全ての国で、全ての社会で、統治者や政府は、その国の「民度」を反映し、それは「教育」により形成される。また「上部構造」が「下部構造」を規定し囲い込む
何れの国でも、何れの地域社会でも、そこに棲まいする側を包摂し支配し、有効に統治するために、何よりも「上部構造」は「下部構造」を規定し、下部構造に多くを囲い込み様々な強制を課し手懐ける。
その中でも特に有効な事は、臣従意識の刷り込みであり、それへの積極的な賛同者を褒め上げ指導的な立場に位置づけ、統治手段の中心軸に据える。
この最も有効な刷り込み手段は、何よりも包摂した者への「教育」であり、努力を重ねた者への賞賛と表彰制度を用い、より深化を競わせ、見えるように上位へ登用する。
日本は、明治の近代化で最も重視したのは、民に「臣民」として「義務」を果たす事の重要性を、その意識を徹底的に刷り込む事で、概ね「成功」を納めた。
WWⅡの敗戦を機に、占領軍(GHQ)は、日本の「教育改革」を断固として実行した。
即ち「臣民」ではなく、明らかに自らが立ち権利を有する「市民」としての確立であった。
広く帝国の臣民であった日本人は、開かれた「民主主義」の下に、様々な「権利」を与えられ、それに伴う「責任」については軽く求めあられる程度になり、凡そ「義務」については多くが割愛され、必要最小限に抑制された。
大きな中身は、その程度であったが、
何よりも「下部構造」は下部構造社会のまま据え置かれ、イヤ放置されたかも知れない。
基本的に、弱体化した「統治機能を回復し確立させる」までは、
「下部構造」は「下部構造」として、徹底的に「上部構造」が規定し支配する「社会構造上の力学」を重視した事による。
反面で、夜間高校を設置し、昼間は働き生産に従事し、夜間は学ぶ方法を広めた。
また、大規模事業社には「社内養成工制度」を設けさせ、自社内での生産要員を養成させる事を推奨した。
これらは明らかに「上部構造」が「下部構造」を規定し設けた制度だ。
これにより、日本のWWⅡ敗戦以降の困難は、幾らか解消でき、あるいは「企業社会」というか「事業会社(=生活創出)」の場が確立され、社会的な不安や困難は収束する方向を示すようになった。
中国は、中国共産党が国と社会を規定し支配する国であり、基本は平等が原則であり、表面上は差別も区別も存在しないのだが。
徹底した「上部構造」が「下部構造」を規定し、一切の批判や抵抗をさせぬ社会が形成した国だ。
中国は、行政機構とは別に強大な権力を有する「中国共産党」があり、常に正しい「中国共産党」の指導の下に国家機構が存在する国だ。
尚かつ、中国共産党は直属の軍事機構「中国人民解放軍」という巨大な軍事力を直接指揮する「軍隊」を保持している。
中国では、
常に「中国共産党」が絶対的に正しく、
単に「下部構造」に過ぎぬ全ての「中国人民」は、絶対的な「上部構造」の「中国共産党」の指示命令に従わなければならない統治構造なのだ。
その代表である習近平主席に対し「絶対服従」であり「一つの疑念」を持つことすら「反中国」であり、厳しく「査問」され「犯罪人」として、その罪を償う事が必要なのだ。
教育は、人を変え、社会を変え、国を変える。
米国では、インテリジェンスを欠くドナルド・トランプが、教育の行き届かない中下層の無思考な層を相手に、世にも不思議な「煽り」の「吹き込み」をヒステリックに行っている。
それに熱狂する支持者の姿を見るにつけ「米国社会」が抱える基本問題を見せつけられる思いを払拭できず、実に悲しいかぎりだ。
あの憐れな馬鹿さ表現も、実に貧しい米国の徹底した「教育」結果に過ぎぬのだ。
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