イスラエルとパレスチナの抗争は、形を変えた「ロシアのユダヤ問題」が集約圧縮された事案とも言え、ロシアは巧妙に立ち回り混乱させる事を企図し
パレスチナのテロ組織軍「ハマス」が、イスラエルへロケット砲とミサイルを一気呵成に5000発撃ち込み、イスラエルが自衛戦争として反撃に出て1ヵ月が経過した。
以前も指摘したが、
パレスチナのガザを支配する暴力組織の「ハマス」が、人としての想像力を保持するなら、現在の状況を想像する事はできても、痛痒に感じる事などあり得ない。即ち「人手あり、人でナシ」は、イスラエルとの戦闘は「善」であり、何をしてもアラーから赦される「アッラーアクバル」だと刷り込まれ、それを最優先する人としての教義だと信じ切る「狭義」であるかと。
そこを国際社会の世論が理解しているかどうかだ。
街頭へ繰り出し「戦争に反対」しても、本質は何も変わらない。
A)ここまでの現況:
① イスラエルは軍事的に強い攻勢でガザの北半分を制圧し、ハマスの制圧には一定の効果を示すだろう。
② ハマスは組織戦争に勝つ事はなく、ゲリラ戦を選び、より凄惨なテロ攻勢を仕掛け続け、制圧を妨げ続け長期化させるだろう。
-2 国際世論へイスラエルの行為は非人道的とする工作を強め分裂を図り生き延びるための手を駆使するだろう。
③ 周辺の「アラブ諸国」は、手を焼き「ハマス」への応援や支援を続けるだろう。
④ イランは、徹底的にパレスチナで「ハマス」を、レバノンで「ヒズボラ」を支援し続け、国際社会を手玉に取り続けるだろう。
ー2 サウジアラビアは、アラビア半島の大半を治めるが、イエメンで暗躍するイランに支援されるテロ組織との戦いもあり、積極的にイスラエルとの仲介をする事はない。
⑤ パレスチナと国境を接するエジプトもヨルダンも、パレスチナ難民の大量受け容れで疲弊しきっているため、相当な処へ追い込まれない限り仲介に動く事はない。
⑥ カタールは、中東の「スイス」を標榜し中立を崩さず、テロ組織「ハマス」の最高指導者を受け入れ定住させ安全を提供している。手は汚れていないと平然と善い顔をし平気だ。
⑦ カタールは、テロ組織「ハマス」を、表に出ず支援しているとも言える。
(この点は見逃せない)
B)ハマスを後ろから嗾けたのは何処の誰か?
① ハマス」は、50年前の10/06に第4次中東戦争が開戦した日を忘れさせないために攻撃に出たと主張している。
② それを嗾けたのはイランであり、後方から「対イスラエル戦争」を指揮している。
③ 更にイランは、ハマスにイスラエル攻撃をさせる件を、事前に十分なロシアとの擦り合わせをした上で、ハマスへの指示を下したと思われる。
④ ロシアは、ウクライナ戦争の膠着を続け、ウクライナ東部地域の実質的占領支配(領土組み入れ)構想から、欧米社会の批判や非難を逸らすために、パレスチナではハマスを、レバノンではヒズボラを、イランが支援し「イスラエル」攻撃をさせる事で、対ロシア非難の目線を変え鉾先を転換させ、欧米社会の世論分断を図り「ウクライナ」への軍事支援を減少させる事、ロシアのウクライナでの戦争批判を減退させる狙いを達成する。
⑤ そのために、勝つとか、敗けるとか、パレスチナの人命が、人道がなどは、何らの痛痒もなく、イスラエル(アメリカ)非難が高まれば絶好機会と手薬煉を引いている。
⑥ イスラエルは長期戦で構え、ハマスを徹底潰滅させる存亡を賭けた戦略と戦術で臨んでいるが、欧米社会は1~2年の短期戦で捉え考えているため世論操作次第だと、ロシアやイランまた中国は考えているだろうから歴史観の尺度が異なるのだ。
⑦ ロシアもペルシャも国家や社会文明の歴史を半世紀単位~1世紀単位で捉える歴史戦でもあり、それは中国も同様だ。
C)中東でパレスチナやレバノンの後ろに控えたイランとロシア
① B)で指摘のように「歴史観」「時間概念」「人の命の捉え方」の思想や思考が根源で異なるため、単純な「人道觀」を掲げ、喧しく批判し非難する欧米型民主主義の思想や思考論理を刷り込まれ、それが絶対的に正しいとする思想や思考論理では捉えきれない。
② 中国と表面上は妥協できても基本原則で欧米的民主主義の価値観が一致できないのは同様の思想思考論理からである。
③ 中国は、米国の社会制度を破壊するために、ありとあらゆる様々な手法を駆使し、見えない形で要員を送り込み、秘密裏に組織的また個別に工作し展開している。
イスラエルの地へ帰国定住したユダヤの民の多くはロシアからだ。
欧州大陸の西方、いわゆる西欧社会からイスラエルの地へ移住定住したユダヤの民の数は少ない(と言われている)。
なぜ、ロシアからの移住が多かった(多い)かと言えば、それはロシアでの生活が、余りにも酷く追い込まれ「農奴以下」とされ続け最下層へ閉じ込められる状況だったからと、言われていた事(聞いた)を想い出した。
勿論、ロシアで主導権を握り政治や経済で頭角を現しロシアの政治経済を金融差配する側もいるワケで、実に複雑だ。
ロシアからの移住定住者の多くは、パレスチナを侵食した「新入植地」を切り拓き、パレスチナ人を追い払い定住した。
(これが、パレスチナを侵食し続けるイスラエルの植民地主義と言われ、憎しみを増す所以だ)
ロシアは、困窮すると周辺の他国へ平然と侵入し植民地化する思想は一般化しているため普通の事だ。
つまり、ウクライナ東部へ侵攻侵略するウクライナ戦争と、パレスチナへの侵攻侵略で植民地化を進めるロシアからの移住者が進めるイスラエルは同じ事だ。
反撃するガザを支配するパレスチナ側の武力テロ組織「ハマス」は、パレスチナの解放とイスラエルの打倒を掲げ「武装解放戦争」を主張する。
しかし、その本質は「スラブ社会」の「ユダヤ」問題でもあると言える。
世界で生じている事は、個別の案件であり、単独に見えるが、
全体は、強固に結びついている事を理解すべきである。
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