうトラック・バスのカール・デッペンCEO(30日、東京都港区)
西村康稔経済産業相は30日、報道陣に「競争力を高め、国際市場で大きな存在感を持つことを期待したい」と話した。提携により水素など脱炭素を中心とした新たな技術開発や活用の選択肢も広げられる。日野自の小木曽氏は「認証問題の基盤を自ら立て直し、4社の枠組みで未来の姿をつくりたい」と話す。資本を組み替えた上での再建に乗り出す日野自。より多くのステークホルダーが信頼回復の道筋を注視することになる。←引用終わり
| 固定リンク