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2023/11/03

自律し自立できる「市民」と、依存し仮借する「市民擬き」が " 市民 " として存り、一方には現実の社会で「隷属」を強いられ依拠する明らかな「層」が在る

学術的な定義ではない実質的な「市民」という概念(イメージ)について:


捉え処のない空想を喧しく議論しても「実」がありません。
現実の社会を実際に指揮し支える側がどのような実態で存在しているのか?その点が何よりも大切です。


先ず、日本では「市民」という概念より、「国民」という大きな傘を概念的に選ぶ刷り込みが圧倒的で、
「お上>国民」が500年にわたり強固に象られ定着しています。
「日本國」を形成した中央集権は細部に「各藩」を組織し、そこに「隷属」させる方法で「所属=統治」される意識で約250年にわたり幕藩統治した事の成果かと。


欧州大陸で過酷な政治(統治)を打破する「革命」により、
近代社会が形成され、をれを指揮する「市民」という概念と「民主主義制度」が形成され、
時に「国家」と対抗し対峙する「市民」という概念が確立されたワケですが。


「市民」という存立概念(イメージ)は、何よりも「自律姓」と「自立性」にあります。
全てが自らを自ら「律」し「自立」しているワケではありません。


「自立」しているように見えながらも「依存性」が高く、組織に「隷属」している人は、
基本的に「自由」を制限されているワケで、何よりも「市民」とされる側は「依存」し「隷属」するよりも、
規模の大小を問わず「自由」に「自立」し、自身の責任で自律し、何よりも基本的な「納税」義務を果たし「選挙権」を行使し社会参加する能力(責任を果たす)を持つ事が重要です。


何れの国民も、自由に発言し自由に行動しているようでも、見えざる力で「仕掛け網」に囲い込まれた状況の下に置かれています。
対抗力を持たない側は「組織」に依拠します。
自律し自立した自己存在よりも、一定の規模を保つ組織に依存し、自らの頭脳や技術を提供する事で、自身の自立や自律性を保つ人もあります。
とはいえ、個々人が保つ「頭脳」や「技術」はそれぞれが、内容や質も異なり、寧ろ「労働力(=汗)」の提供に軸足を置く方法で社会参加する人もあります。


同じように、単純な作業を繰り返す方法で「労働力(=汗)」を提供する人もあります。
オフィスで、工場で、作業現場で、店頭で、その他の場で、など様々ですが、幾つもの方法で社会を形成する「ヒエラルキー(傘)」の一角を占め、ポジションを得ます。


社会は、その「対価」を個々に支払う方法で組織し、より大きな「生産」を得ています。
(これは組織活動でも個人活動でも大きくは同じです)
業務というか仕事がなければ対価としての「収入」はありません。
いわゆる「飯の食い上げ」になり生存が危うくなります。


そこで、自立と隷属の関係が浮かぶワケです。
「自らの責任で喰える=自立」
「組織に絶対依存し喰う=隷属」
これが「社会参加」を、無言で規定します。
とりわけ、低賃金で押し込められ「隷属」を強いられる側で、組織下に縁遠い人には、無言の圧力となり「社会的発言」を制限します。


問題意識の高い人は、現代ではSNSなどを用い愚痴や批判・怨念を吐露し溜飲を下げます。
まぁ、社会も完全に個人の内面まで支配できませんから、そこはフリーハンドの要素が高いワケですが、決して健康的な社会とは言えません。
でも、現実は「自由な市民」と「不自由な市民」に「隷属させられる側」に、厳然とした線引きがあるように見受けます。


日本は、それを大きく「日本国民」として括り位置づけ概念上の漏れを防いでいるように見受けますが、実態は「社会の底辺」を大都市圏もローカル圏も平然と切り捨て、弥縫政策で表面上を整え「市民社会」の権利擁護を宣べ、救済の社会政策を繰り出す事で崩壊を止めているワケです。


現実の姿を、客観視すると真実の姿が浮かび上がり、見える事でしょう。
それを、敢えて自由な「市民層」と制限を受ける「隷属層」に分け、定義の方法としてみたワケです。


これはコンサバでも、リベラルでも、コミーでも、何らの関係もなく、社会の層を眺め掴む上での「階層」分類方法の一つでもあります。

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