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2023/07/25

京都の特徴的な「生活文化や情緒を」と求められ、「そんなものはありません」と返し・・・ 風情は時と共に悠然と変化し続けますが、川端康成の「古都」を

京都の「社会文化」といいますか、
「はんなり」した「生活文化」について、何か推薦いただきたいと。


それなら川端康成の「古都」を推薦します。

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この小説は、1961年の初稿です。


京都の街が、いま程の騒がしさもない頃、室町で小規模な商いをする呉服問屋の老舗を描いたものです。


主人公の「千恵子」は、この商家の門口に捨て子され、その子をそこの主人夫妻が実の子(呉服問屋のお嬢さん)として20年にわたり育て上げ・・・


その実の妹(苗子)は、両親を亡くしたもの母親の話から、自分は双子であり、姉か妹がいるのだと教えられ、北山杉の里(北山中川町)の山主の元で育てられながら、いつか出会える事をと願い続け。


ある年の「祇園祭」の夜に、二人は何気なく「四条御旅所」で偶然にも出会った事により話は劇的に展開します。


この話が進む過程で、京都(洛中/特に室町や新町)の風情が絶妙なタッチで描かれています。
この作品の中で、川端が明らかに御池通りと四条通りを混濁した箇所もありますが、それは川端の思い込みによる錯誤だろうと・・・


WWⅡの敗戦で、京都もGHQに占領され、植物園は米軍士官の住宅地にされていたとか。
それは「茶の大宗匠」からも直接お聞きしました。
押しかけて来た米軍の士官に、歴史文化について「茶の湯」について、語り聞かせ平伏する彼らに、京都の街が育んだ「歴史」や「文化」の偉大さを改めて理解し認識したと・・・


いま、この作品に描かれた主人公の「千恵子」や「苗子」が存命なら、
おそらく80歳半ばをやや越える歳頃かと、真一も84~5歳くらい、竜助は88~9歳じゃないかと。
千恵子と苗子を産んだ母親の里は、北山の更に山深い「京北町の芹生(せりょう)」か「美山町」だろうかと思い想像します。


2016年に、松雪泰子(一人二役)で、続編として、二人のその後を映画化されましたが、欲張りすぎ食傷気味でした。
やはり不朽の名作は、その話の中で完結し大切にされるべきかと。


「祇園祭」も、24日で「後祭の山鉾巡行」を納め、四条御旅所に鎮座されました中御座・東御座・西御座の3基の神輿も還幸祭で、間もなく「八坂神社」へお戻りになり、四条通りは祇園祭の華やかさも幕を下ろし、幾つかの納め神事を経て、いよいよ31日の茅の輪くぐりで終わります。


京都の街が受け嗣いできた「伝統」や「文化」あるいは「社会風俗」の一端を「山鉾町」である「室町」の呉服問屋の老舗を描いた「古都」を紹介し、いまは少なくなった習俗を含め、一つの捉え方として、お考え頂ければ幸いです。

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