ビルを建築する時には地中深く岩盤まで何本もの「杭」を打ち建物を支える 「杭」をケチり打たなければ「悔いが残る」と新興宗教のように言われ続け
この報道、この指摘、この事実、皆さん真剣に考えた方がヨイですよ!
以前から「基礎の杭打ちと基礎工事」の関係は、いつも不思議に思い考えていたテーマです。
自らが関わった巨大建築で、何度も詳細に「有効性」を説明されましたが、理解の外でした。
基礎杭を40m打つとか50m打つ事が重要でと。
上に、伸ばすのが120mなら160m~170mの建築になるワケで・・・
防災技術の基礎研究として、真剣に議論と実験に取り組んでいるのですが。
地下100mの岩盤まで打ち込むと言っても、巨大地震は浅い震源でも10Kmなワケでして、
100mの根拠を理論的に説明されても、広域な隆起と沈降には効果があるとは考えられないワケです。
怪しい宗教が主張する安心論みたいだなぁと、皮肉な冷たい目で眺めておりました。
それより、広大な面を持つ底層建築なら、横杭と地中梁を構造化し建築物を支え、地面に全重量を浮かす構造の方が安定しているのではと。
それにも増して、何よりも残念だった事は、
木造の低層建築物で、1980年以前の建築基準の建物は、1Fが間違いなく「座屈」する構図が、再び明らかになり「圧死」の原因になった事です。
家屋内で身を護るため必須の基本行動が為されず多くの「圧死」を招いた事は痛恨の極みです。
人は、自らが体験し経験しない限り、咄嗟の瞬間行動はとらないのです・・・
引用開始→ ビル倒壊「全国どこでも起こり得る」 地下の基礎構造は耐震に明確な基準なく
(産経新聞 2024/1/31 17:28)能登半島地震で多数の建物被害が出た石川県輪島市では、揺れに強いとされる鉄筋コンクリート造りのビルが根元から倒壊する事態も発生した。地上の構造物は耐震基準の改正によって強化されてきた一方、地下の基礎構造について専門家は「明確な基準がない」と指摘。新耐震基準に基づいて建てられた建築物であっても、今回と同じような現象は起こりうると警鐘を鳴らす。
倒壊したのは、輪島市中心部の交差点に立地する地上7階地下1階建てのビルで、根元から横倒しになった。近畿大産業理工学部の津田和明教授(鉄筋コンクリート構造)は「地震によって垂直方向に力が生じ、上の建物がくいを引っ張る形で地面から外れてしまった」と推測する。
現場近くには川が流れ、平成19年に発生した能登半島地震では液状化現象の発生が報告されたほか、今回の地震でもマンホールの隆起がいたるところで起きた。
建物の登記簿によると、ビルは昭和56年に耐震基準が現行のものに改められる前の48年4月に新築として登記されていた。ただ、津田氏は「耐震基準が厳格化されたのは地上の上の部分のみで、地下の基礎構造は設計者の考えによるところが大きい。耐震基準の新旧を問わず、くいに問題があれば大地震によるビルの倒壊は全国どこでも起こり得る」と話す。
建物の基礎構造について「日本建築学会」は「建築基礎構造設計指針」でくいに抵抗力を持たせるための計算例や、土地に応じた設計方法などを示しているが、津田氏は「現状、設計者がそれらを確認する義務はない。今後、新しく建てられる建物については、土地の液状化の可能性を厳格に判定するなどの改善が必要」と述べた。←引用終わり
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